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2019-01-01のスレッド一覧 5883件

青天を見るのはどれ程ぶりのことだろう。影は雲ばかりの空を見て、レイは溜息を吐いた。 「どうした、考え事か?」 「司令官殿」 彼女より10上の男は、その細肩に軍服を靡かせる。嘗ては誰もが振り向く整った顔は深い皺と右目付近の火傷後に酷く潰れていた。 「らしくない。……まあ、お前の気持ちも分かる。正直この基地もいつまでもつかは分からない。国民には我々の快勝だと伝えられているが、正直なところ軍部は全てお前任せ……っと、士気に関わるかな」 軽い調子で、けれど一点の視線も逸らすことはない。 「いえ、分かっていることですので。それに──」 考え事は別にあった。凪のような一時の平和はレイの心に不可避の疑問を投じるのだ。それは波紋のように広がり、消そうと手を突っ込むと余計に広がってしまう。厄介極まりない謎であった。 「あー、司令官殿は、ここに来る前は何を?」 「何だ、急に?俺の家は小さな本屋さ。楽しいぞ、儲からないけどな」 そう言って彼は笑った。酷い傷跡の中ですら、それは綺麗に見えた。少なくとも、レイには。それはあるいは、羨ましかったのかもしれない。 「お前はどうなんだ?」 男はそう言い、すぐに理解した。

19/01/01(火)21:10:53

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持っとらん私に新年が来た。 大晦日のどんちゃん騒ぎで死んどるゾンビ達を炬燵から引き摺り出してお雑煮を食べさせる重労働。持っとらん。 それから皆で着替えて初詣へ。持っとらん私がお祈りすると上手くいかんけん神様にお参りはしなかった。そしたら幸太郎さんが文句つけてきた。持っとらん。 「お参りせんかい」「神様は敵です」「自分自身に誓うんじゃい」「…」 眼を閉じ手を合わせて、心の中で神様を睨み付ける。どれだけ持ってなかろうと、私は今年も皆とアイドルであり続けますから。 帰りにおみくじを引いてみた。やっぱり大凶、持っとらん。 待ち人、迎えに来る。縁談、近くにあり。旅行、三人以上は凶。願い事、やがて叶う。運勢、一人で凶、吉人の隣にて吉。大凶なのになんか悪くないことばっかり書いとる。持っとらん。 幸太郎さんは大吉やったけん、一応おみくじ通り吉人の隣にいる事にした。どれくらい近くにおれば隣判定になるのか分からんけん腕を組んで体重を預ける事にした。 「なんじゃい」「神様の思し召しです」「神様より俺や仲間を頼らんかい」「そうしとります」 幸太郎さんはそれで納得したけん、家に帰るまでずっとそのままでいた。

19/01/01(火)10:40:51

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