虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。新しいログはこちらにあります

21/06/23(水)00:31:37 それは... のスレッド詳細

削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。

21/06/23(水)00:31:37 No.816044652

それは休日の事だった。釣り雑誌を片手にサボり兼釣りスポットに目途を付けながら過ごしていた。 夕暮れになって、そろそろ寮に帰ろうかそんな時だった。雑踏の中に、トレーナーさんの後ろ姿。 声を掛けようと近付こうとして──急停止。 キング。 トレーナーさんはキングを待っていたようで、キングが彼の隣に行くと、二人は朗らかに笑い合いながら歩いて行く。 二人は、私服だった。デート?どうして?キングに専属トレーナーはいるし、トレーナーさんにだって私が。 脚は根が張ったように動かない。首も、同じように。見たくもない景色を見せられ続ける。 動かないせいで、見てしまう。見せられてしまった。 トレーナーさんが、キングに、プレゼントを。 時期は三月。私の誕生日でもキングの誕生日でも、ない。そんな時にでもプレゼントを渡すような関係性とは、やはり。 鉛のように動かなかった足が動きだした。真後ろへと全力で振り向き、そして全速力で走り出す。 誰かとぶつかってしまったけれど、そんなことは気にしていられなかった。

1 21/06/23(水)00:31:59 No.816044757

「今日は助かったよ、キング。俺一人じゃ未だにどの店に入ればいいかどうかの所から足踏みしてるままだった」 「いいのよ。スカイさんのトレーナーがランジェリーショップの入り口を睨んで離れないのを見かけた時は通報すべきかと思ったけれど」 「う”っ。女の子へのプレゼントとか今までしたことなかったからどんな店に行けばいいのかもわからなくて……」 「それもさっき聞いたから、いいわ。それよりも!この一流ウマ娘があなたのプレゼント選びに一日を費やしてあげたんだから成果はあったんでしょうね!」 「ああ、もちろん!あそうだ、これ。今日一日付き合ってくれたお礼に」 「あらありがとう。そうね、開けてもいいかしら?」 「うん」 「ふうん緑と白のハンカチね……ハンカチって言うのはいいわね。気兼ねなく贈れる品出し。合格よ」 「先生……!」 「と言いたい所だけどね」 「えっ?」 「この配色スカイさんの勝負服そのまんまじゃない!私へのプレゼントなのだから私のイメージカラーで渡すべきではなくって!?赤点よ!」 「あ」 「全く……トレーナーにそんなに思われるスカイさんは幸せ者ね。担当になって3周年記念……いいじゃない」

2 21/06/23(水)00:33:06 No.816045104

「ああ、今までは祝うこともなかったんだけど……区切りだから」 「で?何を選んだの?」 「これ」 「へぇ……腕時計。スカイさんにだから『時間を守って』って所かしら?」 「アハハ、そんな所。ネックレスなんかもいいかなって思ったんだけど、学生とトレーナーの間柄で渡すものでもないかなって」 「いいんじゃないかしら?スカイさん、腕時計持ってなかったはずよ」 「気に入ってくれるといいんだけど」 「安心しなさい。この一流のウマ娘があなたのプレゼント選定に力を貸したんだもの。不安になることなんてないわ。それに……」 「それに?」 「女性に渡すプレゼントとしてあのハンカチは赤点だったけれど……無意識にスカイさんに似合うプレゼントを見繕うあなたはスカイさんのトレーナーとして、満点よ!」 「キッ、キングッッッ!!!」 夕焼けの空に、ウマ娘の高笑いする声と男性のキングコールが響いた。

3 21/06/23(水)00:34:03 No.816045380

(プレゼントには、贈るものによって意味が変わるのよね。例えばさっきスカイさんのトレーナーがあげていたネックレス、あれには『束縛したい』という意味があるわ。腕時計なら『勤勉に』とかね。ただ、一つの意味合いしかもたない、というわけでもなくて。私があげたのは親から子に贈る場合。トレーナーと学生の関係としても近しいものがあると思うけれど。でもこういう意味もあるのよ『あなたと同じ時間を刻みたい』。あなたのトレーナーさんはいつまでそう思ってくれるのかしら?あなたが現役を辞めるまで?それとも、二人が死を分かつまで?それはあなた次第よ、スカイさん。頑張って)

4 <a href="mailto:s">21/06/23(水)00:35:04</a> [s] No.816045704

セイトレとキングは普通に仲いいよなって思った所から生まれた幻覚です キングの口調がおかしかったら申し訳ない

5 21/06/23(水)00:36:44 No.816046181

これは一流ですわね…

6 21/06/23(水)00:37:09 No.816046297

続きが見たいわ!続きを見せてちょうだい!

7 21/06/23(水)00:39:45 No.816047109

プレゼントを渡すミッションは大変そうだな…

8 21/06/23(水)00:40:24 No.816047337

ここまでだとまだウンスが曇ったままなんですけど! 続きが必要なんですけど!

9 21/06/23(水)00:43:40 No.816048324

す、スカイの心が救われないまま終わった…

10 21/06/23(水)01:07:56 No.816054723

次の日。トレーニングをサボった。トレーナーさんの顔を見たくなかった。トレーニングコースに出て、キングの顔を見るのも嫌だった。昨日探したサボりスポットの近くにあった木のうろに身を寄せて、泣きながら眠った。 その次の日。やっぱりトレーニングに行く気になれなかった。糸を垂らせておけば気がまぎれるかと思ったけれど、全然だった。寮に一度戻ることも考えたけれど、トレーナーさんがヒシアマさんと連絡を取り合っている可能性を考え、やめた。ヒシアマさんに叱られるのも今は嫌だった。 そのまた次の日。いつまでもこうしてなんていられない、という理性は他所に足はトレセン学園には全然向かおうとしなかった。代わりに私の足は今までトレーナーさんと釣りをしに来た場所や、昼寝を一緒にした場所を回っていた。 いつの間に差し切られていたんだろう。全然気付かなかった。キングとトレーナーさんが、なんて。そんな素振全然見せてなかったのに。

11 21/06/23(水)01:08:15 No.816054788

悔しさに、涙がこぼれた。慢心していた。彼と三年間を走りきったのは私。彼を見つけたのも私。彼の相棒も私。でもそれでも彼が最後に選んだのはキングだったなんて。 悔しい。辛い。情けない。憎い。色んな感情がごちゃ混ぜになって、私は大声をあげて泣いた。 「お、いたいた。やっぱこの海岸にいたか」 泣き疲れて、砂浜に身を投げ出した頃。トレーナーさんが呑気に言いながらやってきて心底驚いた。 「トッ、トレーナーさん…?」 「もう3日も連絡ないから皆心配してるぞ?勿論俺もな。探しても探してもどこにもいないから参ったよ。……ってうわ目ェ真っ赤!どうした!?何があった!?」 この人は──私の心の中で怒りの炎が巻き上がったのを感じた。人の気も知らないで! 「別に……なんでもありませんよ。それよりもトレーナーさんには行くところがあるんじゃないですか」 キングの所に、とは言えなかった。言ってしまうと、認めることになるような気がした。 「俺に?トレーニング場か?じゃあセイも一緒に行かないと」

12 21/06/23(水)01:08:29 No.816054850

ああ、そうですか。確かにトレーナーさんはそういう人でした。あなたは優しい人で、ズルい人だ。いつまでもそうやって、キングとの仲を私に隠し通そうと思っている。あなたがそういう気なら──! 「じゃあほらセイ。これ」 「え?」 急に左腕を取られて腕時計をつけられた。 「これセイも時間が分かるな~サボるなよ?」 「え?」 「じゃあ次これ」 「えっ?」 トレーナーさんが私の首に手を通すとパチリと何かを付ける音。 「ネックレス……?」 「そ、今日何の日か覚えてるか?」 何の日?私の誕生日でもなんでもないはずだ。

13 21/06/23(水)01:08:58 No.816054958

「覚えてないのか、ちょっとショックだぜ俺は。……俺とセイが組んで丸三年だよ。その記念日」 「あ」 「前のオフの日に買いに行ってさあ。キングに助けて貰ったんだよ。後でセイからもお礼してやってくれ」 「……キングへのプレゼントは?」 「俺?俺はちゃんとその時にお礼したよ。無難にハンカチ」 言いながらトレーナーさんは立ち上がった。さ、サボり分を取り戻すぞ~、なんて気楽に。 あれ?……あれ?あれれれ?もしかして、セイちゃんとんでもない思い違いを? 「おーい、セイ。そろそろサボりも十分だ、ぐえええ!」 私は勢いよく立ち上がると思いっきりタックル。これくらいしても許されるはずだ。 「トレーナーさん!」 「なんだ?」 「ありがとう」 「どういたしまして」

14 21/06/23(水)01:09:25 No.816055064

トレーナー逃げられる前に差し切った!

15 21/06/23(水)01:09:57 No.816055191

感謝を……ありがとう…心から感謝する…

16 21/06/23(水)01:10:23 No.816055296

後日、キングに確認した。何変な勘違いしてるのよ!と怒られた。さっさと告白しなさい!じれったいとも言われた。それはちょっと待って欲しかった。

17 <a href="mailto:s">21/06/23(水)01:10:49</a> [s] No.816055401

>続きが見たいわ!続きを見せてちょうだい! >ここまでだとまだウンスが曇ったままなんですけど! >続きが必要なんですけど! 引き出しの奥に眠っていました

18 21/06/23(水)01:11:33 No.816055552

続きが別スレになるならもう寝ようかと思ってたところで来た…ありがたい…

19 21/06/23(水)01:13:08 No.816055903

告れー!告れー!!

20 21/06/23(水)01:13:38 No.816056023

抱けー!抱けー!

21 21/06/23(水)01:13:46 No.816056057

よかった…寝ずにいて大正解だった…

22 21/06/23(水)01:16:00 No.816056573

もっと引き出しを漁れ

23 21/06/23(水)01:26:27 No.816059003

「なあキング?急に呼び出してどうしたんだ?」 「スカイさんのトレーナーさん、急な呼び出しなのに来てくれてありがとう。そしてごめんなさいね」 「いやまあ、いいんだけどさ。俺もセイも世話になってるし」 「あ、そこに座ってくれる?ええ、用はすぐ済むから」 「ん?おう。分かった」 「で、両手を椅子の後ろに回して欲しいの」 「こうか?」 「そうそう。──よし、っと」 「…………キングさん?何故俺の両手を後ろで縛ってなおかつ椅子の足に俺の足も縛り付けるのです?」 「ええ、ごめんなさい。本当に。あなたは何も悪くないの。いえ、1割──4割くらいは悪いわね」 「かなり悪い比率上がったな?」 「これで準備は出来たわ」 そうキングが言うや否か彼女がパチン!と手を叩くとキングのトレーナーやカワカミプリンセスが麻袋に入った何かを持って入って来た。 「あのキングさん……?これは一体?」 「そうね、私達もこういうことは二人に任せるべき──ええ本当にそう思ってるのよ。無粋な介入なんて一流のやることじゃないもの」

24 21/06/23(水)01:26:38 No.816059049

話が読めない。何が起こっているんだ。 「でもねえ!あなたが煮え切れないせいで一々私に勝手な嫉妬をぶつけられるのはたまらないのよ!」 そう言いながらキングが麻袋を解き放つと中から出て来たのはセイ。 「スカイさん!いい加減蹴りをつけなさい!また次私に妙な言いがかりをつけたら如何に親友のスカイさんと言えどただじゃおかないわよ!私には一流のトレーナーさんがいるんだから!」 そう言ってキングとトレーナーは俺達の目の前でキス。そういう間柄だったの…? 困惑する俺を余所にキングとトレーナー、そしてカワカミプリンセスは部屋から出て行く。 残ったのは拘束された俺と、顔を真っ赤にしたセイ。 「何なんだ一体……。あ、セイ?とりあえずこの縄外してくれないか?……セイ?」 「トレーナー、さん」 セイはしかし縛りを外してくれずに俺の膝の上に乗る。首を手を回す。顔が近い。 「ごめんね?」 そのまま、唇を貪られた。

25 <a href="mailto:s">21/06/23(水)01:26:51</a> [s] No.816059091

>もっと引き出しを漁れ 漁りました

26 21/06/23(水)01:27:14 No.816059179

引き出しにいろいろ入ってんな!

27 21/06/23(水)01:27:58 No.816059361

家宅捜索しろ もっと出るはずだ

28 21/06/23(水)01:28:58 No.816059566

娘をアシスタント代わりに使うんじゃないよキング!

29 21/06/23(水)01:29:23 No.816059641

後から出てくると面倒なことになるから全部出しなさい

30 21/06/23(水)01:30:42 No.816059920

自分の王子様を探すのはもちろんですけど 誰かの王子様を探してあげるのもバーベル上げ以上の快楽ですわ

31 21/06/23(水)01:31:05 No.816059992

カワカミプリンセス…

32 21/06/23(水)01:31:07 No.816059997

セイちゃんはお膳立てされて行くしかない状況に放り込まれると強い 私の性癖に合っていますね

33 21/06/23(水)01:31:24 No.816060063

>>もっと引き出しを漁れ >漁りました ウワーッありがとうー!

34 21/06/23(水)01:31:41 No.816060141

タンスの奥も見ろ

35 21/06/23(水)01:37:39 No.816061317

「……っていうのがママとパパの馴れ初めだよ~」 「……ママ、ヘタレ?」 「うぐっ、我が娘ながらズバっと言う……」 「いや何話してんだセイ……」 「パパお帰り~!」 「お帰りなさいあなた。いや~可愛い可愛い娘にパパとママはどうやって好きになったの?って聞かれちゃいまして」 「ああ……あのキング他黄金世代に無駄に勘違いして嫉妬しまくったって話」 「ママ?キングさんだけじゃなかったの?」 「……脱出術!」 「あ、逃げた。一緒にママ捕まえるぞー」 「うん!」 ある日の、一幕

36 <a href="mailto:s">21/06/23(水)01:37:52</a> [s] No.816061365

>タンスの奥も見ろ もうないです本当です

37 21/06/23(水)01:38:18 No.816061459

床下とか天井裏も漁れ

38 21/06/23(水)01:39:24 No.816061667

いい…

39 21/06/23(水)01:39:37 No.816061705

よーし意外と探し忘れるカバンの横ポケットも探してこよう

40 21/06/23(水)01:40:18 No.816061845

いいじゃない…

41 21/06/23(水)01:40:19 No.816061847

>もうないです本当です 本当にない?ちょっと跳ねてもらっていい?

42 21/06/23(水)01:40:39 No.816061905

ほんとかーほんとにないのかー? ちょっとジャンプしてみろよ

43 21/06/23(水)01:49:03 No.816063455

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

44 21/06/23(水)01:49:26 No.816063526

タンス増設しろ

45 21/06/23(水)01:49:32 No.816063544

ウワーッ!直球!

46 21/06/23(水)01:49:42 No.816063574

むっ!

47 <a href="mailto:s">21/06/23(水)01:50:22</a> [s] No.816063718

>1624380543830.png うわー!絵だー!ありがとうございます!

48 21/06/23(水)01:50:22 No.816063720

むっ!最高にえっちだ… 青春だね!

49 21/06/23(水)01:50:58 No.816063833

ウ ワ | ッ !

50 21/06/23(水)01:51:38 No.816063942

ウワーッ!?ウ

↑Top