高校二年、初夏の頃。
あのアイアンフリルの水野愛がうちの高校、私立フラン高校に転校してきて早一ヶ月。
話しかけるのが恐れ多い。もっとアイドルに近づかないと話しかけちゃいけん気がする!という源さんと作り上げたアイドル研究会(仮)。
そして、その先のスクールアイドルという道を二人で模索し始めて早一ヶ月。
地道な草の根活動で、どうにか源さんの名前や顔を学内の生徒達にある程度知ってもらう事には成功している。
だが、この程度ではまだまだ足りない。
「乾くん。それで、どうすると?」
勝手に部室として使っている空き教室で、源さんと今後について話す。
「する事は山ほどあるけれど…これが、今は優先すべき事かな」
手に持っていた写真を、机の上に並べる。
「うん?皆可愛い女の子だけど…乾くん、これなんと?」
小首を傾げる源さん。…あぁ、こんなにがばいやーらしか人なのに、何故人気が爆発しない。
「…乾くん?」
「はっ!す、すまない、源さん」
19/06/03(月)22:32:20
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