ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/10/31(日)22:10:12 No.862107036
10月31日、本日は日曜日であるがトレセン学園内にはウマ娘が多かった。当然、トレーニングのために来ている者がほとんどだが……大半は、別の目的を持っていた。 シリウスシンボリのトレーナーは担当バを探して学園内を練り歩いていた。こういう行事の時は、大体黄色い悲鳴がするところに……学園内の空気を切り裂くような甘い叫びが聞こえた。間違いなく向こうだ、と確信した彼は広場へ向かう。 ウマ娘の集団の中心にいるのは鹿毛で長身のウマ娘……想像通り、シリウスシンボリだ。黒スキニーとシンプルなブラウス。それと派手な黒いマント……裏地が赤色だ。吸血鬼の仮装だろう……先ほど見かけたライスシャワーとは違い、男ヴァンパイア。一応トレーナーも仮装しているが、頭に包丁が刺さっているように見えるカチューシャを付けているだけだ。衣装が似合う彼女は……金髪のウマ娘を横抱きにし、首を噛んでいた。見た感じ甘噛みだろうが、噛まれている方は気絶寸前だ。先ほどの絶叫はこのウマ娘があげたものだろう。取り巻きをかき分け、シリウスに近付く。
1 21/10/31(日)22:10:46 No.862107254
「ん?トレーナーじゃないか。今日のトレーニングはまだだろ?」 時計を見んしゃい、と言うとトレーナーの左腕を掴んで顔の前に近付けた。さっきほどではないが悲鳴があがる。こいつは……と思わなくもないが、演技ではなく天然でやっているというのだから恐ろしい。 ともかく、時間が差し迫っていることは理解したようだ。なるほど、と呟くと抱いていたウマ娘を下ろし、トレーナーに向き直った。 「すぐにトレーニングに行こうとは思うが……その前に」 その前に?と聞き返す。 「トリック・オア・トリートだ。当然、アンタは持ってるよな?」 残念ながら……用意した分は出会ったウマ娘にあげていたらなくなっていた。好きにしていいよ、と両手を広げる。 「おっと、それなら遠慮なく。かぷりと行くぞ?」 シリウスは正面から抱きつき、首筋に唇を触れさせる。彼女の取り巻き達を見ると気絶する者が増え続けていた。一分間維持するだけで全滅しそうだ。 「いただきます」
2 21/10/31(日)22:11:28 No.862107577
ゾクゾクとしたが抑えて彼女の牙を待った。直後に歯が軽く肌を押し込んだ。少し気持ちいいかもしれない。それが数秒続き……あれ?長くね?と思った瞬間激痛が走った。彼女の犬歯が、薄皮を裂いて血管を貫いている! シリウス?と声をかけても反応はない。彼女を強引に引き剥がし、その顔を睨むように注視する。目は虚、口端からは自分の血が流れている。取り巻く娘達が先ほどとは違う、恐怖からの悲鳴をあげる。シリウス!と強めに呼びかけると、瞳に光が戻った。 「なん、鉄……え?」 意識は大丈夫か、何をしたか覚えているか、どこか変なところに行かなかったか……と立て続けに質問する。……どうやら今は大丈夫なようだ。彼女の安全を確認したためか、急に痛覚が戻ってくる。主要な血管は避けたようだがめちゃくちゃ痛い。周りに誰もいなかったら多分泣いてた。今泣いてないのは単純に意地の力のためだった。 「わ……悪い、私のせいで……」 それは後でいいから、とりあえず保健室に行こう?と提案すると、彼女は静かに頷いた。だいぶやられたようだ……傷口を抑え、彼女の手を引きながら保健室へ向かった。
3 21/10/31(日)22:11:59 No.862107773
保健室は無人だった。好都合だ、この傷について聞かれて誤魔化せるとは思えない。傷口を抑えていた手を除けると、鮮血がべったりと付いていた。水道で洗い流し、消毒液を……と、既にシリウスが消毒液を手に取っていた。 「せめて、私にやらせてくれ……」 うーむ、普段あんなに自信満々なシリウスがここまで参るとは。とはいえ、死ぬほど痛いのは事実なので彼女に頼むことにした。手近な椅子に座り、彼女に背を向ける。唾を飲み下す音が聞こえる。ヤバい気がする。肩に手を置かれた時、彼女の方に振り向いた。 「ち……違うんだよ、トレーナー……」 そのまま目を合わせ続ける。まるで熱病に侵されているようだ。息は荒く、瞳は潤み、頬は赤い。 「ほら……唾をつければ治るって言うだろ?そっちでもいいんじゃないか、ってさ……」 トレーナーは眉間に寄せた皺を親指と人差し指で摘んだ。少しの時間の後、好きにしろ、と告げて再び背中を向けた。血を吸うところまで悪戯にカウントしてやる、という覚悟だった。 「………………いただき、ます」
4 21/10/31(日)22:12:25 No.862107969
彼女の気配が近付いてくるのを感じる。シリウスの唇が触れてこそばゆくなり、彼女が既に出ている血を舐め取ったところで、保健室の扉が開いた。 「あっ」 そちらに目を向けるとシンボリルドルフが立っていた。少しだけ仮装をして、扉を開けた姿勢のまま硬直している。シリウスも硬直している。数秒の間、時間が止まっていた。 「……失礼した。どうぞ気兼ねなく……」 「待て待て待て!違う!違うぞ皇帝サマ!」 慌てた様子のシリウス……珍しい、心のアルバムに永久保存しておこう……がルドルフを引き止める。ルドルフは疲れた目をしていた。見回りか何かだろうか。 「いや……うん。君たちの行為の邪魔をするつもりはないさ。何も見なかったことにするから……」
5 21/10/31(日)22:12:36 No.862108041
「違う!これは……医療行為だ!アンタが想像してるそれじゃない!」 シリウスの唇にはトレーナーの血が口紅代わりにべっとりと付いていた。無理があるんじゃないかなー……とトレーナーは思ったが、口にはしない。 「うん、大丈夫だ、誰にでもそんな時はある。ルナ……じゃない。私は知ってるから。深くは聞かないさ。これから数時間はここの見回りに来ないと思うから……」 「待て!待てよ!おいマジで待てよ!」 逃走するルドルフを追ってシリウスが部屋を飛び出た。誰もいなくなった部屋で、トレーナーは消毒液を手に取った。早く止血しよう。消毒液の沁みがやたら痛かった。
6 21/10/31(日)22:13:47 [s] No.862108586
おわり 一週間構成煮詰めるうちに強気なオンナが大切な人を傷つけてしおらしくなるのいいよね…したのでこの展開にした 「ハロウィンの夜に」見ながら書きました
7 21/10/31(日)22:15:21 No.862109264
ここを責めるとシリウスがしおらしくなる
8 21/10/31(日)22:17:18 No.862110091
強気で自信家な女の子が弱弱しくなる奴はガンに効く
9 21/10/31(日)22:19:51 No.862111157
ちょっとルナ出てる…
10 21/10/31(日)22:21:46 No.862111978
むっ!!!
11 21/10/31(日)22:25:26 No.862113542
いい…
12 21/10/31(日)22:28:46 No.862114895
理解あるトレーナーと理解ある友人を持つ 人として幸せだな
13 21/10/31(日)22:30:20 No.862115553
>理解あるトレーナーと理解ある友人を持つ >人として幸せだな 大丈夫?友人の方は誤解してない?
14 21/10/31(日)22:36:56 No.862118209
吸血行為ってえっちぃよね....
15 21/10/31(日)22:38:54 No.862118963
シリウスは勿論 ルドルフの憔悴も珍しい
16 21/10/31(日)22:39:37 [s] No.862119218
>シリウスは勿論 >ルドルフの憔悴も珍しい 学内で隠れぴょいの現場に何度か出くわしたので気力が削がれてる
17 21/10/31(日)22:43:37 No.862120752
>>シリウスは勿論 >>ルドルフの憔悴も珍しい >学内で隠れぴょいの現場に何度か出くわしたので気力が削がれてる 風紀!!(バシィ!!
18 21/10/31(日)22:43:50 No.862120833
実際文化祭の空き教室ってのは絶好の…ネ…
19 21/10/31(日)22:44:27 [1/3] No.862121060
ハロウィンの翌日、トレーナーが家に帰るとシリウスが扉の前に立っていた。大事をとって今日のトレーニングは休みにしていたのだが……とりあえず彼女を家に入れ、話を聞く。 「昨日、ひどい怪我をさせただろ?そのお詫びをしなきゃいけないと思ってさ」 まだ弱った様子のシリウスが少し心配になる。一日あれば立ち直ると思っていた。シリウスは立ち上がり、制服に手をかけた。しゅるしゅると衣擦れの音、ぱさりと布が落ちる音……驚くべきことに、彼女は下着の代わりに真っ赤なリボンを着けていた。 「トリックのお詫びの……トリート、の、つもりだ。私の身体を、好きにしてくれ……」 トレーナーは俯き、眉間の間の皺を摘んだ。律儀に反応した剛直を宥めながら……ベッドに行こうか、とシリウスの肩を抱いた。
20 21/10/31(日)22:44:48 No.862121184
>>理解あるトレーナーと理解ある友人を持つ >>人として幸せだな >大丈夫?友人の方は誤解してない? もう幸せならいいんじゃないかな…
21 21/10/31(日)22:45:16 No.862121348
見回りがてら私もハロウィン楽しむぞ!とルンルンで出ていったルナちゃんを 色ボケの悪意が襲う
22 21/10/31(日)22:45:18 [2/3] No.862121364
⏰ シリウスはトレーナーの体に体重を預けていた。二人とも全裸で、たった今行為が終わったところだった。ごつごつとしたトレーナーの手は彼女の頭を撫でている。 「なあ……これじゃ私が求めてる時と変わらないじゃないか。もっと乱暴にしたっていいんだぞ?」 トレーナーは一瞬手を止め……すぐに再開した。そういうのは趣味じゃないし……とぼやき彼女の耳を撫で上げる。 「んぅっ……でも……」 お前の罪悪感を和らげるためだ、と続け、手を彼女の胸元……より少し上、鎖骨あたりに移動させる。罰はこの程度でいいだろ、と周辺を撫でる。そこには虫刺されに似た跡、キスマークが付いていた。 「……たしかに、ここはアイツらに見えるだろうけど……」 隠してもいいよ、と再び手を頭に戻した。 「……これがアンタのトリックなら、むしろ見せつけてやるさ」
23 21/10/31(日)22:45:47 [3/3] No.862121550
ああ明日は取り巻きの娘達が大変なことになりそうだな……と思いながら、トレーナーは彼女の顎を軽く掴んで自分の方に向けさせる。第二ラウンド、やろうか?と言葉を紡ぐ。 「……今度は、アンタが上になってほしい……」 可愛らしいおねだりで加速した興奮を額へのキスで抑え、二人同時にごそごそと動き始めた。シリウスが仰向けになり、復活した剛直が膣口にあてがわれる。 「あ……手、握ってくれないか」 お望みのままに、と左手を彼女に右手に預けた。指と指の間に彼女のそれが入り込み、お互いの手をがっしりとホールドする。トレーナーはシリウスの下腹部を優しく撫で、改めて体温を感じてから……剛直を挿入した。
24 21/10/31(日)22:46:15 [s] No.862121696
今度こそおわり シリウスが全裸リボンしてると思うと興奮が止まらなくなったので書いた
25 21/10/31(日)22:47:26 No.862122152
このイケメンがここまで入れ込むトレーナーとは…
26 21/10/31(日)22:49:24 No.862122911
>このイケメンがここまで入れ込むトレーナーとは… シリウスの悩みとか苦悩とか後悔にしっかりと寄り添って押し付けがましくしないだけですね
27 21/10/31(日)22:50:27 No.862123284
おもしれー男(女)…
28 21/10/31(日)22:52:24 [s] No.862124004
>このイケメンがここまで入れ込むトレーナーとは… 過去に書いたやつと繋がってるなら シリウスに気持ちいいことされても抵抗して全力で下唇噛んで我慢するようなタイプ
29 21/10/31(日)22:52:44 No.862124131
圧力に屈せず、色仕掛けには靡かず、暴力には平手を返し しかしてシリウスの心身を第1に考えて常に傍に立ち続ける …難易度!
30 21/10/31(日)22:54:12 No.862124663
新人が持っていい反骨の相ではない…
31 21/10/31(日)22:56:47 No.862125574
シリウスにエッチなことされたら普通は屈服するでしょ…
32 21/10/31(日)22:59:16 No.862126478
出させて勝った!って思っても 満足したなら出ていけ、くらいしか言わなかったんだろうな最初は…
33 21/10/31(日)23:01:53 No.862127399
過去作も読みたい
34 21/10/31(日)23:03:28 No.862128000
>圧力に屈せず、色仕掛けには靡かず、暴力には平手を返し >しかしてシリウスの心身を第1に考えて常に傍に立ち続ける >…難易度! いいだろ?中央のトレーナーだぞ?
35 21/10/31(日)23:04:14 No.862128314
まあこのトレーナーも最初はやり返すためにケダモノになっちまったんだがなHAHAHA
36 21/10/31(日)23:06:20 [s] No.862129102
fu484059.txt 赤字だけど出したよ!
37 21/10/31(日)23:06:44 No.862129264
サンキュー!
38 21/10/31(日)23:07:13 No.862129456
>まあこのトレーナーも最初はやり返すためにケダモノになっちまったんだがなHAHAHA 牙を剥いて威嚇だからマジでケダモノだな…