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2020-10-31のスレッド一覧 5787件

時は万人に平等だと言うが、私はあまりそう思わないのだよぴるす君。 例えば君が、君を縛る日常のすべてを忘れ、美しい草原に寝転んで流れる雲を見ているとしよう。薫風が君の髪を撫で、まどろみと覚醒が波のように寄せては返し、どこか遠くからいつか聞いた声がする。 例えば君が、その四肢を無惨にも縛られて、焼けた鉄杭がはらわたを焦がし、目に映るのは果てしない闇、周から漂う死臭が鼻をつき、不快な金切り音が絶え間なく、断罪の縄が首の産毛にわずかに触れて、誰かが腕を振り上げた。 時とは現実ではなく我らの意識を流れるもの。事象とは連続せず、万物に因果はなく、人の生は線ではなく点に過ぎぬ。 ぴるす君。今の君は、己の時、己の生を、どう感じているのかね。閃光のように刹那の輝きとともに消えゆくか。線香のようにじりじりと長く燃え尽きるか。私からすれば苦痛は一瞬。だが君の幻想下では無限に引き伸ばされているのかね? 悲しきかな、私とてそれを知るすべはない。人は混線の中に生きながら交信の幻想に縋るのだ。 それでもなお、私は別れを告げずにはいられない。さようならぴるす君。この声が君に届いても、聞こえることなどありはしないが。

20/10/31(土)22:43:26

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