たまには早起きしてみるものだな、キッチンに立ちながらそう思う。軽めに朝食の準備をして夕食の余りを弁当箱に詰めながら時計を見るとそれなりの時間で──
「ま、たまにはゆっくり寝ててもいいよね〜」
と寝室の良人に惰眠を貪らせてあげる。そう、普段働き詰めだから、ね。そう思って待つこと少し──
「……おはよう」
「おはよ〜」
朝食、食べよ?なんて普段と逆の立場で言ってみる。うん、こういうのもいいな☆
「うん、頂くよ。……ま、この時間なら大丈夫か」
「うんうん〜。大きなレースも近くにないしね〜」
それは言うなよ……、苦笑しながら机に座る彼にお味噌汁とご飯、ベーコンエッグと人参サラダを運ぶ。ささやかな朝食だけど自分が作るのも彼を食べるのを見るのも、なんだか新鮮で──
「えへへ……」
笑ってしまう。
「……?」
「なんかね〜、嬉しくて☆」
こうするのもさ、とかなんとか言うと彼も苦笑する。
ありがとな、って言いながら。
21/07/02(金)23:36:41
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