12月も半ばに差し掛かり、津成木町は本格的な冬を迎えていた
「…っくしゅんっ!
みらいちゃんとのデートの途中、冷たい寒風に吹かれたリコは小さくくしゃみを零し、ぶるるっと体を震わせる
それを隣で見ていたみらいちゃんは、心配そうにリコの顔を覗き込んだ
「…リコ、大丈夫?」
「…ええ、平気よ、みらい。ちょっと鼻がムズムズしただ…っ、くしゅんっ!」
みらいちゃんに返事を返している途中最中、リコの口から再び、くしゃみが漏れる
それに伴いリコの体はまたもぶるっと震え、リコはたまらず、両腕で自分の体をぎゅっとかき抱いた
「…ごめんなさい。やっぱり、大丈夫じゃないかも…ナシマホウ界の冬を、少し甘くみてたわ」
リコは無意識の内に自分を抱く両手を上下に摩擦させながら、溜息を吐いた
年中春の魔法学校で暮らすリコにとって、季節など、あってないようなものである
なのでリコは、ナシマホウ界の季節の移ろいに、少々疎い所があった
18/12/16(日)23:55:49
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