21/09/19(日)00:42:17 「トレ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1631979737442.jpg 21/09/19(日)00:42:17 No.847502081
「トレーナーちゃーん!ランディーング!」 たたたっと走って、後ろから自分のトレーナーに抱き着く。これを始めたのも何ヵ月前からだろうか。それを継続して続けていられるのは、飽きずに続けられる自分の長所だと思う。ともかく、よろけながらも抱き寄せて頭を撫でてくれるトレーナーちゃんに、自分は顔を緩ませながらにへへと笑う。 「全く、マヤノは今日も元気だね。いいことでもあった?」 「んーとね、トレーナーちゃんと朝早く会えたことー!」 「そりゃ今日は朝練だからね。でもありがとう、嬉しいよ。」 頭を撫でられるその熱を、まだ寝ぼけた暖かさが残る体に滴らせて、説明のつかない胸の内のこの気持ちに違和感を覚えながらも練習に勤しむ。朝練が終わり、授業の準備をしに戻る子たちを背にマヤはトレーナーちゃんに一つ質問をしてみた。 「トレーナーちゃんトレーナーちゃん!」 「ん、なんだいマヤノ。」 「マヤがトレーナーちゃんのこと好きなのはわかるよね?」 「…ん、ああ。知ってるよ。」 「…トレーナーちゃんは、マヤのこと、好き?」
1 21/09/19(日)00:42:31 No.847502134
面食らったように固まったトレーナーちゃんの頬にちょんちょんと指でつつくと、はっとした表情になり慌てた様子で言葉を乱雑につなげる。 「ああいや、その…担当にこういうこと言っていいのかな…」 流石に燻る時間が長くて、待ちきれない私はちょっとだけ押してみることにした。カレンちゃんから教えてもらった、アレで。 「…それとも、きらい…?」 オンナの涙には勝てない、というのはカレンちゃんの言葉。ちょっとだけ涙を潤わせながら、トレーナーちゃんの顔を覗き込むように見上げる。 「…っ!嫌いなわけない…っ…好き、だよ。…この世の、誰よりも。」 好き、までは良かった。けれどそのあとに紡がれた言葉が、脳細胞の隅々までをショートさせ頭から煙を昇らせる。自分から言わせたはずなのに、何故か自分もダメージを受けてしまった。 「あっ、えっとそのっ…トレーナーちゃん授業があるからまた後でー!」 呼び止める声も聞かず、レースの時のように足を回しながら寮に戻る。テイオーちゃんがちょうど登校するところだったようで、ばったりと会いお互いに声を上げた。
2 21/09/19(日)00:42:45 No.847502195
「ま、マヤノ…?朝練行ってたんじゃ…」 「えーと…その…もう終わったからカバンもってこよっかな~って…」 「…顔赤いよ?大丈夫?」 「だっ、大丈夫だからっ!テイオーちゃんは先行ってて!」 「…ニシシ、マヤノも乙女だね~!じゃ、お先~!」 言い返そうと思ったころには、テイオーちゃんは先のほうに走っていって言葉を飲み込む。そのまま布団にぽふりと座って、気持ちを整理しようと制服に着替える。しかしそれがまとまるわけもなく、ぽやぽやとした思考のまま授業に出た。授業中、ずっとトレーナーちゃんとその言葉が頭の中でぐるぐる渦巻いて、先生に注意されてしまった。 授業も終わり、トレーナーちゃんのところに足早に向かう。コーヒーを飲みながら机に向かい、キーボードを打ち込み続けるトレーナーちゃんに声をかけた。 「…ぁのっ!トレーナーちゃん!」 「おわっ!?…ああ、もうそんな時間か。ごめんね、気づかなくて。」 コーヒーを机に置き、さっと頭を撫でる。いつものようにそれを受け取るも、違う違うと頭を振ってそれを解かせた。
3 21/09/19(日)00:42:59 No.847502272
「…マヤノ?具合でも悪いのか?」 「そうじゃ、なく、て…!」 さっき見せた涙のうるおいとは別の、本物の涙が頬を伝って地面にこぼれる。流石にそれで何かを察したのか、手で拭った後に顔をくい、と上げさせられる。 「ごめんね、色々心配かけて。…朝言ったことは、その…嘘じゃ、ないからさ。好きだよ、異性として。」 「で、でも…っ、マヤ、が、わかんなくてっ…!」 その時、ふと強い熱を感じる。それはトレーナーちゃんの、しっかりとした体の熱だった。ぎゅう、と強く抱きこまれるたび、溢れる涙と感情の言葉が飛び出していく。それをトレーナーちゃんは、肯定しながら優しく背中を撫でてくれた。 「…心配せずとも、マヤノから目を背けたりしないよ。マヤノの気持ちも、受け止める。だから卒業までは、お互いセーブしよう。…ユー、コピー?」 「…アイ、コピーっ…!」 言い終わった後、より一層強く抱き合って、気持ちを交換し合うように熱を擦りつけ合った。それに仄かな、また別のものが宿ったような気も含めて、大人に一歩近づいた。
4 21/09/19(日)00:43:20 No.847502370
URA、WDTと過ぎていけば、もう卒業シーズン。着慣れた制服も今日で終わり、と考えると少しだけ涙腺がもろくなるけど、大人になったと踏ん張ってなんとか耐える。テイオーちゃんもすっかり大人びて、かなり落ち着きを見せていた。 卒業式、証書をもらって壇上を降りる。チラッと見えたところにトレーナーちゃんがいた気がして、いつもの癖で行きそうになるのを必死に抑え込む。つつがなく式は終わって、友達のみんなと色々話してからトレーナーちゃんのいるトレーナー室に向かった。 「お帰り、マヤノ。式、とてもよかったよ。大人、って感じがした。」 褒めてくれたトレーナーちゃんに、様々なことが反駁して我慢していたものが途端に溢れる。抱き着いて、涙で服を汚して、わんわんと子供っぽく。泣き終わるころには、もう子供のアタシはいなかった。 「…ね、トレーナーちゃん。マヤ、大人になれた?」 「ああ、なれたとも。…素敵な女性になったよ、マヤノ。」 「じ、じゃあ…その、きす…とかも…いいの、かな。」 「…マヤノが望むなら、いくらでも。」
5 21/09/19(日)00:43:48 No.847502502
そう言うと、トレーナーちゃんは手を引いてアタシをエスコートしながら、慣れない手つきで顎を寄せて唇を触れ合わせた。映画やドラマで何度も見て、何度も顔を赤くしたそれにゆっくりと絆されていく。体に籠る熱が、いつものものではないと感じながら。 「…えへへ、これでマヤも大人の仲間入り…かな。」 照れくさそうに笑うと、トレーナーちゃんも微笑みを返す。こういうやり取りを重ねて、オトナになるのかなあと考えながら、一人勝手に頷いた。 「…と、そうだ。卒業ついでに成人したマヤノに、ご褒美があるんだ。」 「え?何々、気になる!」 やっぱり、トレーナーちゃんの前だとどうしても子供っぽくなってしまう。ワクワクでトレーナーちゃんの取り出したものを、物欲しげに見つめる。 「特注したんだ、飛行機型の洋酒ケーキ。…もう寮は出たから、近くにある家で食べようかと思ってたんだけど、どうかな。」
6 21/09/19(日)00:44:15 No.847502637
頭を掻くトレーナーちゃんの誘いはとても魅力的で、乗らない手はなかった。即答して腕に絡みつき、そのままゆっくりと夜の道をぶらぶらと歩く。コツコツ、と鳴るトレーナーちゃんの革靴の音が心地よく耳を楽しませて、着くころまで飽きずに話を続けられた。 家の中に通されると、段ボールだらけではあったけどとても広々としたいいところで、ソファに座るとふかふかでいい感触がした。ケーキが目の前に出され、手渡されたフォークを使ってまずは一口。甘さが控え目のちょっとした大人の味が、口の中に広がる。しかしそのあとに襲い掛かった、頭をぐわんと重くするそれにフォークを思わずおいてしまった。 「ど、どうした?大丈夫か?」 心配するトレーナーちゃんを見ると、全身がぐつぐつと煮えた鍋のように沸騰して、頭のコントロールが効かなくなる。次の瞬間には、トレーナーちゃんを押し倒していた。 「…ま、マヤノ?」 「とれーなーちゃんっ、すき、すき、だいすき…まやのこと、もらって…もらって、ください…」
7 21/09/19(日)00:44:42 No.847502764
言葉に感情がこもって、思わず涙がこぼれた。それがトレーナーちゃんの頬にかかり、すうと横にはけていく。覚悟を決めるように目を閉じた後、すぐに開いてトレーナーちゃんはこう言った。 「…ここまでさせて、ごめんな。…ああ、俺もマヤノを貰いたいと思っていたところなんだ。…一緒に、幸せになろう。」 「…うん…!」 抱き合って、愛の言葉を交わす。すると、今まで気になっていたなかった別の熱源を感知した。アタシのレーダーにかかったそれを確認しようとするも、体が固まって言うことを聞かない。 「…と、トレーナーちゃん…こ、れ…は…」 「…ごめん、酔っちゃったマヤノがちょっとキた…」 「…マヤ、のせい、なんだ…」 ごくり、つばを飲み込む。これからされるであろうことを想像するだけで頭が沸騰していくが、昔のようにダウンしたりはしなかった。むしろそれを貰うための、着陸を求める。
8 21/09/19(日)00:45:02 No.847502851
「…じゃあ、マヤノ…に。…着陸、してみる…?」 顔から火が出そうなほど熱く燃え滾らせて、なんとか言葉を口にする。それを受け止めたのか、トレーナーちゃんはいつの間にかアタシの拘束を解いてお姫様抱っこの形で寝室のほうへ向かっていく。 「…なるべく痛くないようにするから。」 その言葉だけで興奮は最高潮に昇り、お互いに息を荒くしていく。寝室に入って、大きなダブルベッドに転がされると、キスをされた。くちゅ、にちゅと音を立てて、糸を作って。お酒が入っていたせいか、一人でするのとはまた違う快楽が体をほとばしる。 「…やさしく、ね…」 それが合図になったのか、トレーナーちゃんにも火が付いたのか、その日の夜は忘れられないものとなった。
9 <a href="mailto:s">21/09/19(日)00:45:34</a> [s] No.847503006
マヤノが大人になってイチャぴょいするシチュを書くつもりが長くなった それはそれとして抜いた
10 21/09/19(日)00:46:37 No.847503290
おい待てェまだお礼を言ってないだろうが ありがとう…
11 21/09/19(日)00:51:41 No.847504671
ウワーッ!?
12 21/09/19(日)00:52:21 No.847504837
卒業イチャぴょい良い…
13 21/09/19(日)00:57:05 No.847506053
卒業までよく耐えたなトレーナーちゃん それはそれとして卒業後即押さえてた分もイチャつくシチュ好き
14 21/09/19(日)00:58:16 No.847506353
すごくいいねこれ!その場の勢いに流されず卒業まで待ち続けたところに お互いへの想いが本物なんだなって分かる だからこそその後の二人だけの時間がすごく甘くて優しい…
15 21/09/19(日)00:59:44 No.847506728
よくお互い耐えたわ…特にトレーナーちゃんがやばかったことはきっと一度や二度ではないだろう
16 21/09/19(日)01:03:31 No.847507681
ちゃんと結ばれてるマヤ文書はまだまだ少ないからもっと普及すべき
17 21/09/19(日)01:05:31 No.847508318
いいねえ卒業直後に第二の卒業
18 21/09/19(日)01:11:37 No.847510204
担当を女性として扱いながらもキチンと卒業まで待つ これこそまさしく一流のトレーナー
19 21/09/19(日)01:21:37 No.847513012
卒業まで我慢した分を卒業した直後にドロドロ甘々なうまぴょいで吐き出す話はいろんなウマ娘でやって欲しいな...
20 21/09/19(日)01:23:19 No.847513443
ダスカのと同じ人かな? とてもありがたい…
21 21/09/19(日)01:43:45 No.847518631
よく我慢できるな…
22 21/09/19(日)01:44:38 No.847518828
こういうのは我慢したほうが燃えるものだしね…
23 21/09/19(日)01:50:00 No.847520116
本当に相手のことを想うなら我慢するのが普通じゃないのか…?