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2018-03-20のスレッド一覧 5375件

きっとあの人も強く強く焦がれたに違いない。翼に、牙に、爪に、吐息に。大空の支配者に。 アクームの火山を見下ろしドラゴンは飛んでいた。彼女は、溜息をついていた。 仲睦まじい番いの竜、幼子と飛ぶ親子の竜。ああ!竜は何者にも縛られない!何と自由で、素晴らしいことだろう。 夢というのは同様に、素晴らしいもの。 私はあの日、竜の吠え声に犯されたあの日から夢を見ている。決して醒めない夢、甘美なる夢。ドラゴンになり、ドラゴンとして愛され、ドラゴンとしての生を終える。若き私は多くの雄ドラゴンを誘惑し、そしてついに犯される。鉤爪に乱暴に抑えられ、長い尾で締められ、抵抗出来ないまま。 夢はとうに醒めていた。彼女の指は虚しくその内側を慰めていたが、満たされることはない。そして、夢を見るふりをする。その夢の続きこそ、彼女の居るべき世界なのだから。 竜の一頭が大きく吠えた。それに続いて、同族が吠えた。彼女も精一杯声を上げた。彼らの吠え声を下卑た男達の欲望に見立て、儚げな抵抗をする乙女の夢を見た。 ああ、ドラゴンは私を犯してくれません。私は人なのですから。私はこんなにも愛して居るのに、女として見てはくれません。

18/03/20(火)20:04:38

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