虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。

2023-05-10のスレッド一覧 4400件

捕虜ルームの毎日は過酷だ。たとえば寝る時だって照明ひとつで喧嘩になったりもする。 「電気消すよー?」 「待った。常夜灯がないとぐっすり眠れないんだよこっちは」 「それはそれは贅沢な悩みをお持ちですね。どうぞ遠慮せず永眠してください」 そんな喧嘩が3日くらい続いて、サビーナさんに相談してみたら貸してもらえたのがこのアイマスク。 なんか表面にミオリネの目のプリントがしてあるけど品質は良いし、とりあえずノレアに渡してみる。 「……」 「ふっ……いいねぇそれ、そのままスレッタ・マーキュリーに嫁入りでもしてきなよ君」 一応着けてくれたノレアだったが案の定引き千切ったのでこのアイデアはボツ。 でも毎回じゃんけんじゃ味気ないし……というわけで借りてきましたブタミントン。 なんだけどこれが思いのほか白熱してしまい、途中から私も混ぜてもらって皆でブヒブヒした。 そして決勝戦の盛り上がりが最高潮を迎えるまさにその刹那、力んだ私の右肩にちょんちょんと誰かの指が触れる。 でもノレアもエランさんも目の前にいるわけで…… 「メイジークーイズ!今なーんじだ?」 その夜は全員廊下で正座したまま日付を跨ぐハメになった。

23/05/10(水)22:57:17

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「マスター、お話がありますっ」 ある日キトカロスがそう伝えてきた。もう寝ようかとした時だった。少し眠気がさした頭で、寄りかかる彼女の頭をぼんやりと撫でる。 彼女は自分のもとに現れたカードの精霊というもので、デュエル内外問わず自分のサポートをしてくれている。 初めはこちらを警戒していたのか会話をする時も半透明の姿でふよふよと浮いていたが、日々を過ごす内に少しずつ打ち解けてくれて、今ではこうして実体化していることの方が多い。 初めは断っていたが、洗濯をはじめとした細々とした家事は器用な彼女の方が得意であり、すっかりお世話になっている。なるほどあの細腕やヴェールに包まれた手でよく剣を握れるわけだと納得した。 遠出の際には助手席でナビをして貰ったり話し相手になってもらったりすることも多く、せめてものお礼に彼女に色々な景色を見せたくて、大会やイベントに出る時も少し離れた町のショップを目指すことが増えた。 流石に公共交通機関で彼女の姿は非常に目立つので車移動が基本だが、遊戯王に関係なく一緒にお出かけすることもあり、こちらの世界の様子を眺めてコロコロと変わるキトカロスの表情を見るのが楽しみな自分がいる。

23/05/10(水)22:39:53

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捕虜ルームの毎日は過酷だ。たとえば決まった時間に全員廊下に出て点呼しないと朝ごはんの前にお説教を食らったりする。 そんな事情があるものだから、私の戦争は朝エランさんに迫られる所から始まる。 「ねぇ……いいだろ?昨日も一昨日もヤってないんだからさぁ」 「その前はやったでしょ」 刻々と迫る点呼の時を見据え、まるで目を覚ます気配のないノレア爆弾の押し付け合いが始まるのも日常。 だって朝のノレアといえばそりゃもう蹴るわぐずるわ逆ギレするわで手のつけようがない暴力マシーンであり、できることなら関わりたくないのは当然だ。 とはいえ睨み合ったままタイムアップが全員にとって最悪の結末だし、なんならノレアはそれでも私達にキレられる理不尽さを持っている。就寝のジレンマここに極まれりである。 「ならこう……二人で掛け布団の両端持ってえいってやろうよ」 「同時攻撃、ね。OK、タイミングは任せた」 「じゃあいくよ?1、2の……さっ「あっ手が滑った」あーっ!!?」 その後極めて不機嫌なノレアに蹴られながらもなんとか朝点呼を完遂し、たんこぶを代価に私達は美味しいごはんにありつけた。 明日からは絶対エランにやらせる。

23/05/10(水)06:57:43

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