『19歳にもなったのに』
生前に、お母さんによく言われた言葉。ゾンビとして蘇ってから、たびたび思い出しては後悔の日々。
ここでは皆さん家事を分担していますが、歌くらいしか能がない私は色々ドジをやってばかり。
「私、共同生活向いてないのでしょうか…」
ため息と共に、ついつい弱音がポロリ。
「なんじゃい、こんなところに蹲って」
日陰でジメジメしていた私に、どこからか声をかけてくださる方が。
「巽さん…」
「またキノコ栽培でもしとるんか」
「いいえ、そういうわけでは…」
あの日のことを思い出すと、ついついほっぺたが熱くなってしまいます。
「今度はせめてシイタケでも生やせよ。いつでも収穫しちゃるけんのぉ」
そうしてニヤリとニヒルに笑うと、巽さんは行ってしまわれた。
いくらでも面倒を見て下さるということかしら。
そんな都合のいい解釈をしてしまい、私の頭にポコンとベニテングタケが生えるのでした。
20/01/30(木)23:58:42
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