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2021-02-10のスレッド一覧 5348件

喫茶店のボックス席で向かいに座るセーラー服の少女は、大粒の涙を流していた。 「追加の注文は要らない?じゃあ失礼…小生はイタリアンを…」 小生はテーブルに広げた手紙に再び目を向けた。ハートを散りばめた便箋だ。 「…指揮官宛のラブレターだって?」『そう、しかも民間人の女の子から』 「どうするんだ、総旗艦殿」『諦めてもらうしかないでしょ。その子の為にも』 「…で、小生がその憎まれ役だと」『こういうのはチェーザレにもザラにも無理。 トレントは逆に入れ知恵しちゃうかもしれないし、リットリオは別の恋愛沙汰を引き起こしかねないわ』 (うん…まあ…総旗艦殿の判断は正しい、のだが)小生はため息をついた。 (長生きも考え物だ。栄光…美…愛…色々諦めれば楽になると思ったのに、ままならぬものだな…) 目の前の少女は、今が花盛りのように見えた。彼女には人としての無限の可能性があるのだ。心がちくと痛んだ。 小生は一息でコーヒーを飲み干した。 「…で…貴女は奴のどこに惚れたんだね。あ、誤解するなよ、小生は別に貴女の恋敵ではないぞ? ただ…まあ…今日ばかりは心ゆくまで、あの男の話をするのも悪くない気がしていてね…」

21/02/10(水)18:37:22

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