21/08/24(火)22:52:09 ※捏造、... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1629813129651.jpg 21/08/24(火)22:52:09 No.838813789
※捏造、多 こんにちは、ジャスタウェイです。 皆様は『産みの親』と『ソウルの親』と言う物をご存知でしょうか。20年ほど前、まだウマムスコンドリアの研究が深く進んでいない頃見付けられた事柄だそうです。 母親がウマ娘である事を除いて、一件他人同士のウマ娘だとしても、ウマムスコンドリアの因子を調べる事によって、お互いの血脈が判明する事があるとか。その他にも、無意識的に相手に深い接触を試みようとするのもまた、近親のウマソウルを持つ証拠なのだとか。良い例としてタキオン女史とスカーレット女史が挙げられます。彼女らのウマソウルの関係は親子だそうな。 そして、我が友シップと、キンイロリョテイ女史も親子の関係だと言います。キンイロリョテイ女史の周囲に居るウマ娘はよく彼女のことを『オヤジ』と言うのはそう言う事だったのでしょう。
1 21/08/24(火)22:52:51 No.838814114
では、我が友シップの母親は…? 私は何とは無しに呟いた事があります。その時のシップの顔は酷く重々しく、嗚呼地雷を踏んでしまったかな。と後悔しました。然し… 「…話さねえのも良くないしな。うし…行くか、ジャスタ」 シップがそう言うと私は彼女に手を引かれ、キンイロ組のビルディングを後にするのでした。道中、花屋に立ち寄りヘピリカムの束を包んで貰うと、私達は電車に乗るのでした。 「此れだけは一つだけハッキリ言わせて貰う。アタシの母方の家系は国家機密レベルの秘密に成ってる。だから、アタシのかーちゃんとは『かーちゃん個人』として接して欲しい」 「…そんなにも、おおそれた事が…?」 私がそう言うと我が友はヤレヤレと肩を回しました。
2 21/08/24(火)22:53:22 No.838814344
「あるんだよ、此れが…なぁジャスタ。以前小さな屋敷に招いただろ。アタシの家だーっつって。アレな。アタシの血脈の結果の名残らしいんだわ。オヤジ曰く…」 私は吃驚しました。確かに我が友シップはヤンチャで破天荒ですが、真面目な時の所作はお嬢様の其れですし、良く多芸である事を差し引いてもテーブルマナーや社交ダンス、ピアノの演奏等々まで熟します。 「…まぁ、アタシのかーちゃん、何て言えば良いんだろうな。血筋と性質だけで『繋がり』を選ばれた臭くてさ…オヤジもそのデリケートな事気にしてるし、当人のかーちゃんも無口な方で神経質だし、さ」 …脚も怪我しちまったしな…と、ポツリと呟くシップの横顔は、切なそうでした。 やがて、少し寂れた港町に辿り着くと、我が友シップは分かり切ってると言わんばかりに波止場へと歩き、日傘を差して舫い杭に腰掛け、パタパタと脚を揺らしながら唄を歌い、忙しなく尻尾を振り続けるウマ娘が居ました。
3 21/08/24(火)22:53:49 No.838814529
「おっす、かーちゃん。元気してっか。今日はアタシのダチを紹介しに来たんだ」 その声を聞いた瞬間、ピタリと歌うのも、脚をパタつかせるのも止めて、芦毛の少女はこちらに振り向きました。顔立ちも芦毛の色合いもまた、シップと良く似ていらっしゃいました。 「ジャスタウェイと申します」 「いらっしゃい、お客人…。また、会いに来てくれたのですか。ゴールドシップ」 彼女は尻尾を揺らすのを止めず、指先でクリクリと髪を絡ませるなど、神経質さがよく目立ちました。 「『親』に会いに来たら駄目か?」 「…勝利に恵まれなかったウマ娘に何の価値がありましょう」 「寂しい事言うなよ。オヤジも何時も心配してっぞ」 そう言うと我が友はヘピリカムの花束を渡しました。
4 21/08/24(火)22:54:13 No.838814694
「…ヘピリカム…きらめき、哀しみは続かない…相変わらず貴女は、私に立てと言うのですね…」 「娘の我が儘聞いてくれたって良いじゃねえか。もう脚治ってるんだろ。だったら原っぱを軽く駆けっこしようぜ」 「…人生は、私達が期待するものを私達に与える義務はないのよ。ゴールドシップ…」 「生命のあるかぎり、希望はあるものだ。アタシ達ウマ娘のウマ生はそーゆーもんだろ」 「……もう行って」 小さな、震える声で呟いた彼女はクルリと日傘を向けて波止場の岬へと歩き始めました。 「手紙くらい寄越せよなー!」 そう叫ぶと、我が友シップはクルリと彼女から背を向けました。 「えっと…良いのですか? あの様な遣り取りで」 「良いんだよ。今日は喋ってる方だったしな…嗚呼見えてアタシのかーちゃん、知り合った頃にはよく面倒見てくれたんだぜ」
5 21/08/24(火)22:54:34 No.838814850
背筋を伸ばし、シップは欠伸を零しました。 「…ウマソウルも良い事ばかりじゃねぇよなぁ…悲しい呪縛が解き放たられたら良いのに」 「そう、ですね…」 私は力無く呟くのでした。 「…あんだよ。俯くの止めろよ。前見て歩けば悪い物も見るけど良い物を見る事も出来ねえんだぞ」 私はシップに背中を軽く叩かれ、力を入れて貰いました。そして不意にフフフ…と笑いが込み上げてくるのです。 「今の私はアンシャンテです。(貴女と出会えて良かった)」 「それならアタシはヘリオトロープだな。(愛よ永遠なれ)」 クスクスと笑いながら港町を後にする私達の背後には、心地良い潮風が吹いていました。 …三女神様、少しでも多くのウマ生に良い風を届けて下さいませ
6 21/08/24(火)22:57:59 No.838816230
尾終い 如何にかしてシップのお母様のウマソウルを顕現させようとこねてみた次第です 情報が殆ど無いのと神経質だった、と言うお話、そして脚を怪我したとの僅かなニュースを元に レースを退いてから己の身に降り掛かった事柄にナーバスに成ってしまったウマ娘、と言う形になりました 駄文、失礼しました
7 21/08/24(火)23:01:16 No.838817488
ゴルシかーちゃん二人そろって小太りのおっちゃんに縁がありそうだな…
8 21/08/24(火)23:05:53 No.838819174
>ゴルシかーちゃん二人そろって小太りのおっちゃんに縁がありそうだな… こぶとりのおっちゃん、昔はジョッキーやったんやってな
9 21/08/24(火)23:18:09 No.838823801
シップのお母様と言うと体格の話ぐらいしか知りませんね…
10 21/08/24(火)23:21:19 No.838825061
体が(シップと比べて)固かった、と言うお話もあったそうな
11 画像ファイル名:1629815998939.png 21/08/24(火)23:39:58 No.838832294
>やがて、少し寂れた港町に辿り着くと、我が友シップは分かり切ってると言わんばかりに波止場へと歩き、日傘を差して舫い杭に腰掛け、パタパタと脚を揺らしながら唄を歌い、忙しなく尻尾を振り続けるウマ娘が居ました。
12 21/08/24(火)23:41:34 No.838832940
>>やがて、少し寂れた港町に辿り着くと、我が友シップは分かり切ってると言わんばかりに波止場へと歩き、日傘を差して舫い杭に腰掛け、パタパタと脚を揺らしながら唄を歌い、忙しなく尻尾を振り続けるウマ娘が居ました。 挿絵、とても助かる シップ似の美人な横顔…
13 21/08/24(火)23:48:00 No.838835363
ポイントフラッグさんにも救済があるといいですね…