ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/06/17(木)01:57:14 No.814045322
とある昼下がりのいつもの二人の時間。生温いけど居心地のいい退屈な、緩い幸せが満たされた部屋。 書類仕事をするトレーナーさんと、それ見ながらホットミルクをすする私。 でも退屈は好きじゃないから、そんな理由でちょっかいをかけるのも同じ私な訳です。 「そういえばさ?トレーナーさんってセイちゃん以外に担当持たないの?なーんてね☆」 「今はそういうのは……考えてもないかな」 困った顔をするトレーナーさんの姿にしてやったかな?という思いが浮かぶ。普段あまりこういう事は無いのでなんとなく嬉しい気持ちになる私。 「もったいないよね〜。だって……結構評価、されてるんだよね?トレーナーさんって」 「まあな?セイのおかげなところも多分にあるけど……それなりの評価は貰ってるよ」 そう、評価されてるのだ。なにせ私みたいな考えに考えを重ねてなんとかして勝ちを掴むウマ娘に勝利をこうして何度も掴ませているのだから。 だからこそ── 「トレーナーさんは引く手数多だもんねぇ〜。まるでセイちゃんみたい。にゃはっ☆」 こうして釣ってみたくなる。
1 21/06/17(木)01:57:51 No.814045462
釣果は 「…セイも別のトレーナーから──」 「セイ"も"?」 「……引っ掛けたな?」 「引っ掛けたからね☆」 大物が釣れたみたい。めったに釣れない大物が、ね? そして釣り上げてしまえばこちらのものな訳で、トレーナーさんは今はまな板の上の鯉みたいな状況です。 なので── 「トレーナーさんは引く手数多だろうから、いつか私のトレーナーさんじゃなくなっちゃうんだろうな~」 好きに調理してあげる☆ ──なんて私の作り上げたペースや策は 「……じゃ、別の娘、担当してみるかな?」 この一言で無に帰した。 「ほぇ?」 心臓が締め付けられる。呼吸が上手くいかない。身体が硬直する。意識が言葉の意味を理解するのを拒む。
2 21/06/17(木)01:58:23 No.814045598
勿論こういう言葉が返ってくる事を考慮にも入れてはいたけどそれは想像以上の破壊力で以て私に襲いかかるのだった。そしてそんな私は 「いや。嫌ですけど。…離れないでよ。」 こんな事をうわ言のように漏らすのが精一杯であった。 固まった私を彼は 「うん、離れないよ。…引っ掛けにしては強すぎたかな?」 なんて私の頭を撫でて溶かす。 「……ズルいなぁ。……ほんとにズルいよ」 ……こんな事で蕩けそうになる自分が情けないやらなんやらで彼に矛先を向けそうになる。 「…かもな?でも──」 それ笑って受け止める彼は私の額に口づけして 「これで少しは信じてくれたらな、とは思ってるよ」 なんて言うのだ。 「……うん。信じる、ね。」 こんな事しか言えない私の乙女心を弄びなら、部屋には生温くて居心地のいい少し刺激的な、緩い幸せが満ちていた。これはそんなとある日の昼下がりの事。
3 21/06/17(木)01:59:13 [s] No.814045825
別の人のスレで出たネタ貰いました 正直すまんかったと思ってる
4 21/06/17(木)02:01:26 No.814046359
オッ…見たかった幻覚が生まれてきた…ありがたい…
5 21/06/17(木)02:02:14 No.814046536
週半ばで疲れた体に幻覚が染み渡る