21/06/22(火)22:24:44 肌がひ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1624368284181.jpg 21/06/22(火)22:24:44 No.815997697
肌がひりつく、空気が張り詰める。 こんな気持ちでレースをするのはいつぶりだろうか。 いや、こんな気持ちでレースをした事は一度もないかもしれない。 思えば私はレースにかける情熱と言うものが欠けていたのかも知れない。 初めてレースを見た時、走る皆がキラキラしていて、ここでなら私もキラキラ出来ると思い、私はレースの道に進んだ。 その時点から私はレースに勝つ事は手段であり、目的としては一度として考えた事はなかったのかもしれない。 「カレン、大丈夫か?顔に余裕がないぞ?」 「あ、お兄ちゃん!大丈夫だよ!ちょっと緊張してるだけ♪」 『緊張』そんな言葉が出る時点で正直不安になってくる。 私は今まで何事にも万全を期して挑んできた。 万全であれば結果が出るのは当然であり緊張なんてする必要もなかった。 でも今日は緊張をしている…つまり万全とは程遠い。 今までした事がない練習量をこなしたのに常に不安感が心の中にある。 不安を隠すためにも更に練習を重ねても結局は拭い去る事はできなかった。
1 21/06/22(火)22:25:18 No.815997948
「カレン、顔が怖いぞ。ほら力を抜いて笑顔になって。」 「あ、そうだね♪」 お兄ちゃんはカレンの様子に気づいて緊張をほぐそうとしてくれている。 ここまでカレンの事を理解してくれているのは世界でお兄ちゃんしかいないかも知れない。 「ねぇ…カレンらしくないこと言っていい?」 「何でも言ってごらん。」 「正直、今不安で不安で潰れちゃいそうなの。今日のレースで勝てなかったら今度こそ終わりかも知れないと思うと怖くて仕方ないの…。」 言葉にした瞬間恐怖は大きくなり手が震える。 「…カレンなら大丈夫。」 お兄ちゃんはカレンの震える手を優しく握ってくれた。 「勝負の舞台は時に残酷で二度と戻りたくなることもある。そして本当に戻ってこない子も多く見てきた。でも、カレンはどんなに怖くても逃げずにこの舞台に戻ってきてくれた。そんな強い子が負けるわけがない。」 いつもとは違い、まるで幼い子をあやすような優しい言葉遣いでお兄ちゃんは言った。 その言葉を聞いて大分落ち着けた者の、不安は払拭しきれない。 「お兄ちゃんはなんでそんなに自信を持てるの?」
2 21/06/22(火)22:25:58 No.815998226
「それはカレンと何年も一緒に練習してきて…カレンの一部みたいになってたから…かな?ごめん、ちょっと言いすぎたかも…。」 お兄ちゃんは歯に噛んだ表情を浮かべる。 それを見たら堪らなくお兄ちゃんが恋しくなり抱きついてしまった。 「そうだよね…カレンずっと一人で戦ってると思ってた…でもお兄ちゃんも一緒に戦ってくれてたんだよね…。」 自然と涙が溢れてきた。何て自分は自惚れ屋なんだろうか。こんなに近くに一緒に戦ってくれてる人がいたのに…。 「最低だよカレンは…。」 「そんな事ない。ターフの上で頼れるのは自分だけだ。だから、ターフから降りた時位は僕を頼ってもいいんだ。」 お兄ちゃんは悪戯っぽく微笑む。 「それともお兄ちゃんは頼りないかな?」 「ううん!そんな事ない!お兄ちゃんはすっごく頼りになるよ!だから…」 お兄ちゃんをもっと強く抱きしめる。 「だから今の間はこうさせて…。」 「良いよ。」 お兄ちゃんもカレンをぎゅっと抱きしめてくれた。
3 21/06/22(火)22:26:35 No.815998482
抱きしめられているうちに心の中の不安感は消えていくのを感じた。 「よし!お兄ちゃん分補給完了!もうカレンはいつものカワイイカレンチャンに戻ったよ!」 もう怖いものはない。私は一人じゃない。お兄ちゃんと二人で走ってるんだ。 「今日のレース絶対勝つからね!お兄ちゃんの為にも、皆の為にも!」 「ああ!思いっきり魅せ付けてこい!」 「うん、行ってくる!」 控室から出て、パドックにたどり着くと、そこには彼女が立っていた。 「あ!カレンさん本日はよろしくお願いします!」 屈託のない笑顔を浮かべ、彼女は握手のために手を伸ばしてきた。 「今日はよろしく。」 軽く挨拶だけ済ませて彼女と握手をかわした。
4 21/06/22(火)22:26:49 No.815998602
「今日は勝つから。」 言った直後に自分でも驚いた。ここまで強く相手に当たるなんてこれまでした事はない。 彼女を怖がらせてしまったかも知れない。 「私も負けるつもりはありません!」 しかし彼女は恐れもせず、こちらを真っ直ぐな瞳で見つめてきた。 そうだ、彼女がこの程度で怯える筈がない、だからこそ私に勝った、だからこそ倒しがいがある。 「良いレースにしようね。」 「はい!」 彼女との挨拶を済ませ、ゲートへと向かう。 「あ、カレンさんいいですか!」 まだパドックにいた彼女は私に声をかけてきた。 「どうしたの?」 「今日のカレンさんすごいカッコいいです!」 お兄ちゃんと同じことを言った彼女にビックリした。そうだ、彼女もカレンを理解してくれてる1人なんだ。 「今日のカレンはカワイくカッコいいの。」
5 21/06/22(火)22:27:28 No.815998866
昨日書いたカッコいいカレンチャンの続きです! お兄ちゃんに癒されるカレンチャンいいよね… fu103935.txt
6 21/06/22(火)22:34:48 No.816002238
理想のトレーナーとウマ娘の関係すぎる
7 21/06/22(火)22:37:13 No.816003394
でもこんなカレンチャンも日常だとトレーナーと淫らな仲だったりするんですよ
8 21/06/22(火)22:42:52 No.816005721
カナちゃんカレンチャンが黄金世代みたいな仲良しライバルだと俺の健康にいい
9 21/06/22(火)22:47:22 No.816007604
お兄ちゃんと恋愛頭脳戦してるのもすきだけどお兄ちゃんと仲良しで真っ当にレース走るカレンチャンもカワイイ!
10 21/06/22(火)23:08:54 No.816016571
ウマ娘とトレーナーは一心同体になって一人前な感じだ
11 21/06/22(火)23:16:28 No.816019243
ナーバスカレンチャンもまたカワイイ…