「逝きさん愛してる!」 「あははははははキスキスキス!!」
雨でも少しは散歩をした方が良いだろうと相合傘で出掛けたる。
小雨なので歩きやすい。梅雨来たりなば夏遠からじとも言える。
…また暑い夏が来る。もう今でも十分に暑いのだけど。つらい。
逝きさんのスカートに雨粒が小さな染を作ったのを横目にした。
来世などというものがあるのなら、あの雨粒になりたいものだ。
彼女は雨だろうと真っ直ぐ進み、水溜りなど避けようとしない。
「」の方で彼女を動かさないと危険だ。…普段はどうしているのだろう、軽々飛び越えるのだろうか。
あの撥条のようなジャンプ力なら十分にあり得る事だ。また彼女を尾行(ストーキングとも)しよう。
雨のせいか、傘が小さいせいか、いつもより逝きさんの肩が近い気がする。グリグリ押されるような。
怪訝そうに見詰めてみれば、彼女は一際大きな笑い声で、「」の肩を揺するから、これわざとだな。
「」は弱いのでヨロヨロしても困るので、傘を持つ手に自然と力が篭もる。彼女がそれに手を添える。
雨の日の散歩は少しだけ長く感じる。そして雨粒のせいかいつもより少し、メイドの笑い声も小さい。
17/06/25(日)23:46:13
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