虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。

2020-11-10のスレッド一覧 5397件

寝室は最上階にある。 ベッドから見下ろすニューヨークの灯りは、いつも古い玩具みたいにちっぽけだった。 食事はその日の気分に応じて、複数並んだレストランから選ぶ。 部屋まで運ばせる事もあるし、わたしが食べに行く時もあった。もっとも食べに行ったって、大抵は世界最高の饗しとやらに聞き飽きるだけの結末に終わるんだけど。 何人かの芸術家を雇って、フロア全部に青空を描かせた階もある。世界中のクワガタを飼育している階もある。トレーニングジムもバーもある。わざわざ百円入れないと動かないゲームを並べたゲームセンターもある。ビルの広さには不釣り合いな狭い事務所もある。 いくつかの階を吹き抜けに作ったショッピングモール風のエリアでは24時間楽しげな音楽が流れ、世界中の品物を自由に買うことが出来る。 ダンスルームとスタジオは複数の階に置かれ、どこから移動しても4階以内に辿り着くように設計されている。 これが70階までの概要。そこから下には、もう何もない。空っぽの鉄筋コンクリートが直立しているだけだ。 何か、新しく楽しい事を思い付いたら作らせるのかも知れない。 何が楽しい事だったのか、もう長い事思い出せないけど。

20/11/10(火)19:39:07

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キャタピーがトランセルを経てバタフリーになる様に私も成長著しい時期であるため なるしかないなトランセルに!というわけでトランセルになった次第でありまして トランセルになるとそれはそれは温もりであり温もりに包まれたなら眠気もセットでいかがですかとポテトもついでに出て来そうだなと思ったのです このまま寝ては企画倒れ私もあなたもポッキーとなるので眠い目をかっぽじったら大惨事ですので擦るにとどめて気合を入れました えいや!と裂帛の気迫で立ち上がろうとしたらトランセルには手足がないという事に気付きましてこれは失敗したなと鼻の下を指でへへへ…と擦り照れ隠しを… 手が出てるじゃないか!どうなっているんだ!手が生えた!トランセルから腕が生えた! 成長だ感動的だな!だが無意味だ!脚も出てるからな! トランセルから腕脚が飛び出て成長と思えるだろうか否それはない!怪生物の爆誕であるのだ 熟れてないバナナの怪人かな?バーナーナ!私は怪人になる為に美しく羽化するであろうサナギになったわけではないのだ しかし私はこの状況を受け入れざるを得なかったなぜならこの寝袋は35000円だったのだから涙がポロリ とりあえず走るか

20/11/10(火)18:43:02

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夏が迫る夜、身動ぎにちろりと蝋燭が揺れる。すぅすぅと穏やかな寝息が青年の耳に聴こえていた。今夜の不寝番は自分一人でやる事になりそうだ、と彼は考えた。 彼は寝息の主であるドラフの女性、ラグナに視線をやって、彼女が眠るに至った経緯を思い返した。 ……二人きりの依頼を済ませてきたが、よもや土産に貰った甘い飲み物にアルコールが入っているなどとは思いもしないだろう。 まるで蜜のように甘く、酒精はかけらも感じないのだが一応のところは酒であるらしい。 ミルクに混ぜると美味しいと聴いた彼女がそのようにして一口飲んだ時にはもう遅かった。数分も経たないうちに寝息が聞こえたのはもう半刻も前のことだ。 溢したミルクが服に掛かっていたのを偲びなく思い拭ってやったが、服に染み付いた匂いは取れなかった。辺りに甘い匂いが漂っている。 ぱちぱちと焚火の弾ける音に反応したのか、聊か官能的な呻きを上げてラグナがもぞもぞと動いた。合わせてたぽん、と水気の多い音を響かせた気さえして、彼女の豊かな乳房が揺れる。見れば顔は上気していた……いや、揺らぐ炎の色かも知れない。 しかしその無防備な姿を見て、青年に邪な考えが浮かんだ。

20/11/10(火)16:49:06

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ふらつく五体をもてあまし、痛む頭を抱えて歩く。 色彩を抉り取られたニューヨークの朝空は真っ白に燃えていて、突き刺すような寒さが骨の髄まで染み込んでくる。 この毒が全身に回ったら、きっとわたしは死ぬんだと思った。そうなってしまえばいい。 街中の広告に指名手配された自分の顔から目を逸らし続けていたら、寂れたスターバックスの看板が目に入った。 ふと思い出す、ストレイライトのミーティング。あそこに過去があるんなら、ハリボテだろうと構わない。それに溺れていたかった。 早朝の店内は思った通り閑古鳥が鳴いていて、それがまたあの時と一緒だったから、ほんの少しだけ楽しくなった。 チョコレートクリームフラペチーノ、トッピング全部3倍載せ。 怒られるだろうか。笑われるだろうか。それとも、もっと楽しいことを思い出せるだろうか。 期待は全部裏切られ、恭しく手渡されたドリンクを手切れ金に、わたしは今へと追い返された。 朝に焼かれて色褪せたフラペチーノの死体をゴミ箱に放り込んで、わたしはまた震えながら歩き出す。 そのうち、スターバックスの看板はチョコレートクリームフラペチーノの広告で覆い尽くされ見えなくなった。

20/11/10(火)07:39:24

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