最近とみにトレセンの中でたぬきを見かける機会が多い。それというのも生徒達の間に「たぬきは好きな夢を見せてくれる」という噂が流行っていてそこら辺にいるたぬきを拾ってきてはお願いしているのだ。
担当しているウマ娘からそんな噂を耳にした私もものは試しと中庭でカップうどんを広げてみせて釣られて寄ってきた1匹のたぬきに頼んで見た。
「りょ、し…うどんご馳走になったご恩をお返ししますし…ちょっと耳を塞いで目を閉じてるし…」
麺を啜り終え、ヴッフとゲップをしたたぬきが立ち上がる。私が言われるがまましているとなにやら私の前でたぬきが歌って踊るような気配が塞いだ耳の間から微かに聴こえる。
「たん、……たぬきの……まはぁ~……ないのに……らぶらぁ~……ヴッフ!!」
すると気合の声と共に何かに包まれていくような感覚と若干ムッとした熱気を感じる。
『もう目を開けていいし…ようこそいらっしゃいまし…』
こいつ…直接脳内に…!とつい目を開くとそこは8畳ほどの広さの小綺麗な和室であった。よもやテレパシーだけでなくテレポートまで扱えるとはますます謎な生き物である。
『さぁ…お前の望みを言えし…どんな願いも叶えてやろうし…』
21/08/17(火)22:41:33 ID:vUKg4ycI
47レス