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2018-11-30のスレッド一覧 5219件

役者というのは難儀な生業だ。虚を持って実よりさらに真に迫る事を求められる。 例えば、空を軽く握って振る動作をしたとしよう。これは日常であれば、手を振っただけだ。 しかし舞台上でとなると所作にも意味が出てくる。 役者は何もない空を握って振っただけで、 棒を振ったのか、旗を振ったのか、あるいはそれ以外のものなのかを表現せねばならぬ。 今私は軽く握った手を右から左に振る。ピスタチオ君の首と胴が別れたので 観客は「ああ、白鸚は刃物を持っているのだな」とわかる。 今度は手を上から下に振る。ピンチョス君がコンビーフ状に平たくなったので 観客は「ああ、大きな鈍器で圧殺したのだな」とわかる。 次は私が掌をプランク定数君の群れへ向ける。 するとパンデミック君たちがケオクダチと極小点まで圧縮され周囲の景色が歪むので、観客は 「ああ、カブキネシスで不可視の力場を発し、重力縮退を発生させ  マイクロブラックホールがスイと出たのだな」とわかる。 舞台と役者、そして衣装や小道具、バンテリンという舞台装置は存在するが、 役者が表現し訴えかけ、観客が脳裏に思い描くものはその実存以上の広大無辺な情景でなくてはならないのだ。

18/11/30(金)21:04:44

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