虹裏img歴史資料館

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21/12/31(金)01:24:03 「うー... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1640881443340.png 21/12/31(金)01:24:03 No.881886445

「うーん……」 夜が明け、僕は何度目かの睡眠から覚醒する。外の雪はどうやら止んだらしい。 「やっぱり夢じゃなかったんだ……」 目の前では、白茶の髪の少女が背を小さく上下させながら、僕に包まれるようにして寝息を立てていた。時々揺れる耳が体に触れてくすぐったい。僕が少し体勢を起こすと、ガサガサと寝藁の擦れる音で目を覚ましたのか、少女もおもむろに起き上がった。 「んん……おはようマカヒキくん……」 「あぁ、ごめん起こしちゃった?」 「ううん……大丈夫だよ」 少女はぶるりと身震いし、身体全部を使って大きく伸びをすると、僕の首元に凭れ鬣を撫でた。 「……もうすっかり冬だね。ほら、息もこんなに白い」 「そうだねぇ。……しかしこれだけ寒いと、人間の女の子の姿だとなかなか応えるんじゃないダイヤくん」 「うん、空気が凄く冷たくて体の芯まで凍りそうだよ。……もしかして君はそう思って私に寄り添って寝ていてくれたの?僕たちは夜普通、立って寝るっていうのに」 「……知らないなぁそんなことは」 「ふふふ、君はやっぱり優しいね」 彼はそう小さく笑うと、藁を払い服を整えて、馬房を抜け出して厩舎の外へと出て行った。

1 21/12/31(金)01:24:38 No.881886607

遅れて僕がそれを追うように外に出ると、澄み渡る青と粛然とした雪景の極楽で、一人の天女がドレスのフリルと長髪を踊らせて駆け回っていた。 「マカヒキくんも早くおいでよー!」 天女が僕の名前を呼ぶ。 蹴り上げた雪が白銀に、風に巻く髪が黄金に、太陽の光を乱反射して煌めいた。その様子を見て僕はなんだか居ても立ってもいられなくなって、彼を追って銀世界へと、力いっぱいに駆け出した。 そのあと僕たちは、一面の雪景色をどこまでもどこまでも走った。互いの脚が動かなくなるまで、どこまでも。その間僕は、ダイヤくんのことを考えていた。彼の才能、彼の努力、彼の美しさ、彼の挫折。彼はなぜ少女の姿になって僕に会いに来たのだろう。なぜ一夜を共にしたのだろう。いくら考えても答えは出なくて。ふと彼の顔を見てみると、彼は頬を寒さに真っ赤に染めながら、心から楽しそうに、前だけを見て走っていた。何物にも気を取られることなく、何物にもすがることなく、ただ前を見て。 その顔を見て僕は、この時間がいつまでも続いて欲しいと思った。ダイヤくんといつまでも走っていたいと思った。無意識に僕は、あの日のダービーと同じ思いを強く胸に抱いていた。

2 21/12/31(金)01:25:26 No.881886867

そしてついに僕たちは体力の限界を迎えて、雪の上に倒れこんだ。寂々たる世界に、二人の荒い呼吸だけが響く。 暫くして、最初に口を開いたのはダイヤくんだった。 「走っている間ずっとね、私マカヒキくんのことを考えてたんだ。君の5年間を、ずっと」 「……実は僕も、ずっとダイヤくんのことを考えてたよ」 「そうなの?ふふ……やっぱり私たち、お互い想い合ってるんじゃない?」 「な、何言ってるんだい本当に君は!」 「ふふふ……」 ダイヤくんはそんなふざけたことを言って、僕のことをからかう。彼は少女の姿だと随分と小悪魔的になるようで、昨夜もずっとこんな調子だったのを思い出した。 白雪に埋もれたまま、僕とダイヤくんは何でもない会話を楽しんだ。そうした中、ふと空を見上げると、日がすっかり高くなって僕たちを見下ろしていることに気がついた。 「体力も戻ったことだし、体が冷え切る前に厩舎に戻ろうか。ダイヤくん」 「そうだね……あはは、服がびしょ濡れだ」 ダイヤくんは雪に濡れた服を見せて、照れくさそうに笑った。 厩舎までを、二人寄り添って歩く。濡れた彼女に風があたらないように。冷然たる雪原で、お互いだけを支えにして。

3 <a href="mailto:s">21/12/31(金)01:26:03</a> [s] No.881887043

おしまい 今年はこれで書き納めです

4 21/12/31(金)01:27:27 No.881887480

これはキテますね

5 21/12/31(金)01:27:55 No.881887614

ウワーッ本日二回目!

6 21/12/31(金)01:27:56 No.881887618

ウワーッ!またマカダイがきてるー!!!

7 21/12/31(金)01:31:10 No.881888500

ごゆるりと…

8 21/12/31(金)01:33:18 No.881889055

大作ありがとう!

9 21/12/31(金)01:35:11 No.881889578

ここはサトちゃんのpixiv

10 21/12/31(金)01:35:18 No.881889617

マカヒキ君は責任取らないとね

11 <a href="mailto:マカヒキ">21/12/31(金)01:36:44</a> [マカヒキ] No.881890037

いつまで続くんだ…この悪夢は…!

12 21/12/31(金)01:37:17 No.881890194

>いつまで続くんだ…この悪夢は…! 多分引退しても続く

13 21/12/31(金)01:39:18 No.881890837

マカダイ二つ目!?

14 21/12/31(金)01:40:55 No.881891284

ダイヤくんちゃんのマカヒキ夢小説の弾はいくらでも出てくるな…

15 21/12/31(金)01:41:19 No.881891386

そろそろ金マカ夢小説も出てくるかもしれない

16 21/12/31(金)01:43:53 No.881892059

引退したらTSJC擬人化百合になる可能性があるんだよな…

17 21/12/31(金)01:44:03 No.881892112

幻想的な雰囲気が良い… マカダイはいくらあっても良いとされる

18 21/12/31(金)01:45:09 No.881892376

>TSJC擬人化百合 多い多い

19 21/12/31(金)01:47:58 No.881893175

>なぜ一夜を共にしたのだろう。 菊花賞したんだ!!

20 21/12/31(金)01:48:16 No.881893250

相変わらず綺麗な雰囲気と異常な状況がねじれを起こしてる怪文書だ……

21 21/12/31(金)01:48:21 No.881893276

カタマカダイ開いてマカダイ

22 21/12/31(金)01:48:56 No.881893469

マカダイが豊作でありがたい

23 21/12/31(金)01:50:30 No.881893856

マカヒキが奥手っぽいのがね…

24 21/12/31(金)01:52:05 No.881894223

マカヒキくんは童貞だからな…

25 21/12/31(金)01:59:28 No.881896118

じゃあダイヤくんは…

26 21/12/31(金)02:01:40 No.881896658

サトちゃんは処女だけどダイヤくんは童貞捨ててる

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