21/11/01(月)01:09:30 泥の主従 のスレッド詳細
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画像ファイル名:1635696570626.jpg 21/11/01(月)01:09:30 No.862169714
泥の主従
1 21/11/01(月)01:22:41 No.862172788
泥の推し主従
2 21/11/01(月)01:25:59 No.862173567
あんひみ!
3 21/11/01(月)01:31:55 No.862174799
ランせい
4 21/11/01(月)01:36:00 No.862175642
ツクスバ
5 21/11/01(月)01:36:50 No.862175847
十剣
6 21/11/01(月)02:08:35 No.862181593
ハサンさん落ちたのか 指名してたから当確なんだと思ってた
7 21/11/01(月)02:10:22 No.862181883
キャスターと巡ちゃんにモテ期が…
8 21/11/01(月)02:15:29 No.862182697
>ハサンさん落ちたのか >指名してたから当確なんだと思ってた 既に候補者いたからそこは仕方ない 指名してれば当選ってわけではないのだ
9 21/11/01(月)02:16:50 No.862182930
また次の企画に出せばいいさ まぁ新規アサシンも来るだろうが
10 21/11/01(月)02:24:07 No.862184050
マスター側に女性が多いからサーヴァント側は男性の方が多いんだな
11 <a href="mailto:1/4">21/11/01(月)02:40:45</a> [1/4] No.862186632
深夜。ふと目が覚めた朱城徹は皮膚に焼き印を押されたような感覚に意識を覚醒させた。 「……一応選ばれた、と言うことか」 寝間着を捲り、感覚のあった右肩を見る。 そこには聖杯戦争参加者の証、令呪が刻まれていた。 深呼吸をして、胸の昂りを収める。 「……よし」 ベッドから起き上がり、着替える。 寝室の隠し扉の内側に安置された金庫を開けた。 そこに入っていたのは一片の木片。当然、これはただの木片ではない。 木片は名高きアーサー王が治めたブリテンの都キャメロット、その中核たる円卓…その席に使われた椅子の破片だ。 (円卓の欠片が欲しかったが、触媒としての価値が高いからか、値段が高過ぎる) 朱城家は電力会社や家電メーカーの株主ではあるが、朱城家全体の資産の中から今はまだ当主ではない学生の徹個人が使える金額はささやかな物だ。 「まぁ、いいさ。 これが円卓の騎士の誰かを呼び出す触媒であることは確かだ」 木片を掴み、屋敷の地下へと向かう。
12 <a href="mailto:2/4">21/11/01(月)02:41:19</a> [2/4] No.862186706
朱城家の地下室、そこには既に召喚陣が布設されていた。 召喚陣の中心に触媒である木片を置く。後は魔力を注ぎ、召喚の為の呪文を唱えれば良い。 (令呪が宿ってくれて良かった。 ……宿らなければ宿った人から無理矢理にでも奪わねばならなかった) 感傷にひたりながら未だ熱を帯びる右肩を抑えると、皮肉そうに口の端をつり上げた。 これから自分は己のエゴを通す為に他者と命を奪い合うと言うのに、誰からか令呪を奪わなくて良かっただと? 笑わせるなよ、これは自分が朱城家当主に相応しいと『証明』する為の戦いだ。 相手が誰であろうとも勝利するのみ。 「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公……」 「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よっ!」 収束した魔力が世界に穴を開け、何かをこの世界へと呼びだす。 魔力の残光と煙が晴れ、サーヴァントの姿が明らかになる。 刺々しいエッジを有する装甲で作られた頑強な重苦しい黒い鎧、その頭部は兜は片側に羽をあしらったグレートヘルムで覆われていた。
13 <a href="mailto:3/4">21/11/01(月)02:41:48</a> [3/4] No.862186763
立ったままだった黒騎士は徹を視認すると徹の前へと歩み寄る。 身長こそ徹より一回りほど小柄だが、直接目にすればその気配、魔力量、境界記録帯(ゴーストライナー)と呼ばれる存在である事が感覚として理解出来た。 (これで所詮は使い魔に過ぎない…だって?本当かよ) 以前に行われた二つの聖杯戦争の資料、その内容を思いだし、徹は呆然とする。 資料にはかつて存在した英雄を模した使い魔に過ぎないと記載されていたが、徹にはとてもそうとは思えなかった。 呆然としている徹の前に来た黒騎士は恭しく膝をついた。 黒騎士は兜を外すと右腕でそれを抱え る、如何にも騎士といったバケツのような兜を外すと、そこには黒髪を肩の辺りで切り落とした女性の顔が見えた。 「サーヴァント、ランサー。 問おう、貴様が私のマスターか」 ランサーは酷く不愉快そうに目を細め、徹を睨み付けるように視線を送った。 「ああ、そうだ。 ランサー、早速で悪いが頼みがある」 ランサーの言葉に頷くと、ゆっくりと言葉を紡ぐ。 魔術師として威厳を出そうとしたり、虚勢を張るのは止めだ。きっとランサーの冷たい目の前ではそんな偽りなど見抜かれてしまう。
14 <a href="mailto:4/4">21/11/01(月)02:43:03</a> [4/4] No.862186919
「命令ではなく頼み?」 僅かにランサー眉間のシワが緩んだ、緩んだ気がする。気だけかも知れない。 「ああ、頼みだ。 君は拒否してくれても良い。 まずは立ってくれ。……なんと言うか落ち着かない」「良かろう」 徹の頼みは通った。ゆっくりとランサーは立ち上がる。やはり徹より一回りほど小さい。 「マスター、最初に言っておく。規律、そして忠誠。私が求めるものはただこれだけだ」 氷のような視線が徹を突き刺す。一歩退きそうになる自分を押さえ付け、徹は奥歯を噛み締めた。 「……心に留めておく」 その言葉にふん、とランサーは鼻を鳴らした。 「他に何か聞きたいことは?」 「色々ある。戦いはランサーに任せるにしても俺は戦い方について殆ど素人。むしろランサーから学ばねばならない立場だ。ランサーが良ければだが…」 「勤勉であることは悪くはない……真名は良いのか?」 ほう、とほんの僅かにランサーの声が上擦る。 首を振り、否定する。少なくとも今の徹が知って今後に活かせるとは思えなかった。 「結構だ。 では教育を始めよう」 ランサーがサディスティックな笑みを浮かべたのは気のせいだろう。気のせいであって欲しい。