「じゃ~ん!」
そう言ってみらいちゃんが取り出したのは、一本のボトルだった
ナシマホウ界の人間ではないリコでも、それが何のボトルなのかは一目でわかる
「みらい…それ、ワインボトルよね?」
「ふふ、ぴんぽ~ん!正解!」
みらいちゃんはにっこりと微笑むと、手にしていたワインボトルをテーブルの上に置き、リコの向かいの椅子に腰を下ろす
「この前の誕生日で、リコも二十歳になったでしょう?だから今日は、ふたりがめでたくオトナになったお祝いをしようと思って」
奮発して買っちゃいました!、とみらいちゃんが胸を張る
そんなみらいちゃんを一瞥した後、リコはテーブルの上のワインボトルをしげしげと眺めた
―お酒の事にはあまり詳しくないけど、みらいがこうも自慢げなのだから、これはきっといいお酒なのね
ボトルの表面には何やら派手で豪華なデザインのラベルが貼られており、なるほど、確かにえもいわれぬ高級感を醸し出している
(ヴィンテージワイン、っていうものかしら…)
リコが心中でそんな事を考えている間に、いつの間にか席を離れたみらいちゃんは、キッチンからふたつのワイングラスを手に戻ってくる
17/11/19(日)23:58:55
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