虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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22/02/04(金)00:17:14 「うー... のスレッド詳細

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22/02/04(金)00:17:14 No.893490823

「うーん、急に休めって言われてもなあ…」 ダービーを間近に迎える中、私はスランプになりかけていた。 皐月賞まで順調に勝ち進み、「このままなら三冠は確実」とまで言われるようになり、周囲からのプレッシャーもあってからか、トレーニングに身が入らなくなってしまった。 そんな様子を見かねてか、今日のトレーニングメニューを終えたのち、私はトレーナーから一日しっかり休んで気分転換してくるように言われた。 が、今まで走ることに明け暮れていた私には、気分転換といわれてもどうすればいいのかわからなかった。 「ダービーも近いから休みたくないのに…トレーナーさんの言うことだから仕方ないのかなあ」 どうしようか…と考えながら歩いていると、目の前に見覚えのある後姿が見えた。

1 22/02/04(金)00:17:53 No.893491016

「こんにちは、オルフェーヴルちゃん」 「あ…ディープインパクト先輩…皐月賞おめでとうッス」 「うん、ありがとう」 オルフェーヴル。小柄で弱気ながら妙な図々しさを持っており、そして何より不思議な走りをすることから、なんとなく最近私が気にしている後輩だ。 「あの…今ダービー前の追い込み中なんスよね。なんかトレーニング中変じゃなかったッスか?」 見ただけで分かってしまうとは。やはりこの子はただ者じゃないのかもしれない。私は正直にスランプと暇を持て余しかけていることを彼女に話した。 「ふーん…じゃあウチも明日オフなんで良ければ一緒に出掛けてみないッスか?」 「え?オルフェーヴルちゃんと私で?」 こうして私は後輩にエスコートされることになった。

2 22/02/04(金)00:18:29 No.893491224

翌朝、私たちは寮の前に集合した。私はなぜか彼女から手渡されたパーカーと帽子を身に着けて。 「オルフェーヴルちゃん…一応着てきたけどなんで?」 「先輩がそのまま出歩いてファンにでも気づかれたら面倒なんスよ。これならいくらかごまかせるッス」 「なるほど…ところでどこに行くの?」 「とりあえず映画でも観に行くッス。じゃあ行きましょうディープインパクト先輩…あー…」 彼女は少し考えるようにしたあと、こっちを向いて聞いてきた。 「長ったらしいんでプイ先輩って呼んでいいッスか?ディープ先輩だとほかにもいるみたいなんで」 「え…プイ?私は構わないけど…」 「そッスか。あ、ウチのこともオルフェでいいッスよ」 「うん、分かった。じゃあオルフェちゃん、今日はよろしくね」

3 22/02/04(金)00:19:04 No.893491425

「とりあえず映画館についたッスけど…プイ先輩観たいのとかあるんスか?」 「うーん…特にないからオルフェちゃんが決めてくれない?」 「じゃあ知り合いがおススメしてきた『JAM・奇跡の弾倉』ってやつにするッス」 ⏱ 「なかなか良かったッスね…プイ先輩はどうだったッスか?」 「ああいう映画初めて見たからすごく面白かった!だけど…スケートボード必要だった?普通に走ればよくない?」 「…ああいうのは勢いだけだから適当に観てればいいんスよ」 「うーん…そうなのか…奥深いなあ…」 「…とりあえず飯行きましょうか。この辺にいい店あるんス」

4 22/02/04(金)00:19:40 No.893491623

「ここは…中華料理屋さん?お昼時なのになんだか空いてるね」 「出前中心で裏路地にあるから人が少ないッス。こういう店なら先輩も人にバレにくいッスから」 「あっ…そうか。色々考えてくれてありがとね」 「まあウチが空いてる店が好きってだけッスけど。酢豚定食と餃子お願いするッス」 「じゃあ私も同じやつお願いします」 ⏱ 「すごくおいしかった!カラッと揚がった豚肉に甘酸っぱいあんがよく合って…!」 「気に入ってくれてよかったッス」 「特に焼き餃子って私初めて食べたけど気に入っちゃった!」 「焼き餃子が初めて?どんな家で育ったんスか…まあそれより、腹ごなしにちょっと運動していくッス」

5 22/02/04(金)00:20:15 No.893491834

「よいしょっ!…あ~…またガーターだ…」 「さすがのプイ先輩もいきなりボウリングは無理みたいッスね。完璧にこなされたらどうしようかと思ったッス」 「うーんあの辺で落ちたから…ここで真ん中狙えば…ふっ!」ガコーン 「…やっぱバケモンッスね」 ⏱ 「2勝1敗で私の勝ちだね!」 「ストライクとスペア連発するから勝ち目なくなったじゃないッスか…初心者に雑魚狩りされたッス…」 「ごめんごめん…感覚分かったのが楽しくなってつい」 「ビギナーに慰められてもむなしいだけッス。ところでそろそろ門限考えないといけない時間なんスけど、買わなきゃいけないものあるんで付き合ってもらっていいッスか?」

6 22/02/04(金)00:21:03 No.893492102

「この店…すごく大きくて騒がしいけど何を売ってるところなの?」 「ドンキッス。雑貨とか服とか食べ物とかだいたいのものが売ってるッス」 「えっ…デパートとかコンビニみたいな感じ?」 「ちょっと違うッス。ドンキはドンキとしか言えないッス。ウチは部室に置く駄菓子とカップ麺買いに来たッス。暇つぶしには最適だからちょっと覗いてみるッス」 ⏱ 「こんなに買っちゃった!」 「買いすぎッスよ!ハナ眼鏡とか光るドクロとかいつ使うんスか!」 「えへへ…ちょっとはしゃぎすぎちゃった…」 「まあいいッス。ちょうどいい時間なんで散歩しながら帰るッスよ」

7 22/02/04(金)00:21:50 No.893492379

「はい、ジュース。今日はありがとね」 「どもッス」 寮へ向かう最中、私たちは通りがかった公園のベンチに腰を下ろした。ちょっと駄菓子つまんで行こうというオルフェちゃんの提案を受けて。 「これは…小さいカツが串にささってるの?」 「中身は魚のすり身らしいッスけどね」 駄菓子をかじりながら、なんとなく無言の時間が続く。ひとくちカツをジュースで流し込み、私はオルフェちゃんに改めてお礼を述べる。 「今日は誘ってくれてありがとう!ほんとにすっごく楽しかった!初めてのことばっかりで…!」 「そうなんスか?なんか結構平凡な過ごし方だった気がするんスけど…」 本当に、すごく楽しかった。 …昨日は憂鬱だったこの日が終わってしまうのが、惜しくなるくらいに。 「まあ楽しんでくれたなら何よりッス。気晴らしくらいなら付き合うんでそっちからも誘ってほしいッス」 「…ほんとに?私から誘っていいの?」

8 22/02/04(金)00:22:25 No.893492552

「…クラシック三冠とか、英雄の走りとか。目標と期待を背負って走ってるのはすごいと思うッス」 コーラを一口啜った後、オルフェーヴルは続ける。 「でも、プイ先輩は貴族でもお姫様でもないんス。まあ本物のお姫様もトレセンにはいるみたいッスけど…とにかく、普通の女子学生として過ごしていいと思うッス」 そう言い切った後、オルフェちゃんはカツをかじり始める。 確かに私は、周囲の期待に応えようとしすぎていたのかもしれない。もっと楽しく、好きなように走れれば。 オレンジジュースをぐっと飲み干し、私は立ち上がった。 「ありがとうオルフェちゃん。もう心配いらないよ」 こちらを見上げた彼女の顔を見て、宣言する。 「ダービーも菊花賞も、私が勝つから!無敗の三冠の走りを見せてあげるね!」

9 22/02/04(金)00:23:01 No.893492724

~~~~~~~~~~~~~~~~ ダービーを終えて数日。私は、オルフェちゃんと並んで河川敷に座りこんでいた。 「ダービーおめでとうッス。すごい走りだったッスね」 「ありがとプイ」 「でもプイ先輩リラックスしすぎじゃなかったッスか?パドックで砂いじりと昼寝とか前代未聞ッスよ」 「トレーナーさんが冷や汗かいてたプイ」 「まあウチは等身大の像が一番面白かったッスけど」 「URA何考えてんだプイ!もし負けたらどうするつもりだったプイ」 「ところで…その口調なんスか?」 「プイ…オルフェちゃんは気に入らなかったプイ?」 「いや…ウチはいいんスけど。お偉いさんから怒られないんスか?威厳がー、とか」 「偉い人と話すときとかインタビューのときとかはやってないプイ。でも確かにやめろって言われたプイ」

10 22/02/04(金)00:23:36 No.893492895

そう、確かに言われた。口調、ふるまい、そして無名の後輩との遊び歩き。どれも三冠を取るウマ娘としてふさわしくないと。 だが、私はこう返した。ふさわしいかどうかはすぐに証明される。私と…そして「無名の後輩」の走りによって。だから何も言わないでほしい、と。 私のその言葉に納得いかなかった者もいたようだが、生徒会長の仲介によりひとまず様子をみてくれることになったようだった。 だが、そんなことは関係ない。 「私はこの話し方をやめるつもりはないプイ」 この話し方をすれば、他のみんなが、あなたの呼ぶ名前で私を呼んでくれるから。 「文句のあるやつは、全員私が走りでぶっちぎってやるプイ!」 西日の照らす河川敷の中、私は彼女に、もう一度宣言した。

11 <a href="mailto:s">22/02/04(金)00:24:40</a> [s] No.893493219

こないだ初めてローマの休日見ました ちょっとだけ参考にしました

12 22/02/04(金)00:30:28 No.893494935

デートかよ…って思ったらデートだった

13 22/02/04(金)00:33:00 No.893495728

キテル…

14 22/02/04(金)00:46:47 No.893499861

メインシナリオ第n章来たな…

15 22/02/04(金)00:49:00 No.893500476

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

16 22/02/04(金)00:52:19 No.893501387

オルプイゼロ章いいよね……

17 22/02/04(金)00:54:06 No.893501878

そして今のプイプイ言ってるよくわからない生き物に…

18 22/02/04(金)00:54:40 No.893502042

>1643903340679.png URAが卒倒しそうなオグリめいた謎生物に…

19 22/02/04(金)00:55:02 No.893502142

加減しろッス!

20 22/02/04(金)00:57:17 No.893502776

>1643903340679.png そんな!頭身まで変わって…

21 22/02/04(金)00:57:52 No.893502927

>加減しろッス! そうだ舎弟。お前が、こうした。

22 22/02/04(金)00:58:46 No.893503159

>>加減しろッス! >そうだ舎弟。お前が、こうした。 そんな…!ウチは…ただ……

23 22/02/04(金)00:59:31 No.893503345

>文句のあるやつは、全員私が走りでぶっちぎってやるプイ! つまり国内でプイプイに勝てたハーツクライはこの喋り方全肯定派だった…?

24 <a href="mailto:ハーツクライ">22/02/04(金)01:00:45</a> [ハーツクライ] No.893503692

>>文句のあるやつは、全員私が走りでぶっちぎってやるプイ! >つまり国内でプイプイに勝てたハーツクライはこの喋り方全肯定派だった…? いいよねプイプイかわいくて

25 <a href="mailto:ハーツクライ">22/02/04(金)01:02:31</a> [ハーツクライ] No.893504174

あいつは英雄なんかじゃないさ! ただの走りが好きなプイプイ鳴く可愛い珍生物さ!

26 22/02/04(金)01:04:50 No.893504806

急にクラプイ生えてきたな…いやクラプイでいいのかこのばいいの呼び方

27 22/02/04(金)01:14:35 No.893507133

でもプイはハーツちゃんにもこっそり重めの感情を持っててほしい

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