虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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2021-11-29のスレッド一覧 4865件

やあ召喚士。また会ったね。警戒しなくていい…今の私は何もできない無力な存在だ、残念ながらね。 でもこうして最後に君に出会えたのは行幸だ。もっと君を知りたかったよ。 あぁ…つくづく惜しいなぁ。私は永遠に生きて、あの人の国を護るつもりだったのに。 そう、建国王ニザヴェリル。巨人族の支配に甘んじる小人族の中で、彼だけが特別だった。彼だけが私を認めてくれた。 あの人の遺してくれたものを護る為なら私は何だってできる。召喚の力を手に入れることだって… ファフニール?あれは実に面白かったな。まさか正当な王家であるレギンを連れてくるとは。 始末に困る失敗作だと思っていたが礼を言ってやってもいい。ついでにあの弟もね。 そう怖い顔をしないでくれよ…君も似たようなものじゃないか。 己の目的の為に異界から英雄達を呼び寄せる。王だろうと死者だろうと…はては神と呼ばれる者まで!彼らを駒として扱う気分はどうだい? …ふははっ!随分綺麗事を言うじゃないか!いいかい私を破ったからといって勝ったとは思わないことだ! 私の目的はあの人の国を護ること…レギンという王家の血と共に私の望みもまた生き続ける。永遠にだ! あっはっはっはっは…

21/11/29(月)15:58:16

128レス

 敵の新型幻晶騎士を眺めながらイシルは呟く。 「人質の貴女が重要視されていないのか、むしろ貴女が重要だから葬りたいのか――」  イシルの背後で何かが動いた。ナルヤである。彼女は拘束を抜け出し、無防備なイシルの背後に立っていた。  むろんすぐそばで拘束を脱出したのをイシルの耳は聞き逃さない。イシルは既に組みあがっている身体強化の術式を実行に移す。そしてイシルは歌う。 「さぁリンゴを竈に放り投げ、猫の蹄に小麦を詰めて、アップルパイに関税を!」  素っ頓狂な歌詞が、でたらめな音程で、操縦室に響き渡る。強化された喉が、腹筋が、肺が、操縦席を震わせた。逃げ場のない密室で、イシルの歌は反響を繰り返し、たった一人の輪唱が始まった。  ナルヤはたまらず耳を抑える。この世のものとは思えない声量と、音程の不愉快さ、悪夢のような歌詞、終わらない輪唱が、脳を内側から揺さぶる。耳への痛み、強烈な頭痛、演算していたはずの真空斬撃の術式さえ乱れていく程に。 「あっ、あがっ、あぁぁああ!?」  暴力的な歌はついにナルヤの平衡感覚さえ奪う。しかし奇妙な叫びをあげながら、ナルヤはイシルの細い首に掴みかかろうと走り出す。

21/11/29(月)00:39:44

8レス