虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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2018-11-28のスレッド一覧 5209件

ゆりちゃんにはいろんなゆりちゃんがいるわね、たとえるなら、コンビニで働いてる時のゆりちゃんは優しい、厭味もなく暗い 顔もしない、生麺を食べてもおにぎりを食べてもサンドイッチを食べても、小さな部屋にゆりちゃん達が集まってパーティーが 開かれる、わたしはその雰囲気が好きで、お父さんがいないだけで蛆虫の湧いた気分にさせられるの、たとえるなら線路脇の地 下道で座ってるゆりちゃんは大人しい、どんなに笑わそうとしても表情を崩さない、牛乳瓶を割っても活けてある花を踏んでも 、おもちゃ売り場の大きな積木でお城を作ったわ、お城を壊す小さいゆりちゃんたちを叱り付けて、構内のごみ箱には毎日新聞 紙が捨ててあるの、もったいないでしょ、昨日忘れたビニール傘を取りに行くと何本も何本も用意してくれて、コンセントの中のゆりちゃんは泣き虫ね、撫でても顔を上げないで、蚊の泣くよな小さな声でビー玉のお味噌汁をビー玉のお味噌汁をと泣いて いる、灰色の市営駐車場が目印よ、お母さんも黒猫だから、タンゴを歌いながらお父さんと毎日踊ってる、たとえるなら最近のお父さんは無口で足音も立てない、でもお家に居てくれるだけで嬉しい

18/11/28(水)21:40:54

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檸檬っす やっと猫ができ上がった。そして軽く跳りあがる心を制しながら、その夜露の頂きに恐る恐る檸檬を据えつけた。そしてそれは上出来だった 見わたすと、その檸檬の色彩はガチャガチャした色の階調をひっそりと紡錘形の身体の中へ吸収してしまって、カーンと冴えかえっていた。私は埃っぽい成子坂の中の空気が、その檸檬の周囲だけ変に緊張しているような気がした。私はしばらくそれを眺めていた 不意に第二のアイディアが起こった。その奇妙なたくらみはむしろ私をぎょっとさせた ―それをそのままにしておいて私は、なに喰わぬ顔をして外へ出る― 私は変にくすぐったい気持がした。「出て行こうかなあ。そうだ出て行こう」そして私はすたすた出て行った 変にくすぐったい気持が街の上の私を微笑ませた。の事務所へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が私で、もう十分後にはあの成子坂が事務所を中心として大爆発をするのだったらどんなにおもしろいだろう 私はこの想像を熱心に追求した。「そうしたらあの気詰まりな成子坂も粉葉みじんだろう」 そして私は活動写真の看板画が奇体な趣きで街を彩っている青梅街道を下って行った 檸檬っす

18/11/28(水)18:44:11

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