21/07/22(木)00:08:46 URA初代... のスレッド詳細
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21/07/22(木)00:08:46 No.825993396
URA初代覇者。その称号の重さは本来中等部に背負えるものではない。かといって、制覇したものは仕方ないのである。 私は今、トレーナーさんと一緒にURA主催のパーティに来ている。行きたくはなかったが、キングと私のトレーナーさんが出席するという条件付きでOKを出した。 行きたがらなかった理由としては、こういうところの作法など殆ど知らなかったことと、こういう舞台が苦手なことにある。マナーについてはキングに一から叩き込んでもらったが、舞台が苦手というのは克服することができず、開宴中はキングのそばを離れないようにトレーナーさんからも言われていた。キングはしぶしぶ了解し、それに付き合ってくれた。 そうして歓談しながら適当に愛想笑いなどを続ける。動きにくいドレスに足を取られて窮屈に感じ、ゲートの中にいるときのような不快感を感じる。早く、楽になりたい。 そういう時、取り決めておいた合図をトレーナーさんに送る。まずはウインクを2回。トレーナーさんが会釈をしたのを合図に、キングの服のすそを一度軽く握る。それを優しく払う手を確認してから、私は一度席を外した。
1 21/07/22(木)00:09:04 No.825993491
向かったところは、会場の休憩室。今ならここには誰もいないから、存分に自分を解放できた。 「…はぁ~、疲れた。ああいう場、苦手なのに…」 「しょうがないよ、呼ばれたものは。それにしても結構持ったな。頑張ったね、スカイ。」 「うにゃ~…」 そういってトレーナーさんの膝に頭をこすりつける。それを優しく撫でる彼の手から安らぎを受けて、いつも家にいるときのような感覚に浸る。数度トレーナーさんの匂いを嗅いでから、今度は起き上がって体に抱き着いた。 「…スカイ、これは?」 「マーキングです。トレーナーさんが、他の人に目移りしないように。」 「今更するわけないだろう、俺はスカイしか見えてないよ。」 そんなずるいことを簡単に言ってのける。それになんだか負けたような気分になって、やり返しと言わんばかりに頭を胸にこすりつけた。 「…ほんとに、見ちゃダメですからね。」 「ああ。スカイこそ、他のやつに目移りしちゃ嫌だぞ。」 「しません。…トレーナーさん以外は見えません。」 「…そっか、嬉しいよスカイ。」 私の頭を撫でながらそう口にする。そうしてひとしきり匂いを付けた後、キングが休憩室に来て様子を見に来てくれた。
2 21/07/22(木)00:09:25 No.825993606
「スカイさん、大丈夫?…その様子だと、大丈夫そうね。」 「うん。心配かけてごめん、キング。」 「いいえ、あんまり気にしてないわ。そろそろ戻りましょうか?」 「…うん」 キングの誘いに乗って、滑らかな手を取って引かれるままに会場に戻る。トレーナーさんと目線を交わして、休憩室の扉がいったん閉じた。私が会場に入る直前、扉がまた開いた気がした。 そうして会場に戻ると、どっとたくさんの人が押し寄せてきた。取材の人たちやファンの人たちと思しき存在があちこちに見える。聞いてくるのは今後の展望や生活についての、くだらないゴシップのようなものだった。 キングがそれを跳ねのけるように進んで、さっきの席に戻る。咄嗟に入ったガードの人たちに気圧されたのかそれ以上の取材は来なかった。 パーティ自体はつつがなく進み、お開きとなる。一度会場を出てから、キングをキングのトレーナーさんの待っていたところに送り届けて、トレーナーさんと合流した。 「疲れました。なのでトレーナーさんにはセイちゃんを労わる義務があります。」 「ああ。家に帰って、ゆっくりしよう。」
3 21/07/22(木)00:09:52 No.825993765
トレーナーさんに手を固く握られる。逃げないように、逃げられないように。互いの体温を確かめ合うように指を絡めて、そして繋いで。夜のとばりが下りて月が煌々と私たちを照らす。家に着いた頃には体も脱力しきっていた。 「お疲れ様、スカイ。何か飲みたいものとかあるか?」 トレーナーさんが冷蔵庫を確認しながらそう言ってきたので、ドレスを乱雑に脱ぎ捨てながら体が欲しがるものを考える。 「んー、弱いお酒ってまだあります?」 「生憎、スカイがすぐダウンするものしかないな。」 二人の鼓動がぐぐ、と熱くなる。それは疲れによるものなのか、或いは。その答えを探すことは放棄する。 「…たまには、ちょっと強いお酒でも飲んでみるか。」 「…そう、ですね…」 冷蔵庫から持ってきたお酒を口移しで飲み合いながら、トレーナーさんは私の耳に愛を囁く。黒い空へ舞っていく枯れ葉が吹きすさび、家々を飛び回って何処かへ。愛の巣を形成するにふさわしくないそれは、やがて無名の山に捨てられて枯れ果てる。それらを見捨てる木々は優しく、彼らを見守っていた。
4 <a href="mailto:s">21/07/22(木)00:10:13</a> [s] No.825993872
セイちゃん可愛いね マーキングしてるのが見たかった
5 21/07/22(木)00:14:48 No.825995323
こいつら
6 21/07/22(木)00:15:06 No.825995416
こいつらうまぴょいしとる!
7 21/07/22(木)00:17:16 No.825996216
普段飲まないお酒飲むのがえっちの合図になってるのいいよね…
8 21/07/22(木)00:18:40 No.825996767
中等部に飲酒させる極悪トレーナー来たな……
9 21/07/22(木)00:21:02 No.825997689
URA覇者だから少なくとも高校生だよう! いや高校生かどうかは分からんが…
10 21/07/22(木)00:24:23 No.825998935
18なら来年から…いやうまぴょいはともかく飲酒はだめだな!まあいいか!
11 21/07/22(木)00:28:14 No.826000296
こまけぇこたぁいいんだよ
12 21/07/22(木)00:35:13 No.826002471
キングは一流だな……
13 21/07/22(木)01:03:02 No.826010287
キングが喜んで盾役になりたい相手がセイちゃんなのは推せる… セイちゃんもよく頑張った
14 21/07/22(木)01:10:21 No.826012046
いい…
15 21/07/22(木)01:12:03 No.826012489
キングはほんといい子だよな…切磋琢磨できる仲間としても友達としても