虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。

2019-02-16のスレッド一覧 5824件

「チョコが、減らん……」 フランシュシュの名プロデューサー、巽幸太郎は自室にそびえ立つ泰山の前で立ち尽くしていた。営業先で千歳飴並みに配られていた義理チョコが、まさかここまでの量になるとは思ってもみなかったのだ。 しかし『義理』『人情』、その言葉の重みを幸太郎は身に染みるほどによく知っている。 『食べきれなくて三ヶ月置いてました』、などという失礼を仕事相手にできる筈もなく。 「幸太郎さん、失礼しま……えっ、何ですかそれ」 そんな苦境に立たされた彼の前に、最高のバッドタイミングで彼女はやってきた。 源さくら、享年17歳、元クラスメート。 「モ、モテる男は辛いのぉー!!でも俺はスイーツ男子だからチョコは大好物でなんですぅー!一つ足りともお前にやるわけにはいかん!」 「そういえば普段からパフェ食べてましたし、甘い物好きやったとですね!でも珈琲……飲みたくなかとですか?」 「こ、珈琲」 喉から手が出るほど欲しかった苦味。おそらく、さくらが淹れてくれたいつもの巽ブレンド。幸太郎はごくりと唾を飲み込んだ。 「はい、どうぞ」 眼を瞑ると、焙煎された香ばしい香りが胸一杯に広がる。天にも昇る至福の一時。

19/02/16(土)23:05:15

29レス

「ねえ、私すごいこと思いついたの。私たちの体って、首を付け替えれば自由に動かせるじゃない?」 「まあ、そうだが…。なんじゃい、それでなんなのボディからどやんすボディになるつもりかい」 「どやんす…?そんなことどうでもいいけど。例えば、新曲の振り付けが決まるとするじゃない」 まずその振り付けを私が覚える。そしたら、振り付けを覚えた私の体に皆の首を付け替えて、皆が動きを覚えることが出来る。 ううん、それどころか上手く踊れない子がいたとしたら、その体を使って私が踊ってみて、足りない部分を指摘することだってできる。 文字通り相手の身になる指導ができるというわけだ。これはアイドルグループの革命と言っても過言じゃない。 「…お前は本当にアイドルバカじゃのう」 「なんなの!?」 呆れたような返事に、私は激怒した。生きている人間では不可能な効率で全体のレベルアップを図れるのであれば、それは私たちの強みだ。 強みを生かそうとする提案に、何故そんな顔をするのか全く分からない。 「他の連中が同じように思っているとは限らんだろう。自分の体を他のゾンビィが動かしていることに不快感を覚える奴がいるかもしれん」

19/02/16(土)21:01:11

37レス