虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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2022-09-12のスレッド一覧 4915件

理解の外で世界が溶けていく瞬間はいつも、腐った泥のような半覚醒と共に在った。本日もまた眠りが覚める、心のあくびに漏れ出た雫は睫毛にクロスし、やがてフェードアウトして薄れていく。 「……好き」  身構えることも出来ずに受け取ってしまった愛の言霊。ロマンスブルーの満ちる放課後は、陽射しの下で流した汗のにおいすら忘れさせてしまう。こういう場合にわたしはいつだって思うんだ、青信号の点る横断歩道を進んでいたのに、赤いランプを無視して突進してきた車に轢き殺されてしまった不憫な人たちのことを。 「好きだよ、お姉ちゃん」  練習終わりの夜道はもう暗い。空を見上げる、雲は死んでいるから月は眩しい、だけど星は薄い暗がりのせいで瞬けてすらいない。腕にした時計を見やる。見栄えの悪いデジタルな丸文字は千と八百をちょっとオーバーしたあたり。あらら、どうやら夏は終わったみたいだ、となると秋だって過ぎ去ったのかもよ、だったら今は冬なのかしら、いやいやもしもがあるなら春だったり。分からなくなったから辺りを確認、わたしとあなたの着ている服は涼しげな夏模様。肌寒さも感じないから夏に夜の名前を足しただけの季節らしい。

22/09/12(月)00:20:12

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