虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    21/06/23(水)22:56:42 No.816330603

    少し古臭いレコードプレイヤーが再生するどこかの音楽以外に存在がないかのように静かな一室の扉が開き、聖剣が突きつけられる。 こんばんは。今日はどんなご用件で?なんて言っても無駄だよね。ようこそ赤い竜とカルデア。まぁ、ここまで来るのは当然か。…………ねぇマシュ、ダヴィンチちゃん。なんかこう悪役っぽいエミュできてる?

    1 21/06/23(水)22:56:53 No.816330683

    ……『ふざけないで帰ってきなさい』……はぁ。そっかぁ、追い詰められているのはそちら側であろうに随分と余裕がっ!?そういう魔術は良くないなぁ。別に操られたりしているわけでもないよ、あの橋の一件だって『自分の意志』でやったんだ。まぁ、これ以上おしゃべりを続けると『マスターからの正規経路での魔力供給の無い』皆が機能不全になって妻に一蹴されるのがオチ。いや、違うね。始めからここまでたどり着けばマスターが戻ってくるという前提での出し惜しみ無しの全力戦闘だったからこそ、あそこまで準備を済ませたトリスタンを倒したというべきか。勿論今の俺に戦う気概も力も無いから、本命に……あぁ~令呪が滑った~、たまたま滑ってアルトリア達を全快させちゃったなぁ~あ~。 さてと、じゃあカルデアのマスターとして仕事も果たしたし……ステイ、道満ステイ、今は通すから爪立てない。

    2 21/06/23(水)22:57:04 No.816330770

    ベッドの上で目が覚める。燃える特異点が見え、全てを察したがその状況に対して余りにも静寂が包み込んでいることに疑問に思うと扉をノックする音が聞こえる。 「モルガン?起きてる?義妹がいっぱい来たよ!!」 そうですか。アルトリアが……通しなさい。 …………アルトリア(青)、アルトリア(黒)、アルトリア(白)、アルトリア(宇宙OL)、アルトリア(バニー)。あなた達五に……以上いますね。 いいでしょう、私達は相容れない存在、もはや語り合う言葉もなし。そこの平社員は解雇、我が夫もここまでです、後は好きにしてください。 …………!?何故私の傍に、そもそもこの計画もすべて「何度も言わせないでよ」 ……ふふ、そうですか。ここから振ったら死ぬまで付き纏って呪いますよ、リツカ。 「ンンンンン!!拙僧のこーひーが!!!」

    3 21/06/23(水)22:57:25 No.816330894

    弾かれて宙を舞って床に突き刺さる一本の杖であった槍、それは確かに全ての幕引きであり、彼女の敗北を決めるものであった。既に双方立つこともままならない程の消耗であり、それでも止めを刺そうと立ち上がり、己の姉に振り下ろす聖剣。 しかし、その剣先は妖婦の首を断つことはなく、一人のマスターの手に深く食い込んで掴まれる。 「マスター!?」 咄嗟に剣を引いて後ろへ下がり困惑するサーヴァントに対し、マスターはただその血が流れて止まらない手を一切気にせず、優しく気を失っているモルガンを抱きかかえて月がバックに映る大窓の傍まで歩く。 流石に理解できずに問いただそうと数少ない無傷のダヴィンチがマスターに歩み寄り肩に手を掛けようとした瞬間、背後からの道満の爪が深く食い込んでその場に倒れ伏し、痙攣する。

    4 21/06/23(水)22:57:52 No.816331064

    「ンンンンンンン!!!!我が主との約束ゆえ霊核は貫きませぬが今から我が主の大事なところなので暫しご容赦を」 ……はぁ、流石に戦闘中に背後から援護射撃感覚でブラックバレルでアルトリアを吹き飛ばそうとしたら止められるかぁ。 「それだけ御身を大切にされいるという証拠ではございませんか。それはそうと、遂に揃いましたね我が主」 首から下げていた社員証を投げ捨てゆっくりとマスターの隣に立って一礼をするサーヴァント。 「今日はようこそおいでくださりました赤い竜アルトリア・ペンドラゴン殿とカルデアの皆々様。既に周知の事実でしょうが今一度のご挨拶を。我が主」 別にもう真名バレバレだろうが、アルターエゴ。 「ンンン、それもそうですね。では改めて……拙僧は『カルデアのマスター』のサーヴァントではなく、『藤丸立香』としてサーヴァント、クラスはエクストラクラス『アルターエゴ』。真名『蘆屋道満』と申す者にございます」

    5 21/06/23(水)22:58:19 No.816331235

    いかにも前々から用意していたような口上から放たれる言葉にどこか呆れ果てつつもマスターはその切られたはずの手でサーヴァントの肩を掴み、軽く人差し指で叩く。 マスターが懐からこの特異点の聖杯を取り出し、その手を離す。手の離れた聖杯はただ床にぶつかって空間には金属音が響き渡るだけであった。そのあまりの空気に一同が困惑する。 ……爆発は、爆発はどうしたぁあああ!!!! 「…………?先輩?爆発とは?」 え?…………あれ?モルガンの像……見てない? 「像ですか?この特異点に到着して一度も私たちは像なんてものは見ていませんよ」 え?道満?

    6 21/06/23(水)22:58:37 No.816331324

    そのマシュの言葉にマスターは本気で困惑し、隣のサーヴァントを見る。 サーヴァントは凄く自慢げな顔で堂々と語る。 「確かに拙僧。爆弾の設置はしましたが、起爆装置は搭載していません」 おいこら 「えぇ、マスターの計画通りこの超巨大ブリテン島の六方に設置した小型聖杯爆弾を以てすれば『六芒星』の魔術的効果と『地下に存在した過去の遺物の魔術回路』の相乗効果で特異点の外殻破壊からの白紙化した地球にこの特異点のテクスチャを貼り付け、カルデアの完全敗北というシナリオは実に良いのですが余りにも拙僧の出番がなさ過ぎてつまら……退屈でしたので、やめました」 …………そういうことするから京で失敗したんだぞ。 「ンンン!!決して拙僧、五芒星にしなかったことや舞台での出番の少なさゆえにやったわけではありませんぞ!!」

    7 21/06/23(水)22:58:51 No.816331420

    ため息をついた後、モルガンを道満に預け、落ちた聖杯を拾って何事もなかったように悪役っぽい顔でアルトリア達を見下す。サーヴァントが小さく何かを刻んだ瞬間、マスターの足元から無数の黒い靄がマスターを包み込んだ瞬間、一瞬でアルトリアの傷が治り、さっきまでの戦闘のダメージが嘘の様に立ち直る。 「第一関門は成功で何より。では、これより拙僧の計画を本格的に実行いたしましょう!!!」 「何をする気ですか!!蘆屋道満!!」 剣を構え、覇気の戻った声で問う騎士王に陰陽師はただ愉快そうに答える。 「なに、簡単な話です騎士王よ。今より我が主には『獣』の位に至っていただくというだけです」 「ふざけるな!!……!?」 一気に間合いを詰め、道満を切り伏せようとした瞬間、倒れていたダヴィンチが唐突に起き上がり虚ろな瞳でアルトリアを蹴り飛ばす。 「おぉっと。拙僧、仕留めはいたしませんが傀儡にしないとは一度も言ってはおらなかったではないですかァ。勿論この儀式が終わればお返しいたしますが、それまではゆるりと宿業を埋め込まれた人形と戯れてくださればよろしいかと」

    8 21/06/23(水)22:59:05 No.816331506

    数度の打ち合いをもってして、万能の天才は組み伏せられ、陰陽師はただ拍手をするのみ。しかしそれが余りにも愉快だったのか、はたまた想定通りだったのかは読み取れない嬉々とした笑顔であり、盾の少女はその身の丈程の大盾を持って対峙する。 「先輩を返していただきますっ!!」 「はて?返す?」 「先輩はそんな下法に「それは貴女の空想の主では?」ッ!!」 「マシュ殿、この世には善性だけで生きる人間も、悪性のみで生きる人間もおりません、拙僧の様な出鱈目な者以外は多かれ少なかれ持っています。えぇ、わすれもいたしません、これは拙僧が京にて我が主と平安の者たちと……いえ。何でもありません。ただ我が主は我が主なりに考えた末のかの計画と拙僧の案に乗りました、それを下法とは……それよりもご覧くだされ。新たな主の誕生、第六の獣となる人類最後のマスターの雄姿を」 黒い靄が全て吸い込まれ、その青い瞳で周囲を見ながらふらふらと歩きだす。その存在感は既に神霊以上のものであり、見違えるようなオーラを感じさせる。しかし、その潰されそうな重さの中でマシュには不思議に思えることがあった。

    9 21/06/23(水)22:59:22 No.816331609

    「……?あの……確かに規模は桁違いですが、ビーストには至っていませんよ?」 「……???確かに。拙僧、京での手順通りにやったはずですが……我が主、何か違和感とか」 道満。これただ純粋に人間が違法改造で神格にまで引き上げられただけでビースト固有の力っぽいの感じないけど。どうなってるの? 不思議に思う三人になにかを察したのか少し笑った後にアルトリアが口を開く。 「マスター。そもそも、マスターにとっての『人類』とは誰の事ですか?」 それはもちろん、モルガンただ一人だけ……あ。 「そうです。姉上は半分は『人間』でありつつも姉上の主な要素は『妖精』なのできっと『人類愛』の判定がなかったのでしょう」 そのどうしようもない正論にうちのめされる訳でもなく、ならばといった感じでサーヴァントが身構える。 「まさに正論!!ですが結構、そもそも用があったのは単独顕現のスキルであってあれ単体であれば別の過程で手に入れましょう。それよりも我が主……?」

    10 21/06/23(水)22:59:43 No.816331744

    道満がちらりと見ると既に己の主は人気のないところでアマゾネスドットコムの宅配を受け取り、円満の笑みを浮かべていた。 「おや、例のものが届いたのですか」 ギリギリ間に合った。流石にあれを出さずにはい解散は嫌だった。ってゆうわけで、QPモルガン社の最終兵器起動!!コード『下上左右LR』!! 声高らかに叫ぶと巨大な振動が始まり、背後のガラス窓から大きな鉄の腕が現れ、一瞬で夫婦を搔っ攫ってしまう。 慌てて窓まで駆け寄るそこには一機の巨大なロボが現れていた。

    11 21/06/23(水)23:02:08 No.816332740

    と、いうことで次回は本性を現したラスボス『副社長』戦です。 ちなみにロボの性能は流石にネオじゃないほうです。 それはそうと何を書いているんだ俺は?

    12 21/06/23(水)23:05:41 No.816334197

    >ロボの性能は流石にネオじゃないほうです。 成程…最新型スーパーウルトラゴージャスベリーごっついからくりメカの出番か

    13 21/06/23(水)23:14:21 No.816337568

    今年も大作来たね

    14 21/06/23(水)23:28:07 No.816342987

    いやー道満も楽しそうで何より みんなイキイキして楽しそうだね