21/07/25(日)01:22:00 4月下旬... のスレッド詳細
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21/07/25(日)01:22:00 No.827211415
4月下旬。ある日の朝。トレセン学園の天に晴れ渡る青空が広がっている。 若き女性トレーナーは校門からその空を、すがすがしい気持ちで眺めていた。 昨日ようやく担当ウマ娘を持てた彼女。ようやく始まるトレーナーとしての第一歩。それに思いを委ねると、いつものトレセン学園が彼女の目には輝いて見えた。 「よっし!がんばるぞ!!!」 校門前でつい声を上げてしまう彼女。その右手は自然と空に掲げられていた。 彼女の声に驚いたように登校するウマ娘達の視線が彼女に集まる。 途端、自分のやったことに気づき、急に恥ずかしさを覚え、顔を真っ赤にして身を縮ませる新人トレーナーなのだった。
1 21/07/25(日)01:22:15 No.827211508
夕方になり、トレセン学園の授業が終わる。ここからは各個別のトレーナーとの練習の時間である。 どこか、そわそわとした気持ちを抱えながらトレーナーは自分の部屋で背筋を伸ばして待機していた。これから自分のトレーナーとしての初仕事が始まるとなると、何をすることはなくても居ても立ってもいられない気持ちが湧き上がってくる。 そんな中、トレーナー室のドアが開いた。 そこに現れたのは大きなツインテールをしたウマ娘。昨日自分と一緒に歩むことを選択してくれた、金色の瞳をした彼女、マーベラスサンデー。 「トレーナーさん☆こんにちは☆」 部屋に入ってきてそう挨拶をする彼女に 「マーベラスサンデーさん、こんにちは」 と、トレーナーも返す。 「今日から宜しくお願いします」 「こちらこそ☆」 お互い頭を下げ合うと、二人の顔が合う。 トレーナーはどこか恥ずかしそうな顔をしていたが、マーベラスサンデーの表情は、いつもの天真爛漫なものだった。
2 21/07/25(日)01:22:48 No.827211699
トレーナー室を出た二人はそのまま練習場に向かう。 「今日はどんな練習をするの?」 そう問うマーベラスサンデーに対して 「初めての練習ですし、まずは軽く走ってもらおうかと思っています」 と、トレーナーは応えた。 そして練習が始まる。 軽く準備運動をして、最初に芝1600mの右回り、そして左回り。続いて芝2000mの右回り、そして左回り。 特にマーベラスサンデーはバテることなく走り、その一方で、トレーナーはただその走りを見るだけでなく、クリップボードにひたすらに何かを書き留めていた。
3 21/07/25(日)01:24:26 No.827212244
いくらか走っているうちに、すっかり日が落ちる。 「マーベラスサンデーさん。初日お疲れ様でした!」 夕暮れに染まるターフの上で、トレーナーは笑顔でタオルを差しだした。 「うん☆今日はこれでおしまいなの?」 タオルを受け取り、汗を拭きながら、マーベラスサンデーはそう問い返す。 「そうですね、また明日頑張りましょう」 「うん☆マーベラース☆」 二人は会話を交し、練習場を後にする。 「じゃ☆トレーナーさーん☆また明日☆」 「はい!明日もお願いします!」 寮へと帰るマーベラスサンデーは、トレーナーに向かって元気いっぱいに手を振っていた。 その姿を見て (あぁ、本当にトレーナーになれたんだな) と余韻に襲われる新人トレーナー。空に輝く星々を見て、明日も頑張ろうと心をきらめかせるのだった。
4 21/07/25(日)01:24:46 No.827212344
5月下旬になった。クラシック真っ盛りの時期でもあるせいか、トレセン学園にも俄に緊張感と活気が渦巻いている。 そんなある日の午前中。駿川たづなは、あるトレーナーに呼ばれて、トレーナー室へと向かっていた。 呼んできたのは4月にマーベラスサンデーというウマ娘を紹介した、新人の若い女性トレーナー。一体どんな用事なんだろう、と、頭をひねらせ、彼女のトレーナー室へ歩みを進める。 トレーナー室をノックして 「失礼します」 と声を掛けると 「どうぞ」 と短い返事がすぐに返ってきた。 たづながドアを開くと、彼女の目に入ってきたのは、机から両手をついて立ち上がり、不安そうな涙目を浮かべるトレーナーの姿だった。どうやら何か深刻な相談事があるようである。 「どうしました、トレーナーさん」 部屋に入り、そうたづなが声をかけると 「たづなさぁん・・・」 か細い声をして、トレーナーが歩み寄ってきた。 たづなは彼女を落ち着かせてソファに座らせ、弱々しい新人トレーナーの相談に乗ることにしたのだった。
5 21/07/25(日)01:25:35 No.827212653
話を聞けばこうである。 ある日のこと。 「今日はスピードを中心に鍛えてみましょう」 トレーナーがそう提案すると 「マーベラース☆」 マーベラスサンデーはそのトレーニングを忠実にこなした。 また別のある日のこと。 「今日はスタミナを中心に鍛えてみましょう」 そうトレーナーが方針を出すと 「マーベラース☆」 とこの日も真面目にトレーニングをこなした。
6 21/07/25(日)01:25:54 No.827212747
続き来たn?
7 21/07/25(日)01:26:07 No.827212817
さらに 「今日はパワーを中心に鍛えてみましょう」 とトレーナーが言うと 「マーベラース☆」 特にそつなくマーベラスサンデーはトレーニングを遂行した。 別におかしな所はないように思える、いい関係のように思えたが 「わかんないんです・・・」 と頭を悩ませるのは彼女のトレーナーだった。 「どう、彼女を育てればいいのか、わかんないんです・・・」 ぐったりとうなだれるように、トレーナーは話す。 「何を言っても、マーベラスサンデーさんはちゃんとトレーニングをしてくれます・・・。でもこのままでいいのか、何を目指せばいいのかさっぱりわかんないんです」 目指すもの。それは割と決まっていることである。 まずは一勝。メイクデビューで勝ち上がること。それが当面の目標ではあるが、この若きトレーナーは、そこへ至るまでの道筋が完全に立てれていないようだった。
8 21/07/25(日)01:26:25 No.827212909
「メイクデビューは9月くらいですから・・・。落ち着いてトレーニングをすればいいと思いますよ」 そうたづなが優しく声を掛けるが 「・・・怖いんです、私」 と、新人トレーナーは不安を口にした。 「だって、マーベラスサンデーさんは、私を信じてトレーニングに打ち込んでくれてるんです。私はあの子の貴重な競技生活を預かってるんです。だから、ちゃんとメイクデビューで勝てるように育ててあげないと・・・。私があの子の競技生活を・・・」 ダメにするかもしれない、そう口に出しかけて、トレーナーは口をつぐんだ。その最悪の未来を思い浮かべ、それを受け入れられるほど、彼女の心は強くはなかった。 「なるほど・・・」 たづなはそう言い、目の前のトレーナーを見る。 これは少し、一人だと辛そうだ、どうにかしないとな、と思い 「それでは・・・、ベテラントレーナーさんに話を聞いてみましょうか」 と、彼女に声を掛けるのだった。
9 21/07/25(日)01:26:47 No.827212999
次の日。 マーベラスサンデーにトレーニングは休みだと言ったトレーナーは、一人である場所に向かっていた。 そこはあるベテラントレーナーの練習場だった。たづなから紹介されたトレーナーがそこにいる。 「育成に不安を覚えたのでしたら、先輩を頼るのが一番だと思いますよ」 そう言われ、向かった先の光景を見て、彼女は眼を輝かせた。 ターフの上で走るウマ娘達。その数は一人ではなく、7-8人はいるだろうか。皆が皆、統率された動きをとり、練習に真剣に取り組んでいる。 「すごい・・・」 と、光景に見とれている最中、 「あぁ、貴方ね。たづなさんから話は聞いているわ。はじめまして」 と、と近寄ってきたのは、眼鏡を掛けた優しそうな女性だった。年格好は50台だろうか、目尻にしわが寄っている。 「は!はじめまして!宜しくお願いします!」 背筋を伸ばして頭をさげる新人トレーナーに、はいはい、と優しく彼女は頷いた。
10 21/07/25(日)01:27:16 No.827213123
「早速だけど、時計は取ってある?」 「え?」 「タイムのこと。トレーナーになる前に習ったでしょ?」 「あ、はい!」 そう言われトレーナーは鞄の中からクリップボードを取り出し、ベテラントレーナーに差し出した。 その記録を見た途端、優しそうな眼が鋭く変わる。 「これ・・・芝2000mの時計?」 「はい」 彼女が返事をしても、ベテラントレーナーは何も応えなかった。 「何か、おかしな所でも・・・」 と、遠慮気味に聞く彼女に 「いえいえ・・・」 とにこやかにベテラントレーナーは微笑んだ。 要点はつかめていないにしても、記録を一生懸命に取っていることに感心した彼女である。
11 21/07/25(日)01:27:50 No.827213282
どうやら、道筋が描けていないのは本当のようね、と頭の中で思うと 「まず、そうね。トレーナーとして一番大事なことは、その子の特性を見抜くこと、かしら」 と語り出した。 「何が得意で、何が苦手なのか。どんな長所があって、短所は何か。それを把握することが一番大事ね」 「はい!」 その言葉に真剣な面持ちで応えるトレーナー。 「それと・・・得意分野を伸ばした方が、ウマ娘は大成しやすい、って私は考えてるの」 「得意分野ですか」 「そう、あの子みたいに」 あの子、と言われて、ベテラントレーナーの差した指先 そこには 「ちょわーー!!!!」 ターフの上を全力全開で駆けて行くポニーテールのウマ娘の姿があった。
12 21/07/25(日)01:28:26 No.827213459
誰もが知っているウマ娘。短距離・スプリントの絶対覇者。彼女の名は 「サクラバクシンオー・・・」 初めて目の前で見たスプリントの頂点を眼にし、少しトレーナーの心が躍った。 「あの子の武器は絶対的なスピード。その代わり、中長距離になると分が悪いわね。スタミナが無いわけじゃないんだけど。不思議よね」 そして、優しそうに笑う、目の前の女性が、サクラバクシンオーを育てたという事実にも心打たれる。 自分の名前を呼ばれた事に気づいたのか、サクラバクシンオーが彼女たちの元に駆け寄ってきた。 「どうしましたか!?トレーナーさん!!!この学級委員長の私に何か用でも!!??」 眼の中の桜を輝かせ、元気いっぱいにサクラバクシンオーは話す。
13 21/07/25(日)01:28:58 No.827213612
「ううん、ごめんねバクシンオー。優等生の貴方に頼み事があって」 「はいっ!!!何でしょう!!!」 「ちょっと私、このトレーナーさんと打合せをしてるの。面倒見のいい貴方に、後輩の指導をお願いしたいんだけど、頼める?」 「はいっ!!!分かりました!!!この優等生の私にお任せ下さい!!!!!」 そう応えると、短距離・マイル路線のウマ娘の方へ駆けていくサクラバクシンオー。 (テレビで見るのと本当に変わらないんだな・・・) 若いトレーナーは、初めて目にするサクラバクシンオーを見てそう思った。 少し緊張感がほぐれたみたいね、とベテラントレーナーは思い 「まぁ、貴方は一人しか受け持っていないし・・・。ウマ娘の特性を見抜くには、ちょっと時間がかかるかしら」 と、言葉を続けた。 「はい・・・」
14 21/07/25(日)01:29:49 No.827213843
途端、しょげたように頭を下げる新人トレーナーを見て、ふふっと笑い、 「良ければ、一緒にトレーニングしてみる?」 と、ベテラントレーナーは提案するのだった。 「え?」 ぽかんと口をあけて、新人トレーナーはその提案を、あっけにとられたかのように聞いていた。 こんな話を私は読みたい 文章の距離適性があっていないのでこれにて失礼する 昨日の fu189770.txt
15 21/07/25(日)01:31:24 No.827214322
おい待てェ、失礼するんじゃねェ 続きがスーッと書かれてこれは、ありがたい…
16 21/07/25(日)01:34:30 No.827215151
おい待てェ、失礼するんじゃねェ どう見ても距離適性Sじゃねえか
17 21/07/25(日)01:35:48 No.827215514
マ マ マ マ マ マ
18 21/07/25(日)01:37:01 No.827215822
実際、マーベラスはどんな理由で競技してるのかはまだ掴めないからな…
19 21/07/25(日)01:40:29 No.827216758
おい待てェ 1200mを3回走れば長距離なんだから回数をこなせばいいだけだろォが
20 21/07/25(日)01:40:34 No.827216779
アイネスとかカフェ書いてた人?
21 21/07/25(日)01:40:46 No.827216827
同室ネイチャだっけ
22 21/07/25(日)01:46:16 No.827218332
友情トレーニング成功!かこれは
23 21/07/25(日)01:52:13 No.827219994
>実際、マーベラスはどんな理由で競技してるのかはまだ掴めないからな… あまりに完成度が高くて忘れがちだが アイネスもカフェも未実装なんだよな…
24 21/07/25(日)01:55:28 No.827220931
>>実際、マーベラスはどんな理由で競技してるのかはまだ掴めないからな… >あまりに完成度が高くて忘れがちだが >アイネスもカフェも未実装なんだよな… 今回のエロシーンは誰になるんだろうな トレーナーも恩師も女性ときたが
25 21/07/25(日)01:57:50 No.827221485
この「」の未実装ウマ娘にかける情熱はどこから湧いてくるんだ… そしてもしも書いてる途中に実装されてしまったらどうなるのだろう