ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/10/12(火)19:36:03 No.855661902
第1話イクノ編(fu425877.txt) 第2話イクノ編(fu425881.txt) 第3話タンホイザ編(fu425888.txt) 以上の続きです 合宿最終日は、何も覚えていない。本能のままに走り、動き、疲れ果て・・・ もしかしたら帰りの車内は寝ていたのかもしれない。気がつけばトレセンの正門前にいた
1 21/10/12(火)19:36:48 No.855662212
「たった2泊3日だけどお疲れ様。二人共帰省とかは」 「私は寮に残ります。夏に一度帰ったのでいいかなって」 「イクノは?」 「私はこのまま駅に向かって実家に戻ります」 「そうか、それなら駅まで送るよ」 「えっ、それは・・・」 「いいから。じゃあ、タンホイザ。・・・また」 「はい。また・・・」 ・・・? いや、すこし過敏になりすぎかもしれない。大した意味はないはず
2 21/10/12(火)19:37:05 No.855662328
駅までの車内。なんだか久しぶりに彼と二人きりなきがして 「・・・トレーナーと二人というのは、久々な気がしますね」 「ん、あぁ・・・そういえばそうだな。最近はタンホイザもいたから」 「トレーナーは、帰省ですか?」 「いや、俺はこっち残るよ。家には帰らない」 「それは・・・どうしてですか?」 「どうしてといわれても・・・帰りたいなと思わないし。帰ってこいとも言われないから別にいいかなって」 「そうですか・・・私はてっきり予定でもあるのかと」 「え、あ、あぁ・・・別にないかな」 ほんの気まぐれで、カマにもならないカマかけのつもりだったのだが ・・・私の中の黒いものが、わずかに漏れ出てしまう
3 21/10/12(火)19:37:34 No.855662523
「そういえば・・・”タンホイザ”って、呼び捨てにするんですね」 「あ、うん・・・タンホイザにお願いされてね。壁を感じるから嫌だって」 「壁・・・」 「これから私もチームの仲間だから、仲良くなりたいって」 「そう、ですか・・・」 「あぁ・・・」 ずるいなって思った。 拒否すれば関係性に亀裂が入る。優しいあなたは絶対に断らない・・・断れない。 「私の時は、どうだったんでしたっけ」 「何が?」 「呼び捨てにするキッカケです」 「え?えぇ~と・・・何だったかな・・・あはは・・・」 「私も覚えていませんので・・・気にしないでください」 「あ、あぁ・・・ごめんな」
4 21/10/12(火)19:37:52 No.855662655
謝らないで欲しい。私が、めんどくさい女みたいじゃないか・・・ 自然に呼び方が変わるなんて、結局こんなものだ。現に私だって覚えていない。 対照的に、タンホイザさんのアプローチは、長く彼の胸に残り続けるだろう。 「あのトレーナ。この辺で・・・」 「いいのか?少し距離あるけど・・・」 「近づきすぎたら、余計止まりにくくなるとおもうので」 「それもそうか・・・じゃあまた年明けにな。よいお年を」 「よい、お年を・・・」
5 21/10/12(火)19:38:24 No.855662855
時期的にも駅前は人が多いだろう。車が止まりにくいのは事実。 でも、それよりも、二人きりの空間が辛かった。 本当なら、好きな人と二人きりの車内・・・ 「・・・グスッ」 メガネにマフラーと、顔が隠れ気味でよかった。 私が重ねた1年以上は、こんなにもあっさりと・・・わずか1週間程度で。 嫉妬よりも怒りよりも、私自身が、情けない。 次に会うのは1月3日。待ち遠しいようなこのまま逃げてしまいたいような複雑な気持ち。 どうかこれ以上、二人の仲が進みませんように・・・
6 21/10/12(火)19:38:55 No.855663055
間が空いた上に短めですが。どうせ誰も見てないしいいだろ!
7 21/10/12(火)19:40:41 No.855663738
俺が見てるんだよ!!
8 21/10/12(火)19:41:58 No.855664257
俺も見てるよ おつらい
9 21/10/12(火)19:44:43 No.855665434
いつもの丁寧語を止めて荒れ狂うイクノが見たいいいいい
10 21/10/12(火)19:45:30 No.855665724
見てんだよ!よくねえよちゃんと終わるんだろうなぁ!?