21/06/23(水)10:52:26 頭の天... のスレッド詳細
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21/06/23(水)10:52:26 No.816121237
頭の天辺にツンと立つ耳、灰褐色の毛並、尾は長く伸び、胸には確かな、むしろ他に比べても豊かな膨らみ。 受け持ちのウマ娘と似たところも感じるその見た目に、なんとも溜息が出てしまう。 嗚呼、どうしてこうなってしまったのか。 そう考えていると、がちゃんとトレーナー室の扉が開く。 「よかった、ここにいたんだな」 担当ウマ娘のオグリキャップが、笑顔でこちらに向かって来ていた。
1 21/06/23(水)10:52:41 No.816121271
話は18日前に遡る。 事故とは避けられないものである。それは些細なミスから重大な過失まで様々、しかしそのどれも、避けようとした上で起きてしまうものだ。 だからこの事故も、責め立てる気にはなれなかった。 「──レーナー、目を────」 バイクの右直事故は特に恐ろしいものだ。向こうが低速でも、一撃で、かつクリティカルに重大な事故につながる。 「────、しっか────」 通勤中の出来事であった。うっすらと、どうにもならない感触があったのは分かっていた。 背中をひどくぶつけたし、声が出ないほど腹も痛い。刻一刻に失われる意識が、長くない自らの余生を感じさせる。 ────どうか、うらまないで。 そう伝えたかったが、伝わったかは分からない。 現世との繋がりが絶たれる直前、なにか、澄んだ音だけが頭に響いた。
2 21/06/23(水)10:52:55 No.816121307
話は飛んで7日前。 あれきり、記憶が曖昧なのである。 覚えて居るのは澄んだ水を弾くような音、目も開けられないほど眩しい景色、 「どうか彼を悲しませないで」 という言葉。 覚ますはずのない目を覚ました時には、性別どころか、自分の身体の原型ごと失っていたのである。 1週間ほどの検査を終えて病院から出た時、理事長と生徒会に大層便宜を取り計らっては貰ったものの、肝心の担当はといえば、入院中からなんだかドギマギしっぱなし。 ただでさえスカートが苦手な田舎者の変人に、こんな急な出来事をぶつけたのだから、当然といえば当然なのだが、これまで積み重ねた関係が崩れたような気持ちになるのは、ちょっとだけ辛かった。
3 21/06/23(水)10:53:11 No.816121353
そうして今。 学園指定のジャージに、間に合わせで買ったトレシューを履いた自らを見て、思わず嘆息する。 いやに着やすい、履きやすい。ウマ娘なのだから当然ではあるのだが、一応これでも、元は成人男性でトレーナーである。 灰褐色の毛並はいわゆる芦毛。元の茶髪は影も形も無い。 また、溜息。第二の人生というには、随分なことではないかと思っていると。 「トレーナー、一緒に食堂に────」 そう誘う、担当の声。 「そうは言うが、俺と一緒で良いのか」 数日前に並んで食べた時は、彼女の食べる手がぴったり止まっていたのだ。 多分、居心地が良くないのだろう。当たり前だ、こんな状況。
4 21/06/23(水)10:53:37 No.816121434
「あ、あの時は……ちょっと、慣れてなかっただけだ。その、今のトレーナーは、ちょっと、目が離せなくて────」 「無理はしないで────」 「いや、無理ではない!」 急に歩み寄った彼女に、両手をがっしり掴まれる。 ウマ娘同士だから、振り解くのに難はないだろう。そう思いつつも、彼女の力強さにどこか圧倒されてしまう。 澄んだ銀青の瞳が、俺を見下ろす。ツンと立ってこちらを向いた耳と、揺れた尾が、好意をこちらに知らしめる。 それに対して、こちらの出した回答は、なんだかんだと言いながらもやはり、好意。 もしかしてウマ娘同士って、コミュニケーションがめちゃくちゃ近いのか────!? そう思った時、二の句を継ぐ彼女の口が開いて。 「一緒に、ご飯を食べに行かないか」 「……お、おう……」 まるでデートの約束をするような空気で食堂に誘われて、思わずお互いに、顔を赤らめてしまった。
5 <a href="mailto:s">21/06/23(水)10:55:27</a> [s] No.816121751
ウマTS幻覚とオグリ攻め幻覚が合体しました トレーナーは結構むっちりした体型をしている事でしょう
6 21/06/23(水)10:59:02 No.816122329
彼…ウマソウル的なあれが作用してTSか…?
7 21/06/23(水)11:00:25 No.816122537
ホーリックスだな…