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    21/07/22(木)09:31:56 No.826073678

    夏。トレセン学園は夏真っ盛りである。 夏の風物詩といえば食、遊び問わず様々だが、学園では意外にも昆虫採集が人気であった。 日々レースで鎬を削るウマ娘は肝の座った者揃いで、蜘蛛やGならともかくカブトムシ、クワガタムシならわりと平気という子も多いのだ。 そしてここにも昆虫に魅せられた者が一人…いや、一匹 「見るし…大物だし…」 「おおー…し…」 仲間たちに得意げにカブトムシを見せびらかす一匹のたぬき。 トウカイテイオーと一緒に採集に出かけ、頑張って網に収めた極上の獲物である。 「デカイし…」 「黒光りしてるし…」 「角が反り返って…これ以上はやめるし…」

    1 21/07/22(木)09:32:27 No.826073772

    体の小さいたぬき達にとって眼前のカブトムシの迫力は超弩級である。 息を呑む仲間たちの姿に、カブトムシを持つたぬきは満足げであった。 「しばらく飼ったら標本にするし…きっちり処理して勲章にするし…」 「羨ましいし…」 「壮大な野望し…」 カブトムシ勲章を胸に輝かせ、学園をトボトボと闊歩する姿を夢想するたぬき達… しかしその夢は、呆気なくも打ち砕かれることとなる。 「何ガ勲章ダ…笑ワセルナ…」 「何か言ったし?」 「言ってないし…」 「怖い声だったし…大塚芳忠と中田譲治を足して2で割ったような声だし…」 不思議そうにあたりを見回すたぬき達。そこに再び謎の声が投げかられる。 「ココダ阿呆ナタヌキ共…」

    2 21/07/22(木)09:32:53 No.826073854

    「まさか…し…」 「このカブトだし…?」 「シャベッタアアアアアアアアアし…」 たぬき達の視線がカブトムシに集中する。 「ソウダ…オレガ喋ッテルンダヨ間抜ケ…」 「カブトムシが喋るとは知らなかったし…口悪いし…」 「世紀の大発見し…」 「オ前ラタヌキハ人間ニ比ベテ生キ物トシテノ程度ガ虫ニ近イカラナ…言葉モ通ジルンダヨ」 「ヘイトスピーチし…」 「私たちは虫ってより妖精か怪異の範疇だし…」 「ソンナコトハドウデモイイ…俺ヲ勲章ニナドサセンゾ」 「なぜ勲章になるのを拒むし…」 「カブトムシと言エバ日本昆虫界ノ大スター…チビッ子ニチヤホヤサレルナラマダシモオ前ラ謎生物ノ勲章ニ甘ンジルナド我慢デキンワ」 「そんなこと言うなし…なってみたら案外いいかもしれんし…」

    3 21/07/22(木)09:33:28 No.826073969

    「ウルサイ!コレデモ喰ラエ!」 いうが早いかカブトムシはたぬきのもっちりした手を逃れ、自分を捕まえていたたぬきの顔面に張り付いた。 体の小さいたぬきにとって、カブトムシサイズの生き物が顔に張り付くのは相当なショック、恐怖を伴うことは言うまでもない。 「ぐえーし…」 「怖いし…」 「エイリアンだし…」 カブトムシを顔に乗せたままジタバタするたぬき…恐怖する仲間たちの見守る前で、その動きが止まった。失神したのだ。 「ナント脆弱ナ生物ヨ…」 「よくもやったし…」 「許さんし…」 「ムシガキをわからせてやるし…」 もっちりした手を怒りに震わせ、たぬき達は仇を取るべくカブトムシに挑みかかった。

    4 21/07/22(木)09:33:55 No.826074054

    …そして負けた。 「やられたし…」 「ムシガキには勝てなかったし…」 「イクラナンデモ弱スギダロオ前ラ…」 ある者はどこにあるのかわからない鼻の穴にカブトムシの角がぶっ刺さり、ある者は突進は避けたもののバランスを崩して後頭部をしこたま打ち、ある者は失神したたぬきにつまづいて顔面を打った。完全敗北であった。 「コレニ懲リタラカブトムシヲ勲章ニスルナンテ考エルナヨ」 「すいませんでしたし…」 「カブト先輩マジリスペクトし…」 平謝りするたぬき達を尻目にカブトムシが飛び去っていく。戦いは終わった。

    5 21/07/22(木)09:34:38 No.826074190

    「えらい目にあったし…」 「全ては私たちの傲慢が招いた結果だし…己の名誉のために命をもて遊ぶなんて許されることではなかったし…」 「人類は…そしてたぬきは自然を喰い荒らしたツケを必ず払うことになるし…」 「私たち一人一人が地球のため何ができるかを考えなければいけないんだし…」 ふた昔前のしゃら臭い映画のような環境問題へのメッセージを垂れ流しながら、たぬき達は飛び去るカブトムシの姿をいつまでも見送っていたのだった… 終

    6 21/07/22(木)09:36:43 No.826074660

    >トウカイテイオーと一緒に採集に出かけ、頑張って網に収めた極上の獲物である。 fu181896.png

    7 21/07/22(木)09:36:56 No.826074702

    子供達の憧れ強いな… いやたぬきがびっくりするほど弱いだけか…

    8 21/07/22(木)09:37:18 No.826074782

    争いは何も生まないし…

    9 21/07/22(木)09:37:30 No.826074830

    昆虫王者が弱いわけがないし…

    10 21/07/22(木)09:40:47 No.826075525

    アリジゴクにも負けるし… たぬきでも勝てる虫はいないし…?

    11 21/07/22(木)09:45:56 No.826076544

    カブト先輩つえーな…

    12 21/07/22(木)09:46:54 No.826076750

    ムシキングだし…

    13 21/07/22(木)09:47:48 No.826076940

    今生きてるアリだけで人類の総重量に匹敵するし…地上の支配者は虫だし…

    14 21/07/22(木)09:50:23 No.826077480

    その気になればスーパートルネードスローだし…

    15 21/07/22(木)10:00:13 No.826079571

    日本のカブトムシは海外のカブトムシにも勝つ位だしスペシャルウィークみたいなやつだし…

    16 21/07/22(木)10:04:03 No.826080355

    カブトムシは自重の20倍を持ち上げるパワーを持つ昆虫界屈指のパワーファイターだし… これと同等かそれ以上のパワーはゴキブリや一部のアリぐらいなもんだし… じょうじし…

    17 21/07/22(木)10:05:55 No.826080731

    夏休み怪獣映画特集リスペクトだし…

    18 21/07/22(木)10:06:33 No.826080859

    しゃらくささが生々しくてだめだったし…

    19 21/07/22(木)10:15:34 No.826082802

    >ある者はどこにあるのかわからない鼻の穴にカブトムシの角がぶっ刺さり、ある者は突進は避けたもののバランスを崩して後頭部をしこたま打ち、ある者は失神したたぬきにつまづいて顔面を打った。完全敗北であった。 嘘でしょ...ほぼ自滅じゃない...

    20 21/07/22(木)10:16:57 No.826083105

    >嘘でしょ...ほぼ自滅じゃない... ちがうし… 合気だしまいったし…

    21 21/07/22(木)10:31:35 No.826086658

    キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

    22 21/07/22(木)10:40:54 No.826088928

    >カブトムシは自重の20倍を持ち上げるパワーを持つ昆虫界屈指のパワーファイターだし… >これと同等かそれ以上のパワーはゴキブリや一部のアリぐらいなもんだし… >じょうじし… もう連載再開は絶望的だし… ちょっとだけ悲しいし…

    23 21/07/22(木)10:46:00 No.826090077

    実際顔面に張り付かれたら大の大人でもビビるし…

    24 21/07/22(木)10:49:14 No.826090841

    >1626917495985.png カブトムシには勝てなかったし…

    25 21/07/22(木)11:01:30 No.826093550

    後日 一緒に遊びに行ったトウカイテイオーから何も取れなかったたぬき達にプレゼントが送られた その後ふつうにテイオーに捕獲されたカブトムシ先輩の標本である