不味い。そう、何か致命的なまでに不味い事を見落としているのではないかと思う程に良い状況だ。
さくらと愛の問題を解決してから半月。そして出張で更に半月。
つまるところ、最後に彼女達のエネルギーを摂取してから一月が経過した。
半月だ。エネルギーを摂取せずに半月。これまでならば間違いなく切れている。
にもかかわらず、俺の身体は変わらず好調。ここ最近の仕事の成果も抜群の一言。
うーむ…この好調はあの時摂取したジュンコリウムの効果だろうか?
だが最早ジュンコリウムを摂取する必要も無い程に欠乏が見えてこない。
………恐らく、彼女達から何かを得る事から卒業したのだろう。
純子の笑顔で気付いたんだ。彼女達の笑顔が、何よりも力になると。
笑顔で摂取できたサクラリウムとサキリウムは、きっと俺自身笑顔の力に気付いていなかっただけだったんだ。
…早く、帰ろう。
彼女達の姿が脳裏に浮かぶと、自然と唇の両端が上がる。
今は屋敷への帰り道。お土産の用意もしてある。
半月ぶりの彼女達の姿を楽しみに、ハンドルを握る手に力を込めた。
19/07/22(月)23:14:58
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