大雨らしいので「」としては逝きさんの体調が気になってしまう。
逝きさんは精神的にも肉体的にも無敵に近い人だと思うけれども。
雨の日だけは笑顔も少し暗く感じる。それは極僅かな変化だけど。
としあきがいなくなった日は夕方からの雨だった。それだけだ。
雨中、彼を探している逝きさんの小さな姿、「」は生涯忘れない。
それは「」が生まれた日でもある。今もって読み方もわからぬ。
自分たちをどう表記、どう呼称して良いのかもわからなかったその瞬間…
まだ無垢な存在だった頃を思い出す。「」でも「としあき」でも名無しでも無かったあのほんの一瞬。
無垢で無罪だった自分を思い出す。それが今や年末三行年末三行、おあしすおあしす。諸行無常だ。
「あはは!!雪はもう雨なんかに負けたりなんかしませんよ!!」 「それ敗北フラグっぽいよ!」
「だって「」さんと相愛傘するんですから!!キスキスキスーーー!!」 「逝きさん愛してる!」
キスして来る彼女はいつもより少しだけ唇圧が高い気がした。雨傘の下でキスすれば誰にも見えない。
雨の雫は虹裏のスレのように降り注ぎ、流れを作り何もかも洗い流していく。流れに負けないキスを。
19/06/28(金)00:14:58
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