ノウム・カルデアの廊下を悩みながら歩く。バレンタイン――――感謝や好意をチョコレートと共に贈る風習
私はワルキューレ。三人で一つの同位体。故にチョコレートを贈るとなれば三人で一つのものを贈ることになるだろう
でもそれでは満足できない自分がいる。自分だけのものを贈りたい。私だけの、気持ちを伝えたい
「レディ・オルトリンデ。いかがしましたか?」
声をかけられはっとする。どうやら思考に没頭して立ち尽くしてしまったようだ
声の主はシャルル=アンリ・サンソン。人類史有数の処刑人。勇士ではないのであまり知らない相手だ
「どうやら何か悩み事のご様子。どうでしょう。かのワルキューレの手助けとなれるかはわかりませんが、話を聞くことくらいは僕にも出来るでしょう」
たしかに自分の思考だけでは袋小路に入ってしまう。相談できる相手もいないし、彼は勇士ではなくとも高潔な魂の持ち主だ。その言葉に甘えることにしよう
19/02/03(日)23:44:38
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