虹裏img歴史資料館

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21/10/29(金)02:22:45 前回ま... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1635441765673.jpg 21/10/29(金)02:22:45 No.861148376

前回までのウマ娘 快眠!薔薇親父ファームは 「たまには部屋の掃除したほうがいいですよギムさん!」 「この写真…懐かしいな。」 「誰ですかその人?」 「まだ学園にいた頃の先輩だよ。色々よくしてもらったんだ。思い出すな…」

1 21/10/29(金)02:22:59 No.861148399

トレセン学園、屋上。そこに一人夜空を見上げる影があった。 そして、その影に近付く者もいた。 「ギ〜ムちゃん。こんなところで何してるの?」 近付いていた者の名はタニノシスター。オープン戦を中心に5勝を上げ、すでに引退したウマ娘だ。 「…シスター先輩。何か用ですか?」 一方、空を見上げていた者の名はタニノギムレット。 ダービーウマ娘であった。 「ダービー優勝おめでと!」 「その事でしたか。」 祝われても、ギムレットは暗い顔のままだった。 「あれ?もう祝われ慣れちゃった?ごめんね〜すぐお祝いできなくて。」 「いや…そうじゃないんすけど…」 「それにしては嬉しそうじゃないじゃない?何かあったの?」 シスターは柔らかい声で問いかける。

2 21/10/29(金)02:23:13 No.861148425

「俺…たぶんもう走れないんです。」 少し悩んだ様にしながらも、ギムレットはそう打ち明けた。 「足…怪我しちゃったの?」 「全治6ヶ月だって…もう秋のレースには出られないし、復帰するのも険しいですから…」 「そっか…トレーナーさんはなんて言ってるの?」 「まだ話し合った訳じゃないんですけど…たぶん引退する事になると思います。」 ギムレットの顔は一層暗くなっていった。 「ギムちゃんはそれで満足してるの?」 シスターは声色を変えず、再び問いかけた。 「そんなこと考えても…もう走れない事に代わりはないですから。」 「本当にそれでいいの?」 「俺は…本当は……本当はもっと走りたいです…!クリスエスとも…ノーリーズンとだって…」 ギムレットは声を震わせながらも、自らの心情を吐露した。 そんな彼女を、シスターは何も言わず、ただ抱きしめていた。

3 21/10/29(金)02:23:23 No.861148447

そうして十数分。シスターは誰に話しかけるでもなく、ぽつりぽつりと呟き出した。 「ギムちゃんのダービー。カッコよかったなぁ…」 「先輩…」 「きっと…きっとね?見た人達も私と同じ様に思ったはず。その中にはね、必ず…いえ、絶対にいつかダービーに勝つウマ娘だっているわ。たとえ引退したとしてもギムちゃんがやったことは未来につながっていくのよ。」 「…まあ、オープンしか勝ってない私が言う様なことでもないんだけどね!」 照れ隠しの様に、シスターはそう笑いながら言った。 それから一拍置いて、何かを決意した様にギムレットは顔を上げ、シスターに背を向けた。 「いろいろ…整理つきました。」 「よかった!ギムちゃんの力になれたみたいで!」 夜空を見上げていた影は、そのまま振り返らずに階下へ降りていった。 シスターはその影を追いかけることはせず、ただ見送っていた。

4 21/10/29(金)02:23:35 No.861148472

それから数日後。 ダービーウマ娘、タニノギムレットは突如引退を発表した。 その理由を本人が語ることはなかったが、通院していたらしいと言う噂から、怪我での引退でないかというのが通説となっている。

5 21/10/29(金)02:23:46 No.861148494

「…ム…………ん………ギ……さん!」 「ギムさん!起きてくださいよもう…」 「ん…ローズか。」 「『ローズか。』じゃないですよもう!掃除してる時にどっかいったと思ったら…こんなところで寝ないでくださいよ!風邪引きますよ…もう。」 彼女らはとある建物の屋根の上に居た。引退したウマ娘達が経営する牧場内にあるホテルの建物だ。 ギムレットは起き上がると、その写真を見つけた時と同じ様に、悲しむ様な、懐かしむ様な顔で、彼女はそれを見た。 「その写真、相当思い入れあるんですね。」 いつの間にか彼女の隣にはローズが座っていた。 「…まあな。」

6 21/10/29(金)02:24:03 No.861148523

「あれ?ギムさん泣いてるんですか?」 ギムレットはその言葉を聞き、自分の顔が濡れていた事に初めて気付いた様だった。 「泣いてなんかない。」 「もう…仕方ないですね。ほら、これで拭いてください。」 彼女は自分の髪飾りと同じデザインのバラの刺繍が入ったハンカチをギムレットに手渡した。 「…ありがとな。」 ギムレットはそのハンカチで雑に顔を拭うと、ポケットに突っ込んだ。 「あっ!ちょっと返してくださいよ!」 「よし…久しぶりに並走でもするか!」 そう言うと、もう暗くなってきていた空を少し見上げてから、彼女は屋根から飛び降り駆け出した。 「あーっ!ちょっとギムさーん!!」 ローズもまた、それを追う様に駆け出していった。

7 <a href="mailto:s">21/10/29(金)02:24:37</a> [s] No.861148577

快眠!薔薇親父ファームってたまにこう言うシリアス回があるんですよね

8 21/10/29(金)02:29:02 No.861149090

本編放映後の5分アニメきたな…

9 21/10/29(金)02:33:56 No.861149659

幻覚が濃い……

10 21/10/29(金)02:34:54 No.861149760

タニノシスターは苗字同じって言い方になると関係性が… ここだと血縁ないみたいだが

11 21/10/29(金)02:37:38 No.861150067

ウワーッ!親父がシリアスしてるー!

12 画像ファイル名:1635443084303.png 21/10/29(金)02:44:44 No.861150823

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

13 21/10/29(金)02:45:16 No.861150886

ウワーッ!幻覚が濃すぎる!

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