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2020-03-18のスレッド一覧 5341件

無意識的にマスターと行動を共にするようになり、意識的にマスターから距離を取るようになってから六日目の夜。 夕食の後もハンティングクエストに勤しんでいたマスターを労うために、あたしは簡単な夜食を拵えて久々に彼の部屋の扉を開けた。 マスターは部屋の真ん中に立ったまま、ペットボトルから水分を補給していた。顔から滴る汗が首元のタオルをずぶ濡れにしている。 彼が自主的な筋力トレーニングを終えるのはいつもこの時間だ。 「はーい今日も筋トレお疲れさま!お夜食いかが?愛情いっぱい込めてるよ!」 違う。持参した夜食に込めているのは十分なタンパク質と消化吸収を補助するルーンだ。それだけのものに過ぎない。 マスターの青い大きな瞳は、宇宙の果てを想う子供のように純粋な疑問を宿していた。 あたしは彼に説明を求められていると感じた。なぜここに居るのか、宇宙の果てがどうなっているのかについて。 しかしいくら思考を混ぜ返しても答えは見つからない。あたしはどうして六日目の夜になって彼の部屋を訪れようと思ったのだろう。 「あのね」 クッションとしての言葉だけが独立して排出される。それは飾るべき絵を持たない額縁だった。

20/03/18(水)23:28:19

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