21/03/23(火)04:08:40 #9 村... のスレッド詳細
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21/03/23(火)04:08:40 No.786020971
#9 村に着いた2人は、まずお兄ちゃんの診療所に立ち寄ったらしい。 らしい、というのは、私がその時ヴィレの皆と一緒にいて、動転したお兄ちゃんから連絡を受けた時に断片的に聞いただけだから。 私も少なからず動揺しつつ、その場に伝えると大騒ぎになった。 そのまま赤木副長に報告をすると、細い眉を少し動かしたけれど、いつも通り事務的に、 「そう。じゃあ2人とも出来るだけ早く臨時司令部へ来てもらって頂戴」 とだけ言った。本当に動じない人だ。 でも、村の隅の空き地で幕営しただけのテント小屋にしては、ちょっと大げさな名前だと思う。 ともかくこのテント小屋…臨時司令部にやってきた2人は、野外活動用の服装に大きめの荷物を背負っていた。 環境調査をするケンスケさんみたいだ。あちこちが土埃に汚れ、少し垢染みた感じもする。 どこか遠い所から歩いてきたようにも見えた。→
1 21/03/23(火)04:09:01 No.786020990
→碇さんも真希波さんも身体は大人になっていた。式波少佐と同じだ。 仕組みはさっぱり分からないけど、少佐が自分について言っていたように「エヴァの呪縛から解かれた」んだろう。 そんな2人を皆が輪になって取り囲み、再会を喜んでいる。どの顔も驚きと興奮で輝いている。なぜかお兄ちゃんもいて賑やかだ。 私はそれを少し離れた所から眺めていた。 碇さんを撃った時の記憶もまだ生々しくて、気持ちの整理だってついていない。 どんな顔で会えばいいのか、どんな言葉を交わせばいいのか分からず、ただ喜びの輪の中心にいる人を目で追っていた。 随分背が伸びている。180cmは超えているだろうか。あの華奢だった肩も背中も首も、ずいぶん逞しくなっている。 でも顔立ちには私の知る碇さんの面影がある。形の良い鼻筋。丸っこい耳。そしてあの瞳。 と、急に碇さんが周囲を見回す。目線が合いそうになった。思わず下を向く。私は怖くなってすぐにその場を離れた。→
2 21/03/23(火)04:09:34 No.786021025
→2人はそのまま赤木副長たちとの会議に入ったらしかった。 多分、世界がなぜこうなったのかを知るための聞き取りが行われるのだろう。 興味がなくもなかったが、やっぱり碇さんと顔を合わせる気にならなくて、同席を求めることもしなかった。 その日は臨時司令部脇のテントに泊まった。お兄ちゃんには仕事が忙しいからと伝えて。 翌日も、その翌日も碇さんたちは一日中赤木副長と会議をしていた。式波少佐も加わっていたようだ。 ただ、そんなことを気に留める余裕が殆どないほど、私たちは忙しかった。 ヴンダーから脱出してきた私達を養えるほど、この村は豊かでない。 L結界が消えたと言っても、そこにあるのはただの自然か荒地だ。いきなり食べ物が湧いて出てはこない。 村と共倒れになる前に、大急ぎで自分たちの生活基盤を整えなければならない。でもその忙しさが、私には少しありがたかった。→
3 21/03/23(火)04:10:11 No.786021067
→だから次の日、式波少佐から「話がある」と呼び出しを受けた時、別の日じゃアカンのですか、と言ってしまったのだけど、 「ダメよ。こういうのはさっさと片付けとかないと、後々面倒なのよ」 と、即答された。(続)
4 <a href="mailto:s">21/03/23(火)04:12:16</a> [s] No.786021181
これまでの fu35657.txt 今回で終わるはずが終わりませんでした…すみません 次は本当に終わります
5 21/03/23(火)07:02:12 No.786028895
書き込みをした人によって削除されました
6 21/03/23(火)07:02:26 No.786028909
いいんだ
7 21/03/23(火)07:32:06 No.786031148
アスカもいい女になっちまって…
8 21/03/23(火)07:50:27 No.786032875
俺こういうアフター好き…
9 21/03/23(火)08:01:16 No.786033986
どう決着がつくのかわからんのが面白いにゃー
10 21/03/23(火)08:05:02 No.786034336
いよいよ修羅場か…