虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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2017-10-03のスレッド一覧 5332件

季節の変わり目は人とお空の化かし合いだ。暑くなったと炬燵を仕舞えば冬将軍が上洛す。 寒くなったと団扇を仕舞えばお天道さんが張り切り出す。故に、変わり目の時期に何も仕舞わぬ物臭が生まれてしまうのだが… つまりは10月になって蒸し暑いのである。 いや、別に私だけならそれでいいのだ。三十路を過ぎては四十九里波之上、五十も生きりゃ人の命も七十五日。 残り二年で喜寿となるこの身、スイも甘いも噛み分ける程度にはなったつもりだ。だが 「けおぉぉぉ…蒸し暑いんですげおぉ」ぴるす君である。 彼はただでさえそのクワガタ虫が間を借りている脳内の遊び場を掲示板荒らしなどという無為な事に費やす大愚か者。 そんな彼が気候の窪みから這い上がるだろうか?まさか。ご想像の通りぴるぴる喚き立てるだけだ。 かといって家にクーラーはない。扇風機は蔵にしまったばかり。ぴるす君に食わせる冷菓はない。「ケオゲォ…」 だが安心したまえ。そんな物なくとも、風通しを良くして涼しくなれる方法があるのだから。「ケオ…?さっさとしてくだち!」 どうだ、涼しくなったろ?煩くもなくなって一石二鳥さね。風穴の空いたぴるす君も嬉しそうに血を吹き出していた。

17/10/03(火)21:53:35

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「こうですか助手?」「博士…それではただ可愛らしいだけですよ?」「意外と難しいのです…」巡回中少し遠くで博士と助手が何かをしているのが見える まぁ何か意味のある事なんだろう さて行くか 「それではお手本を見せましょう…勢いよく…こう!」バサッ「うわっ!…成程です…威嚇とはこうするのですね」 ──! 子供の危機を検知!母性始動タライフォールスタンバイ!! 空高くタライが舞い上がる 子供達の間に天空からタライが勢いよく割って入る お腹空いたからってコノハちゃんを食べようとしちゃダメ!! ミミちゃんに満タンまで母乳をぶち込む 白目剥く位じゃ多分足りないだろ 「助手を離すのですリカオン!ぶっとばすですよ!?」おやコノハちゃん プルプルしながら羽を広げちゃってまぁ可愛い妬かないの抱っこね 抱き締めたそばからシュッと細くなって抜け出そうとするもそんなことは許しません はいぎゅーっ 冷静に考えるとミミちゃんがコノハちゃん食べるなんてあり得なかった それなのに襲い掛かったのは…んまぁ!何とハレンティな!!お母さんふしだらは許しませんよ!! 気絶した子供達のお尻をペンペンワンツー!! 淫らなのはまだ早い!!

17/10/03(火)21:47:21

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アミちゃんって高校卒業したらアイドルになりそうだよね、でも歌もグッズも全く売れずライブを開いても全然人が集まらないような状況が続いて、テレビ出演のオファーも一切貰えない可哀想なアミちゃん歳月だけがただただ流れていくある日、大学を卒業した萌ちゃんから憧れだった落語家に弟子入りできましたってメールが来て文面では流石はアミちゃんの一番弟子みたいな感じで明るく返すけど、内面では嫉妬と焦りでどろっどろのアミちゃん、そんなアミちゃんに萌ちゃんはいつか師匠みたいになれるよう頑張りますなんて返すから思わず泣き出すアミちゃん更に年月は流れ、アイドルになったころからずっと続けてきた枕営業の甲斐あってついに初のテレビ出演が決まるアミちゃんしかも超有名音楽番組での持ち歌披露という一世一代の大舞台そして全てを出し切ったアミちゃんそれを見ていた修行中の萌ちゃんも流石、私の、師匠ですと感動、でも結局人気が出る事は無くアミちゃんはそれっきりテレビに出る事は無くなりひっそりと引退、それから日々無気力のまま過ごす毎日、気晴らしにテレビでも見ようと点けてみると、そこには天才女流落語家の文字とかつての愛弟子の姿が映っていた。

17/10/03(火)21:32:27

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海沿いに、車を走らせる。 夏の青い空の下、アスファルトは地平線まで黒々した線を引いていた。 左手には地中海、右手には赤く焼けた荒れ地。助手席にはどこかで拾った浮浪児がうずくまっている。 これでも今は大事な相棒だ。手袋越しに彼の目玉へ指を突き刺す。 やがて家並みまばらな村々を過ぎて、遠くにみすぼらしい教会が見えた。 石膏の壁は灰色にくすみ、その上に頂く十字架ばかりが白銀に輝く。 私はその脇で車を止めた。ここに用がある。その時、屋内から聖歌が聞こえてきた。 音楽は熱い空気に波打ち響き寄せる。それは悲痛な、喘ぐ様な歌声だった。いいぞ、ああ歌え!歌え! スキットルのぬるいヴァンテリンを飲み干して、私は教会へ飛び込む。 そこでは緑の肌のチュニジア人の神父が醜い少年を犯していた。 私は何か言いようのない怒りに駆られ神父を殴った。 それでも彼は依然腰を振り続け、いやらしい笑い声を発し続けた。きっと気が狂っていたのだ。 自分の仕事相手がこんな奴だったとは! 私は失望して浮浪児を車から蹴り出し、助けた少年を乗せて次の目的地へと走り出す。 灼熱のアスファルトはどこまでも遠く、遠く太陽までも続いていた……。

17/10/03(火)20:28:15

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雪の降る静けさに尺八の音が寂しく響いた。 軒先へ出る。佇む緑衣の虚無僧は卑屈な笑い声を立てた。白痴の類かと思われた。 だが何よりも彼の持つ異様な尺八の様が目を引いた。尋常の長さではなかった。 またその色の赤み、四つ花菱の焼印、幸の彫り文字。 藤間家は代々、ぴるす細工の妙なるをもって世に聞こえているが、これは以前私の彫った物に相違なかった。 しかし大きさが違う。もっと小さく造ったはずなのだ。 何故?自画自賛ながら作り手の妙、魂が宿っていたからだ。尺八は生きて成長し、自ら鳴き声を上げていた。 ところで私は野球中継を憎んでいる。厚かましくも延長される試合は我々の時間を食いつぶす。 だがここではその野球にお世話になろう。退屈な試合を眺める間に10年が過ぎた。 成長を続けた尺八は地殻を砕き、遂に地球そのものをコマの軸の様に貫いていた。 当然世界は大混乱?そんな事は無い。全ては梨園の管理下にある。 尺八は今や軌道エレベーターとして運用される。 同時に梨園に反抗する者があれば、両の先端に搭載されたビーム砲が即座に狙い撃ちするのだ。 暗く地上にのしかかる重たい影は、ずっと地平線の向うまで延び続ける……。

17/10/03(火)20:21:49

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子供の頃、月面には人間の住む神秘的な都があると信じていた。 いや、より正確には信じようとしていたと言った方が適切かも知れない。 日夜の厳しい稽古に私は疲れ、舞台でないどこかに逃げ場所としての理想郷を夢想していた。 いつかそれがあの輝く白い月の上に、美しい大都市として少しずつ像を結び始めた。 そこでは建物はどれもが白く透明で不変に永遠を過ごし、きっと住人もまた絶対的な存在なのだ。 もちろん自分が青年へ近づくにつれて、そんなのどかな夢は薄れていった。 そして26歳の時、アームストロング船長が茫漠たる荒野を踏むと共にさやけき月の都は失われた。 だが今、そんな理想郷の実在を私は再び確信しようとしている。 月の都は実在する!都のある月は天上のそれではなかったのだ! 雨上りの夜道を見たまえ、水溜りの鏡面の中に透明な月が映っているだろう…それだ。 しかしそうではないのだ。何を言うやら分からない? そうだろう、そう、ただの水には生命が無いのだよ。それでは月に人は住めない、だから血だ。 それも純粋な一人の男の血だ!そして都を映し得るだけの広大な血液の湖を地上へもたらすのだ。 だから君達はここにいるんだよ。

17/10/03(火)20:15:24

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