ゆりちゃんが水母ならお父さんは烏賊よゆりちゃん長い毛足をロケットで靡かせてお母さんを抱き枕みたいに墨袋をお腹に抱きゆりちゃんを授かった私はまだ幼かったものゆりちゃんがゆりちゃんだと想わずに私はドラムです大太鼓ですとトランポリンみたいに叩いては晩酌を啜るお父さんに舞妓さんを強制されて毎晩毎晩赤く腫れるまで腹の面が張るまで私は嫌よ嫌よとお父さんもゆりちゃんと知らないからゲリラ豪雨で悩まされる雨漏りバケツのリズムに合わせてゆりちゃん作りの続きをしたわゆりちゃんが蛸ならお父さんはマンドリルよ写真に写る可愛い笑顔が改めて私の愛する人の顔だとは今でも信じることはできないのよゆりちゃんが初めての時だってそうだったでしょ?お父さんはいつだって真剣に私と私達を愛してくれるのがお父さんだもの乱暴だけど愛の名の基に引き裂かれても痛みなんてあるはずがない溢れた血は赤くなかったでしょ?流れた涙は青くなかったでしょ?叩かれた痣は紫色だったけれどお母さんの肌は元々こんな色なんだって思えるようになりたかった傷も痣もあの人の愛の証明なのだものお父さんに愛されるなら私は私もゆりちゃんも叩いて紫に染め上げるしかないじゃない
19/03/23(土)23:50:50
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