虹裏img歴史資料館

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21/09/19(日)00:32:17 「はあ…... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1631979137556.jpg 21/09/19(日)00:32:17 No.847499085

「はあ……」  どすん、ぎしい。清潔さを維持されたマットレスと敷布団から、僅かばかりの埃が舞い散る。悲鳴を上げる骨組みをよそに、もう一度大きく、はあ。全く、我ながら嫌になる。止められないものは仕方ないが、今日いくつめの溜め息になるだろうか。数えるのもバカらしく思えるほどの回数になるだろうが、カウントし始めたらきりが無くなるのは目に見えている。一、二と数えてその都度加算される一か二。溜め息の数は寝しなに羊の群れを数えるのとは違う。無駄なことはしたくない。なるべく何も考えないようにしながら、私は枕へと顔を埋めた。  トレーニングが終わって間もなく。部屋着に着替える余裕もなく。私は自室のベッドに倒れ込んでいる。疲れきった、今日は特に。これほどまでに疲れている理由? 言葉にするのもおこがましいような理由ならいくつかある。疲労がピークに達した、故に冷静さを欠いていた、気遣いを兼ねたスキンシップにあらぬ妄想を抱いてしまった。羅列したいくつかを要約すると、理性のタガによる我慢が効かなくなりかけた。ただそれだけの単純な話だ。

1 21/09/19(日)00:33:20 No.847499412

「どうしたらいいのよ、ねえ」  恨み言を呟けども、答えてくれるひとはここにはいない。私だけしかいないこの部屋は、孤独で寂しくも居心地が良くて、さながら赤ん坊のために設えられた揺りかごのようだ。ここでなら何もかもが許容される。いくらぐずっても独り言ちても誰も気に留めやしない。好きなだけ、私は私を失くすことができる。カレンさんが部屋にいない今、ただ今だけは、そう。好きなだけ、愚痴を吐ける。 「ばか、ばかばか、ばかトレーナー……」  トレーナーは私のことをアヤと呼ぶ。二人きりの時はベガとまで呼ぶ。いわくアヤベでは名字のようだし、三文字よりも二文字の方が耳心地が良いと言う。だが、私としては気が気でないというのが事実だ。  アヤ。そう呼ばれる分にはいい。心臓が早鐘を打つのは変わらないが、親しい友人や親族によく呼ばれるから、私なりに多少の気構えが出来ている。

2 21/09/19(日)00:34:09 No.847499667

ベガ。そう呼ばれるのがとてつもなく嬉しくて、たまらなく苦しい。薄くグロスの乗った唇で、下からたった二文字の蜜のようなそれを、あの人はこともなげにはためかす。溌剌に、快活に。時折慈しむように。星を冠した私の名前を吐息に乗せて届けられたとき。猛烈な勢いでうなじから頭の天辺へと血液が登り詰め、痺れるようなきらめきともたれるような幸福が、背中から全身へと波及していく。 「そんなの……」  いけないと分かっていても抗えない。ベガの響きからあらぬ未来を思い描いてしまう。時間の無駄だと理解しているのに、あの人が私のアルタイルと成ってくれるだろうことを夢想してしまう。  けれど所詮、夢は夢。  土台無理なのよ、そんなの。  だって、何故なら、私のトレーナーは。  女性、なのだから。  また、私の手元から幸福が逃げ去っていく。溜め息のカウントは幾つになってしまっただろう。考えないようにしていたはずのものを、考えようとしてしまうのはきっと、私に『欲』があるからだと思う。

3 21/09/19(日)00:35:00 No.847499905

 本当に、どうしてここまで好きになったのか。多分答えは無いも同じだ。納得できるような理由を躍起になって探しても、結局見つからないままいつものように終わりを迎える。人を好きになることに理由はいらない。ドラマや小説にお約束の甘ったるい嘯きは、やはり全くの欺瞞に他ならない。毎晩毎夜、寝る前に少し考えて。ようやく出した結論だと言うのに。この答えは偽りでしかない。矛盾と齟齬が山のように積もり過ぎて、間違いないとは絶対に言えやしない。 「やだ……」  嫌、だ。  認めたく、ない。  ああ、やはり。私は脆くか弱いウマ娘だ。真偽のほどはその実関係なく、私にとっての夢幻が成ればいいのにと心底から願ってしまう。分不相応な望みと分かっているからこそ、絶え間ない逢瀬を求めてしまう。 「トレー……ナー……」  望みを告げられないのなら、押し倒せないのなら、抗い難い吐き気とやるせなさに耐えるぐらいなら。生臭い感情を発散するために、自らを慰める自分を潔く受け入れてしまえ。そう、私の中の何かが囁く。

4 21/09/19(日)00:35:47 No.847500163

 悪魔とも天使ともつかない口振りに私は抗えはしない。性なのだ、これは。言葉や態度では反発してもその実、父兄に向けるそれとは違う期待を彼女に寄せてしまう。甘言に乗せられた腕が動く。勝手に、半自動的に。いつものように、禁忌を、犯す。 「んっ……」  身体のおさまりがうまくつけられない。誤魔化して、見ないふりして。結局、頭頂部を通り過ぎた籠もる熱は澱むように下腹部に集まって、最早言う事を聞かないまでに成長してしまった。壁を向いて寝そべったまま腰をずらすようにショーツを下ろす。太ももあたりに留め置いた、飾り気のないダークグレーの布地を見て更にげんなりしてしまう。 「いやだわ、もう……濡れてる……」  じっとりと湿ったクロッチ部分には、明らかにいつもだ。いつも、こうだ。思い焦がれるだけの、ただそれだけの恋慕で、私の身体はあからさまに変転する。ああ、お酒でも飲めれば。少しは状況が変わりそうなのに。身体の熱に言い訳ができるのに。未成年の私が選択できるものなんて限りなく少ない。だからこれは仕方のない行為、なのだと。自分に言い聞かせて手を、動かした。 「あっ……」

5 21/09/19(日)00:37:07 No.847500584

 ひたり、と。なるべく音を出さぬように、そして痛みを感じないように努めて優しく。産毛と言うには固すぎる黒い毛の張った秘部へ、縦の線をなぞるように指を這わせていく。指先に絡み付く粘性の高い感触に昂ぶるほどの何かは無い。寧ろほとほと呆れてしまう、自分の肉体のままならなさに。 「んっ……う、うん……んっ、んっ、うぅ……」  惨めだ、空しい。それでも指を動かすのを止められない。枕に顔を埋めたまま、火照りを鎮めるため陰核を中心に秘部へ刺激を与えていく。  つぷり、入っていく、音。聞こえて欲しく無いものまで拾ってしまうのは私たちの悪いところだと思う。獣のように性を貪るのは怖いから、指は一本、たったそれだけ。それも第一関節が埋もれるかどうか。そんな浅いところばかりしか?き回せない。浅く、生温く、いやに甘い。故に快感は緩く長く続いてしまう。慰めを一瞬のうちに終わらせられるようなアクセントはいつだって足りていない。  何故?  理性を留めたいと願うがゆえに、快楽に浸るのをひどく恐れているから? 「んっ、んー……あっ、ぅうんっ……」

6 21/09/19(日)00:38:23 No.847500962

 確かにそれもあるだろうけど、これは決して逃げるための一手ではない。慰めという活動は罪なのだ、こと私にとっては。秘部を弄り、指先を蜜に濡らし、細く頼りない正気の糸を、引きちぎらないよう努めて気を配りながら。気が狂いそうになるこの長い時間を身を持って味わうことこそが、私にとっての贖罪足り得ると勝手に密かに思っている。だから、かき混ぜる。これは仕方のない行為なんだ。布団の端を囓るぐらいじゃ堪えられない。薄く毛の張った『そこ』は、そのために。罪を受け入れ赦すために、掻痒感を伴いながら熱く鈍く、脈打っているのだから。  私の細い人差し指にゆっくりと、もたつくような温みが増していく。粘り気のある水っぽい音が、私の恥ずかしさなど気にも止めずに室内へ響く。ぴち、くち、くちゅり。イヤ、聴きたくない、のに。思えば思うほど快感は跳ね上がり、水音は大きさを増していく。指は動くのを止めてはくれないし、下半身と心の疼きも比例するように高まっていって、まるで呼応しているかのようだった。

7 21/09/19(日)00:39:20 No.847501238

 いま、私にできる唯一の抵抗。それは、啜り泣くようにか細く、弱々しい喘ぎ声。快感に身を任せて嬌声を上げるのは、彼女を性的に見ていることを肯定してしまうのに同義だから。絶対に最後のラインは踏み外さない。私は、アドマイヤベガは、欲になんて屈しない。何より、私は。切磋琢磨するために育まれたこの関係を、汚したくない。 「うぅー……あっ、い、くっ……んっ」  汚したくない? 嘘を言え。 「うっ、あ、あぁ……」  自慰に耽る私を鏡で見たとき、私は同じ妄言を吐かせるのか? 「ちが、う、んっ、あ……」  本当は誰よりも欲しいくせに。 「ん、うんっ、あ、あぅ……!」  本当は誰よりも独占したいくせに。 「んっ、んっ、あっ、んん~……」  心深くまで絡み付くこの情欲を、あの人でなかったことにしたいくせに。 「やっ、あっ、あ、んあっ……!」  うそ。うそばっかり。 「トレっ……! トレー、ナーっ、あっ、ああっ!!!」

8 21/09/19(日)00:40:02 No.847501451

 わたしの、うそつき。 「んっ! んんーっ! んーっ、ん、あっ、ああ、ん、は、あ……ああ……」  膣壁の浅いところに、爪で弾くような刺激を与えて自分を絶頂へ導く。お淑やかな呼吸の仕方なんか忘れて、はあはあと荒く息を吐いた。成果を確かめたい訳ではないが、手持ち無沙汰だったので性器を弄っていた手のひらを顔の間近へと持ってきた。指先にまとわりつくのはわずかに縮れた陰毛と、てらてら光る私の愛液に他ならない。快感の証、興奮の証左。見れば見るほど心と子宮がずくんと震える。はあ、なんて汚らしい。私はMじゃないから、直視したくもないものだ。それに変に臭うし有り体に言って不潔だ。さっさと拭き取ってしまおう。『する』前と同じ色合いの溜め息を吐いてから、枕元のティッシュ箱に手を伸ばそうとしたとき、 「ア~ヤベさんっ」  不意に、聞こえるはずのない声がほど近くからした。

9 21/09/19(日)00:41:48 No.847501932

「えっ……!?」 「み~ちゃった。アヤベさんの、えっちなところ」  声に気づいて咄嗟に布団で股間を隠す。  まさか。気付いていなかったなんてそんな。 「カ、カレンさん……?!」 「ふふ、隠しても意味ないですよ? かわいいおしりが丸見えですもん」  かあっと頬が熱くなっていく。慌てつつもお尻に布団が掛かるようしっかり広げ、二度と醜態を晒さずに済むように、壁へともたれかかるようにしてカレンさんの方へと向き直った。  恥ずかしさから目線を逸らそうとしたが、カレンさんの顔は私の瞳にずっと映り込んでいた。窓の方を見ても、天井を見上げても、壁を見ても、扉に向かえども。カレンさんはにこにことした表情を湛えたまま私の視界に入り込み続ける。傍から見ればバカらしく思えるような動きで、彼女は私の世界で主張をし続ける。 「ね、アヤベさん」 「……何」 「あはは、そんなつっけんどんにしなくても。ふふ、一つ提案があるんです。一回しか言いませんからしっかり聞いててくださいね?」 「勿体ぶらないで……早く」 「カレンがお手伝い、しましょうか?」 「は……?」

10 21/09/19(日)00:42:37 No.847502161

 あまりにも寝耳に水というか、どうにも荒唐無稽な提案過ぎた。私から漏れ出たのは眉根を顰める懐疑の声音。しかしカレンさんはそんなもの気にも止めず、語られるべき「本題」を口にしていく。 「だって、押し倒しちゃったりしたら困るのはアヤベさんでしょ? それに、カレンはちゃーんと黙ってるし、というかアヤベさんが『そう』だって知っちゃったし……だからね、変な話かもしれないけど、欲求不満をすぱーっと解決できるのはカレンだけだなーって思うんだ」 「体格も、似てるし……?」 「そ! うふふっ、流石アヤベさん物分りがとっても早いっ!」  私が言葉を口にした瞬間、彼女のスキンシップが苛烈なものへと転じた。布団越しに触られた太ももが、不思議な熱を帯び始める。熱いような、血の気が引くような。秘部にほど近い内股を、何か、焦れたように何かが伝う。失禁? まさか。高鳴る心臓は答えを知っている。肩口に触れる手の温みを、背中に触れた柔らかな双丘の熱量を、私の胸元でちらつく、細くたおやかで艶と張りのある両の指を。

11 21/09/19(日)00:43:11 No.847502328

「強がっちゃ、だめです」  断るべきか、受け入れるべきか。 「もう、ガマンも限界……でしょ?」  考えるまでもない。いや、そもそも考えられるような正気の範疇にない。  カレンさんに包まれるように抱かれた時点で、私に取れる選択などありはしない。 「ふふ……さあ、しんこきゅ~う……」  カレンさんの囁きに従って息を大きく吸い込んで、吐く。そしてゆっくり全身の力を抜き、壁を背にしたカレンさんに身体を預けた。身の丈はほとんど変わらないはずなのに、カレンさんの身体は不思議な抱擁感に包まれていた。まるで等身大サイズのテディベアに抱かれているような、柔らかみと温もりに加えて安心感までもがあった。  けれど、安心感に浸れたのもそこまで。私たちのニオイが、変わる、変わって、今。変わった。捕食するものとされるもの、その区分けがいま済んだ。これから私は彼女に裁かれ、完膚なきまでに蹂躙される。閉じ切られたドアを見つめたまま、息をするのも忘れて待った。罪深い私は、快楽に浸るための裁定を。カレンさんは私をヒトからケダモノに変えるための確実な機会を、待っていた。

12 21/09/19(日)00:44:01 No.847502574

ウワーッ!

13 21/09/19(日)00:44:39 No.847502747

「じゃ、いきますよ~……」  ふう、ひと息。耳元を撫ぜる吐息と囁き。生暖かいまま鼓膜に響くのは、私を解放する祝詞。言葉と吐息は磨き抜かれたジェードの煌めきを持ち得たまま私の奥底へと届き、どくん、と子宮を疼かせる。 「いーっぱい、気持ちよくして……あげますねっ」  私の秘部に向かってカレンさんの指先が這う。 「だいすきな、アヤベさんのために」  鼠径部を伝い、陰毛の上をなぞり、はしたなく露を滴らせる陰部へと、指先が沿う。 「あなたの、トレーナーさんの、かわりに」  私は、この選択をして良かったのだろうか。  最早、誰にも分からない。私に出来るのは、カレンさんが与えてくれる有償の愛をただ受け入れるだけ。色狂いの織姫星として、彦星たちが与える愛を快楽のままに受け入れるだけ。はあ。先程とは色合いの違う、熱のこもった溜め息が漏れ出たのはきっと、流されるだけのバカな私を嘲笑うためのものに違いないと、そう思えた。

14 <a href="mailto:s">21/09/19(日)00:46:45</a> [s] No.847503335

カレンはこんなこと言わねえ~~~! 最近のえっちなアヤベさんに触発されて書きました 誤字脱字や齟齬はご容赦下せえ!

15 21/09/19(日)00:46:57 No.847503401

これは…インモラル代替愛…

16 21/09/19(日)00:48:50 No.847503916

おっと~?

17 21/09/19(日)00:51:05 No.847504511

たぶんカレンチャンはまともに相談聞いてくれる それはそれとしてこれをできるくらいの魔性は当然ある

18 21/09/19(日)01:02:30 No.847507417

倒錯している…

19 21/09/19(日)01:19:50 No.847512479

すごくねちゃねちゃしてる…

20 21/09/19(日)01:21:04 No.847512850

だがそれがいい

21 <a href="mailto:s">21/09/19(日)01:22:19</a> [s] No.847513181

読んでいただき感謝… くんずほぐれつとか3P展開とか考えたけど力尽きた えっちなのコンスタントに書ける人たちはすごいなあ…

22 21/09/19(日)01:22:38 No.847513262

湿度が高すぎる…

23 21/09/19(日)01:27:45 No.847514660

すごいじっとりしてて良かった

24 21/09/19(日)01:30:59 No.847515408

> 確かにそれもあるだろうけど、これは決して逃げるための一手ではない。慰めという活動は罪なのだ、こと私にとっては。秘部を弄り、指先を蜜に濡らし、細く頼りない正気の糸を、引きちぎらないよう努めて気を配りながら。気が狂いそうになるこの長い時間を身を持って味わうことこそが、私にとっての贖罪足り得ると勝手に密かに思っている。だから、かき混ぜる。これは仕方のない行為なんだ。布団の端を囓るぐらいじゃ堪えられない。薄く毛の張った『そこ』は、そのために。罪を受け入れ赦すために、掻痒感を伴いながら熱く鈍く、脈打っているのだから。 > 私の細い人差し指にゆっくりと、もたつくような温みが増していく。粘り気のある水っぽい音が、私の恥ずかしさなど気にも止めずに室内へ響く。ぴち、くち、くちゅり。イヤ、聴きたくない、のに。思えば思うほど快感は跳ね上がり、水音は大きさを増していく。指は動くのを止めてはくれないし、下半身と心の疼きも比例するように高まっていって、まるで呼応しているかのようだった。 この変の読んでて息苦しい…

25 21/09/19(日)01:31:34 No.847515558

いい...いいアヤベさんだ

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