虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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2022-06-18のスレッド一覧 5669件

「疑問ッ!生徒達が読んでいるあれは?たづな、教えてくれ!」 「最近巷で流行ってるメジロレトリバー先生の漫画ですね。生徒達もよく読んでいるようで」 「興味ッ!私も読んでみたい!」 「そう仰ると思って既にこちらに用意してあります」 「感謝ッ!どれどれ………こ、これはっ!?」 ~~~ 「ということでトレセンの図書室にアタシの漫画が置かれることになったんだけど」 「何がということでなんですか!?」 府中某所、とある喫茶店にて。メジロドーベルは担当編集をビックリさせた。否、この場においては“メジロドーベル”という名は相応しくないだろう。彼女は“メジロレトリバー”、正体不明の天才少女漫画家である。今日も今日とて打ち合わせ中。 「いや、ウチの理事長って割と暴走する人なんだけど、アタシの漫画をとても気に入ったみたいでね。今度から図書室に置くって言い出したんだ」 「マジですか。え、いいんですか?結構な有害図書ですし学び舎に相応しくないんじゃ…」 「その有害図書でご飯食べてるんでしょアンタ。ま、そういう意見も当然出たよ。『間食や多少の夜更かしには目を瞑りますが図書室に漫画はどうなのでしょう…』って」

22/06/18(土)23:08:07

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おはようと言えば、おはようと返ってくるとか。流石お嬢様だとおだててみれば、気持ちのいい高笑いが返ってくるとか。君にどうすればどう返ってくるか、大体もう手に取るようにわかる。それなりの付き合いで、日常の会話のバリエーションは粗方出てしまっている。 だから多分、やろうと思えばだけど。架空に君を立ててしまって、それと会話することはできる。君がいなくても、私は君に話しかけられる。君をおちょくれる。笑い合うことだってできる。そんなに変なことじゃない。声だって仕草だってうんざりするほどよく知っているのだから、やろうと思えば、できる。 だけど。だけどやっぱり、当たり前のように。私にはそれができないのだ。君と別れても、君と居続けることは。いつか終わるこの青春を、冷凍保存してしまうことは。永遠にしてしまうことは、できないのだ。 変わり映えのしない日常に、かけがえのなさを感じていても。幕引きの瞬間の時、喪失に耐えられないとしても。限りある世界は、限りあるから綺麗なんだ。 「おはよう、キング」  だから今日もそうやって、いつものように。 「おはよう、スカイさん」  わかりきった、その声に。  私は今、幸せだ。

22/06/18(土)03:06:40

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「スカイ、さん……」  豆球の明かりがぼんやりと私たちを照らしている、ように思う。簡単なことすらも断定できないのは、前に向けている視界のほとんどを夜よりも濃い影で遮られているから。影の正体は掴める、というか。分からずとも知れるものがあるって話なんだ、近くに漂う香気が、近くで滞留する熱量が、近くを制圧する重力が、誰が誰であるかを雄弁に物語っているだけなんだ。  一体どうしてこんな状況になっているんだろう。おやすみを言って寝て、珍しく起きてしまったと思ったら、こんな状況になっているだなんて。冷静に分析すればするほど、本当笑えない冗談過ぎて、流石に思考がまとまってくれない。そこそこ手入れされた埃っぽくないベッドに寝転がされ、力を振り絞って起き上がろうにも、左肩が熱く温もる小さな手によってぐっと押さえつけられているためか、悲しいことだけど起き上がれず抗えそうにもない。  なら力尽くで逃げればいい、そうだね、そうかもね。でもそんな考えは元からないんだ。私は悲しませたくないし、それに諦めたくもない。物理的にも、精神的にも。動けなくされているってことはきっと、まだ取り返しは付くはず。

22/06/18(土)01:55:00

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