虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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2020-04-03のスレッド一覧 5628件

世間じゃリギルは色気でスピカは食い気なんて言うらしい。心外そうな様子のアイツらを見て、俺が大体スペのせいじゃねえかと内心毒づくと、妙に察しをよくしたスペが失礼なとでも言いたげに視線を俺へ向けた。お前に釣られてみんなわんさか食うから、たまの奢りで俺の財布がすっからかんになるんだろうが。少しは反省しろ。誰も彼もがああでもないこうでもないと話し合っては、その度自分は違うと否定するんだ。んなこと言っても実際一括りにされてるんじゃねえか。…ああ、スズカ以外は。スズカだけ別扱いなのは俺が贔屓してるのが悪いだとか、元々はリギル所属だったからだとか、胸はあんななのにどうしてああも大人の女って雰囲気があるんだろうかと言いたい放題で、俺は何か言おうとしたものの火に油を注ぐだけだから止めておいた。色気、ねえ…確かに年不相応にはあるが、最初は借りてきた猫って感じで中々打ち解けなかったし、スペを間に挟んだ実際隔たりのある関係だったことを思うと、世間様が言うほどの大人っぽさは感じないんだが。まあ、その、胸がな……。 ──トレーナーさん。 うっ、もうすっかり暖かくなってきたのに寒気がしてきたな…風邪か?

20/04/03(金)16:52:04

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「ハッピバースデーさーくらー」 愛用のボードを雑に足で退かし、これまた雑にテーブルをドスンと置く。 「あの~…幸太郎さん?」 困り眉のさくらが発する言葉を気にも留めず、パイプ椅子を設置。 困惑するさくらへ言葉も無く。幸太郎は部屋の隅に出来た蜘蛛の巣を払い、摘まんだ蜘蛛を外へ逃がした。 ここまでの間に一言しか口にしていないが、さくらには何をしようとしているのかがわかっている。 察するに誕生日パーティーの準備。 …なのだろうが、それにしては主役への対応が寂しい。早朝に連れ出したうえに、本人を前に準備。 何とも言えない居心地の悪さを感じるさくらへ、幸太郎は椅子を人差し指でチョチョイっと差した。 「えーっと…座ればいいんです?」 返答は無い。しかし椅子を差す指の動きが徐々に高速化していくため、おずおずと座る。 座った瞬間、白いプラスチックのテーブルがピンク一色に塗り変わった。 桜模様をあしらったピンクのテーブルクロスがバサリと大きく波を立てた後、皺の無い穏やかな海へ。 わぁ~。なんてぽけーっとしたさくらをチラリと見やり、幸太郎は部屋を出ていった。 ミーティングルームに一人、さくらを残したまま。

20/04/03(金)00:11:16

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