「…くしゅんっ!」
穏やかな昼下がり
大勢の人々が闊歩する往来に、みらいちゃんの愛らしいくしゃみの声が響き渡った
「…みらい、大丈夫?風邪でも引いた?」
それを聞いたリコは鞄からティッシュを取り出し、それをみらいちゃんに差し出しながら、心配そうにみらいちゃんの顔を覗き込む
「ありがと、リコ。ちょっと鼻がむずむずしちゃって…体調が悪いわけじゃないから、大丈夫だよ」
「そう?それならいいのだけど。最近はめっきり涼しくなってきたから、体調管理には気を付けなきゃダメよ?」
「えへへ。は~い!わかりました、リコせんせ~!」
まるで生徒に言い聞かせる教師のような物言いで、みらいちゃんに注意を促すリコ
それを受けたみらいちゃんはけらけらと笑いながら大きく手を挙げると、元気いっぱいにそう返事を返した
…10月も、半ばに差し掛かり
季節はすっかり、秋の様相を呈していた
あれだけ大空で存在感を示していた太陽も、いつの間にか、すっかりとその鳴りを潜め
代わりに吹くのは、穏やかな、秋の涼風
18/10/07(日)23:59:08
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