ラップタイムを意識するように、ペース配分を忘れずに。
規則正しい動きで体を動かす。マスターに教わったように。
「……ブルボン、もうやめよう、こんなことは」
マスターが苦しげに顔を背けた。
「なぜですか?マスター。この行為によって明らかにパフォーマンスの向上が確認されています。現に先日の2000mでも快勝することができました」
最初はぎこちなかった動きも、今ではずいぶんと慣れた。マスターと平然と会話ができるくらいに。
「推測……この行為によってマスターと一体感を得ることが心身のリラックスに、そして私の女性機能の安定にポジティブな効果をもたらしていると思われます」
マスターが顔を歪める。
「そうじゃない。レースだけじゃない。君の人生が、駄目になってしまう」
「……マスターの人生も、ですか?」
私の言葉に、マスターは顔を覆った。力なくもがく体を動かぬように押さえつける。日頃鍛えているウマ娘の力からすると、傷つけないように加減するほうが難しいくらいだ。
21/03/23(火)23:25:23
1レス