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2021-03-15のスレッド一覧 5068件

「結局一度も模擬レースに参加できないまま本番を迎えてしまった…」 「ん。大丈夫です」 こちらの心配を他所にディープインパクトは落ち着いた様子で膝に手を付き中腰で股関節を伸ばしている。 デビューを目指すウマ娘たちの登竜門。トレーナーの前で実力を示す機会である『選抜レース』。 普通はそれへ向けてレースのイロハを学んでから臨むものだが、彼女は急なエントリーだったために何一つ準備がない。 「大丈夫って…例えばスタートの練習さえ君は満足にしていないんだぞ?」 「ん…始まればなんとかなると思います」 出走のための集合がかかる前の最後の時間だというのにディープインパクトはずっとこの調子だった。 まるで平常心のようだが緊張していないのとは何処か違った。それはしばらく彼女のことを見てきたから分かった。 言葉にするなら、きっとディープインパクトは待ち切れなくてそわそわしている。 「そうか。君はもう早くレースが始まって欲しくて仕方ないんだね」 「ん。…はい。待ち遠しいです。やっと走れる。思い切り走れる。早く、早く…」 淡々と呟きながら入念に柔軟体操をするディープインパクトの姿に思わず背筋がぞくりと粟だった。

21/03/15(月)22:17:16

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