虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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2017-12-21のスレッド一覧 6268件

「意中の人を確実に落とせる口説き文句とかどこかに載ってないかな…」 常連の世迷言を聞き流しながら、私はカクテルを何もない空間に差し出した グラスは私の眼前で虚空に浮かび、しかしその中身は減らぬままカウンターに戻される。どうやら一杯目は今日の気分でなかったようだ 失敗作は呻く大魔女への手向けとして、私はストロングゼロを注いだグラスに三つのマナプリズムを溶かして提供した 再び虚空に浮かぶグラスの中身はしばらく揺れた後どこかへ消え去り、空のグラスがカウンターに戻される。その中に二枚のマルク金貨が小気味良い音を立て飛び込んでくるのを確認して、ようやく私は息を吐く。気に入って貰えたようだ 彼の好みは移ろいやすいが、絶対に妥協しない。一杯しか飲まないくせに、完璧な一杯が来るまではどこまでも粘り強く待ち続けてくれる。そして帰り際に投げ入れられる金貨は、いつだって飲まずに突き返した分まできっちりと支払われているのだ 勝利に一枚、敗北に一枚。どちらも同じだけの価値があるのだと、彼の金貨は語ってくれた いつまでも留まろうとする風見鶏をマイルームへと叩き出し、一仕事終えた私は上機嫌でグラスを磨くのだった

17/12/21(木)23:50:04

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右手のない男スティリターノ。 「泥棒日記」中の彼についての記述に滴るポエジイを感じ、少しく憧れを覚えた。 私は男色家ではないがきっと彼は本当に美しい人だったのだと信じた。 私も試しに片手を切り落としてみようかとも考えた。この手は歌舞伎役者の手、切り離されたとて腐ることはあるまい。 痛みもまた耐えられぬ物でもなかろう、見得を切ればまた生えてもこよう。だがそれ故にこの空想に恐怖を覚えた。 切断すればその手は再び接合しない限りもう一体の私として存在する事になる。 もう一人の私、例えそれが片手に過ぎぬとしても一体どんな関係を持てばよいのか? 当時目の前に傷ついたぴるすがいた。目は薔薇の如く真っ赤に復讐に燃え、指の足りぬ手でナイフを握っていた。 私は切り刻まれた。幾らでも抵抗できたし瞬時に彼を消すことすら出来た。だが、やらなかった。 恐怖と共に興味があった。人間時として相矛盾する感情が並立してちぐはぐな行動を取ることがあるものだ。 バラバラにされた肉体は全て自立していた。パーツはそれぞれ軍隊の如く複数の個として連携してぴるすに反撃した。 彼の苦しみは常の何倍だったろうか。 そして一つに融合した。

17/12/21(木)23:40:24

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地下迷宮に遊びに来たスナネコ しゃがみこんで何かを探している人影を見つけたようです 「誰かそこにいるのですかぁ?」「う゛ぉああ!?何だお前!」「うわぁ!誰かと思ったら…」「見りゃわかんだろママの子だよ!」 スナネコは耳を疑った「やっぱりツ…え?今なんて」「だから見りゃ…」「違う!あなたのお名前!」「あぁ?俺はママの…今俺は何て言った!?」「しっかり!あなたはツチノコですよ!」「そ…そうだ、俺はツチノコ…だよな?」 ツチノコの身に何かが起こっている どうにかしないと…「落ち着いて…まずあなたの事をぼくに教えてください」「ああ…俺はマ…ツチノコ、ここで遺跡の調査をしてる」「今の目標は?好きなものは?」「目標は…ここの謎を追ってる…好きなものは酒…お乳…母乳!」「何言ってるんですかツチノコ!?」「お…お乳…すまん!飲ませてくれ!」「えっ…やだ!やめてください!!」「んんん゛っ…これはっ!ジャパリボインだっ!!」 ツチノコちゃんは未確認生物だからママの子として再定義したらどうなるのかと思ったら予想外だった… 見なかったことにして帰ろう…リカオンママは育児で忙しいのだ…今も子供達が待ってるはず…

17/12/21(木)20:09:45

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目覚めると、どことも知れない暗闇の中に一人で立っていた おーい、とメディアを呼んでみても、スキュラを喚んでみても、声を張り上げても誰からの返事もなく、歩けども闇の果ては見えない まさかマスターに愛想を尽かされて座に還されてしまったのだろうか────焦燥が心を包み込み涙腺が緩み始めた頃、出し抜けに背後から声をかけられた 「キルケー」 覚えのある響きに振り向くと、そこにはマスターの姿があった 思わず上げそうになった安堵の声を喉の奥に押し込め、大魔女に相応しい凛とした表情を作ってマスターの元へ歩み寄る だが当のマスターはキルケーに興味が無いかのように踵を返し、そのまますたすたとどこかへ歩き始めた 「……ごめん。悪かったからさ、置いてかないでくれよぅ」追い縋ろうとするが、不思議な事に二人の距離が縮まらない 必死に走っても二人の間は開く一方で、今や暗闇に浮かぶ彼の白い背は、小指の先ほどの大きさになっていた 「ま、待ってぇ…一緒に連れてってよぉ…」 いつもこうだ。息を切らし駆けながら、胸中に過去の苦い記憶が淀んでいく いつも好きになった男は私の手をすり抜けていく。そして、私を置いていってしまう

17/12/21(木)19:53:12

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錆び付いた鉄条網の向こうから弾丸の雨がバラまかれる、夕陽に燃え上がった低い丘の稜線上で炎上し吹き飛ぶ戦車の砲塔、死に物狂いの咆哮、血液、手榴弾の裂ける音が鼓膜を突き破り私は深い塹壕の底へ転げ落ちた。 こうしろころりんすってんてん♪こうしろころりんすってんてん♪ 地下1000kmに存在する空洞世界はヴェルヌの描写した通り古代生物の楽園であり、腐敗し湯気の立ち上る糞尿溜まりには原始的なぴるすが巣喰っていた……。 今は五四六世紀も半ばである、遂に地下世界に到達した人類による探検隊は私を発見し地上へ連れ帰ったが、ついでに数匹の原始的ぴるすを採集したのだった。 地上の環境に適応し異常な速度で増殖した原始的ぴるすは死を迎える時大規模な爆発を引き起こす。 兵器利用を考える人間も存在したが原始的ぴるすは人間を等しく爆殺した。 のみならず好き勝手に爆発するぴるすは推進材となって地球を軌道から逸らし、永い、永すぎる外宇宙への旅に出さしめた。 やがて生き残った人類は別の知的生命体と出会い、私は代表として友好を結ぶ事となった。 だが大使は地上に散乱するぴるすの死骸を一瞥すると、ただ無言のまま母星へ去っていった……。

17/12/21(木)18:02:35

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我々はついに国訳聖典の出版事業に取りかかった。 何の聖典かと言えば勿論管理人教である。 管理人とはこの宗教における主神の女神の名であり、サンスクリットのクンリニー(パーリ語ではクンニー)の漢訳である。 元来この宗教は特定の名で呼ばれる事は無かったが、明治以降女神の名が宗教自体の名として定着した。 彼女は信徒には政治への関わりを禁じ、その教えへの絶対的帰依を求めた。そしてしきりに教えを友に広めることを進め、ついに現代では我が国の国民ほぼ全員が信仰する一大宗教となったのであった。 だが大抵の人々が知っているのは教えのぼんやりした雰囲気ばかりで実際にサンスクリット経典を読んだ事のある者は殆ど無い。 その為国訳聖典の出版が求められたのだ。 最初に出されたのはその中でも最中心となる教え「利用規約」である。 そこへ事業に憤激する者が現れた。彼をプラジュニャー君という。 パンチャタントラ君は規約を偽書と断じ、自分の言葉こそが管理人の教えであると、出版中止を求めテロ活動を開始した。 その時天からの落雷がパーニニ君を撃ち殺した。 この件で人々は管理人の実在を確信し、信仰が一層篤くなったのは言うまでもない。

17/12/21(木)07:36:59

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困った事に額の鍵穴からストロングゼロが出てこない。どうやら在庫切れのようだ 私は仕方なく店の看板を裏返してティテュバの元へ向かう。追加のお酒を催促すると対価を要求されたのでマスターのQP庫からいくらか頂戴し現金一括で払ってやった。一人の商売人として商取引を交わす実感に胸が高鳴る その場で額と口からストロングゼロを補充する私にティテュバは何か言いたげな視線を向けていたがお酒の前では些細な問題だろう 仕入れを終えて千鳥足で自分の酒場に帰る道すがら、ティテュバから謎かけを出題された 曰くそれは薬であるが毒でもあり、あまり多く取りすぎると死に至る病となるものだそうだ 特徴から察するに多分キュケオーンか何かだと思うのでマスターの部屋の前で鍋を抱えて右往左往している大魔女にマスター殺しの嫌疑をかけられている旨を説明し釘を刺しておいた やっとの思いで酒場に辿り着いた私は看板を元に戻し、椅子と机を並べ直してお客様を待ち構える しばらくすると肩を落とした大魔女がカウンターの隅にちょこんと腰掛けたので、私はいつものように額の鍵穴からストロングゼロを注いでカクテルを作るのだった 今夜も長くなりそうだ

17/12/21(木)00:14:56

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麻衣先輩っていいよね何がいいってやっぱりスポーツ万能なところだと思うんだ今でも色んな部活から助っ人に頼まれて活躍してるところを見ると器楽部に入る前は女子運動部の先輩達からの勧誘攻勢が凄かったんだと思うんだ初めは純粋な戦力として各部の部長達が当時の一年生の教室に洲崎詣でをしてたんだけど毎回丁重にお断りする麻衣先輩の少し困った表情と鼻腔をつく甘い匂いにつられてその内1日1回は麻衣先輩のフェロモンを嗅がないと我慢できないようになったと思うんだもはや部活に欲しいのか自分が欲しいのかわからなくなって来た先輩方はある時協定を組んで順繰りに助っ人を頼む形で手を打ったそうだよ目的の第一はもちろん試合での活躍だけどお楽しみはそれだけじゃない勝利後の汗まみれで上気した麻衣先輩を見て嗅いで触れて部員達が生唾を飲み込む音が体育館にこだまする当の麻衣先輩は意に介さないままシャワー室に行くんだけどバスケ部員達の最高の時間はその瞬間だユニフォームはもちろん部の共同資産として貸し出してる物だから脱いだそれを誰が所有もとい洗濯するかで骨肉の争いが起きたとバスケ部秘史には記されているそんな麻衣先輩の誕生日まであと四日です

17/12/21(木)00:01:43

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