虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。

2019-08-06のスレッド一覧 5491件

金木犀は雌雄異株である。日本に持ち込まれたのは雄株のみであり挿木によって増える。 水野愛の頭部に生えた金木犀も当然雄株である。 彼が物心ついたときには既に、水野愛の頭部から生えていた。 どうも自分は他の同種とは違う場所に花開いてしまったらしい、と気付くのにそう時間はかからなかった。 彼は思い悩んだ。何故自分は人間の頭などに生えてしまったのか。 そもそもこの雄株しかいない異国の地に生まれ、花を咲かせて何になるというのか。 彼が悩んでいる間も宿主である水野愛は忙しなく動いた。 ダンスレッスン、ボイストレーニング、ジムに通い基礎体力をつけ、夜間はアイドルを研究した。 歌はともかく運動は水分に余計な塩分が混じるし、夜にモニタの光が当たると体内時計が狂う。 彼は辟易した。彼女のように手足があれば脱走してやろうと思った。 だが手足のない彼は彼女から離れられなかった。内省に行き詰まった彼は彼女を観察することにした。 彼女と周囲の人間を比較しても別段傑出しているとは思えなかった。 それでも、誰に見られずとも彼女は努力をやめなかった。 彼はいつしか彼女が少しでも注目を浴びるよう花を咲かせるようになった。

19/08/06(火)23:24:23

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妄想で辛い毎日を乗り切る事にした 俺の年齢は17歳長期休暇を利用して小学生の頃住んでいた田舎の婆ちゃんちで過ごす事に 荷物を置いてとりあえず落ち着いた俺は町をぶらつくことに 変わらない景色に少しずつ遠い記憶が思い起こされていく 昔は近所の駄菓子屋で友達と毎日のように遊んだなあ… そう思うと足が自然と駄菓子屋の方へ向いた 店は未だに変わらずそこにあり、でも記憶より少しだけ褪せた彩りで… 「あれっ!?たかしじゃん!」 店の中にいた半分食べたきなこ棒を持った少女が素っ頓狂な声を上げた ショートカットの髪をサクランボの髪留めで留めたこの小柄な女の子は…! そうだ俺には幼馴染が居たんだ!彼女と遊んだ日々がありありと蘇る 彼女の髪留めも俺が送ったものだ!まさかまだ使っていてくれたなんて… そういえば俺には他にも色んな幼馴染が居た気がする 当時女子高生だった優しい巨乳のお姉さん・何かと敵視してきたけど転校する時には泣きだした金髪お嬢様・少し病気がちだった黒髪ロングのおとなしい女の子・毎日走り回って日焼けして傷だらけになっていたベリショの女の子(元は色白) みんなまだこの町にいるらしい!この夏休みは旧交を暖めるぞ

19/08/06(火)22:31:06

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転寝の間の夢だろう。私は雲の上に立っていた。昔、よく空想したものだ。前を見たり、振り返ったり、俯くことよりも、空を見上げることのほうがあの頃はずっと多かったと思う。視線の先に夢想した光景はどうしても思い出せなくて、だからなのか、広がる光景は凡庸だった。 雲は地平まで草原のように続く。所々の切れ目が光糸を作り、覗けば足下もまた雲海、入道雲がこちらに目掛けむくむくと聳えつつあった。 はて、「むくむく」は元々義兄の陰茎の様子を表すために生まれた副詞だが、江戸の草双紙「珍々賢兄才華之夢」で雲の様子に使われて定着したという。あの入道雲も──そうだ。益体もない思考の中でふいに思い出した。そうだ、幼き日の私は、雲を氷菓に見立て舐めてみたいと夢見たのだ。子供じみた戯れも悪くない。私は風の抵抗を最小限にすると、天井板のように硬い足元の雲を踏み抜イヤッハ 抵抗する入道雲の手足を拘束し大口を開けて頬張ると正に夢見心地の味、しかし思ったよりはやや硬い。 …そうして全てを終えた時、私は寝床で目が覚めた。ええ、粟餅を焼く間の夢ですよ。そう言ったでしょうお義兄様、だってこれから始まるのですから。私はそっと義兄に手をn

19/08/06(火)20:49:07

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