21/06/06(日)23:45:57 マ法少... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1622990757351.png 21/06/06(日)23:45:57 No.810601737
マ法少女プリティーダービー 前回までのあらすじ ウマ娘と呼ばれる存在が夢と運命を背負い走り続けるこの世界。そこにトンチキな脅威が迫ろうとしていた─────!マイナス感情を元にウマ娘が変身した化け物、『バーケン』。レース敗北の悔しさを糧に、ここに誕生する!その姿は四足の脚を備えた見たこともない生き物!体調5メートル!でかい!クレイジーインラブが変身したバーケンはすかさず一着を取ったウマ娘、アグネスタキオンを襲う!危ない!アグネスタキオン! しかし!そこに降り立つ正義の味方!赤いヒラヒラ衣装とメンコをつけた、希望の紅!その名はマ法少女、トゥインクル・レッド!彼女がバーケンの心をレースで救うことで、バーケンは浄化された…。 トゥインクル・レッドは事件を解決するとあっという間に去っていった。ちなみに彼女の正体はナイスネイチャであり、マ法少女もまたウマ娘が変身した存在なのである。頑張れネイチャ! ぜんかい fu64701.txt
1 21/06/06(日)23:46:36 No.810601990
第二話「マ法少女はひとりぼっち」 アタシの名前はナイスネイチャ。ある日突然スマホに謎のメールが届いた以外は普通のウマ娘。そのメールの指示通りにちょっと前マ法少女に変身して、化け物に変身したウマ娘を助けたんだけどまあそれ以外は普通のウマ娘。 うん、そんな特異性より勝ち星が欲しいのが正直なところだ。それはさておき、普段の日々が戻ってきて。いやまあ戻ってきたはずだったんだけど。今朝またメールが来た。びくびくしながら開いたら、斜め上に殴られた。 『仲間を見つけろ』 …いやいや、前回はしつこくどこでこうしろあーしろって送ってきたのにアバウト過ぎない?そうメールに返信したが返事はなかったので、それ以上の疑問を持つのはやめた。でもどうしよう。…以前、正体をばらすな、と同じくメールで言われていた。 新しい仲間を募集しろということだとすると、チーム結成のように大々的にやるわけにはいかない。…めちゃくちゃ恥ずかしいけど、変身した状態で地道な声かけを…いやいや。
2 21/06/06(日)23:47:03 No.810602159
じゃあ、他にもマ法少女がいるから探せということだろうか。どうやって?でもマ法少女の仲間がいるならありがたい、とは思った。だって…こんな恥ずかしくて無駄に重たい仕事、ひとりでやりたくない…。 うう。まあ仕方ない。なんとなく従ってしまうのは、この前のことがあるから。アタシは確かに他の誰にも助けられない人達を、助けた。このマ法は確実に本物で、アタシはこのメールの通りにマ法を使ってみせた。…あの説明書じみたメールとか、それと正反対にアバウトな出現予測メールとか、色々なところも思い出してきた…。 「…やるしかないよね、やるしか…」 授業が終わり。自分に言い訳して、変身しやすい場所を探す。トレセン学園の中は…無い無い。移動していると、ぴろん、と着信音が。…メールだ。 『〇〇町の方に、バーケン出現予測』 え。 …仕方ないので、電車に乗ってそちらへ向かう。前はレース場で出たけど、今回は町中。周りを守りながらになるんだろうか。…商店街の人たちの顔が、浮かんだ。えーい、やるしかない!頼む、早く着いて~!
3 21/06/06(日)23:47:35 No.810602386
私はジャラジャラ。負け続けの逃げウマ娘。負けるのが嫌になって、レースからも逃げちゃった。なんちゃって。ははっ、と乾いた笑いが溢れる。 『…ジャラジャラよ…』 呼び声が聞こえる。最初は聞き間違いだと思ったけど、その声は頭を直接、繰り返し揺さぶった。 『…走るのが嫌になったのなら…走らなければいい…さあ手にトレ…』 切符のような紙切れ。黒く染まったそれを、私は手に取る。取らされて、しまう。心へ黒が伝わる。身体が黒く染まる。悔しい。もう嫌だ。もう嫌だ。最後に視界に入ったのは、ゲームセンターで楽しそうに遊ぶ人たち。 ああ、遊ぶのは、いいなあ───────。 「っ…もういるじゃん…!」 『バヒィィイイン!!!!』 「というか、なにこれ…。前と姿勢が違わない…?」 四足歩行の、箒状の尻尾を持った化け物。それが前回のバーケンで、アタシは一緒にレースをしてなんとかした。でも。ここはレース場じゃないし。…二足歩行のやつなんて、見たことないし…! 『ヒヒィィィイイイン!』 どすん、どすん。立ち上がり暴れまわるバーケン。とりあえず、なんとかしなきゃ!
4 21/06/06(日)23:47:57 No.810602522
「バーケン!ちょっと待った!トゥインクル・レッド、ただいま参上!さあ、アタシとレースを…うわっ!」 無視。バーケンは前のようにレースに乗っかってはくれず、足踏みを続ける。…周りの人が踏まれないよう、助けないと!ここは仕方ない、マ法少女の力で強引に倒す! 説明しよう!マ法少女はバーケンに立ち向かう時、マ法の力で特別なパワーを得られるのだ! 「とりゃー!トゥインクル・キック!」 …こう叫ぶだけでもまあまあ恥ずかしいけど、そうしないとパワーが出ないらしい。…もしそこを疑って足を捻ったりしたら嫌なので、我慢して叫ぶ。 『ヒン…』 バーケンが足踏みを止める。よし、なんとかなったか。そう思ったのは束の間。…バーケンは、明確にこちらに狙いを定めた。暴れる力の方向が、収束して黒い閃光へと形を変え…ってそんなのアリ? 『バヒヒィィィイイイン!』 …まごうことなきビーム攻撃が、アタシに飛んできた。嘘でしょ。咄嗟に躱す。…地面は傷ついてないけど、当たったらどうなることやら。
5 21/06/06(日)23:48:15 No.810602647
「キャー!」「おじょうちゃん、大丈夫か!」「がんばれ、トゥインクル・レッド!」 「あはは、ありがと…」 周りから人が逃げて行き、最後に激励の言葉をかけてくれた。…負けられない。それに前と同じなら。バーケンの中には、一人のウマ娘が囚われている。その子だって、救わないと…! 「やらなきゃ。…トゥインクル・レッド・プラウス!マ法の力よ、我が下に来たれ!」 マ法のパワーを増加させる呪文を唱える。レースに応じてくれない以上、必勝のマ法は使えない…!だけど!ありったけ、力づくでも倒してみせる! 「とりゃああああああ!!!吹き出せ炎!巻き起これ紅葉!これが私の一番星!トゥインクル・フィストおおおおお!!!!!」 一撃!入れて!見せる!!踏み込んで、振り絞って。腕に炎が迸る。赤いマ力が解き放たれる!そしてそのまま、全力で突き出す!間違いなく、全身全霊のパンチ攻撃! 『ヒヒィィィイイイン!!!』 バーケンも無抵抗で受けはしない。また、黒い光条が解き放たれる。 どかん!このビームをアタシが受け切れるか、押し込めるか。それが勝負の分かれ目…!
6 21/06/06(日)23:48:30 No.810602750
「くっ…ううううう!」 押し切られる、そう思ったら負けてしまう。それはレースと同じだ。アタシはいつも、善戦止まり。でも。今回は、負けるわけにはいかない!マ法少女として、たったひとりバーケンに立ち向かえる存在として! 「ひとりぼっちでも、負けない…!」 おりゃあああああ!!!そこから先は、無我夢中。でも、確かに。手応えは、あった…。マ法が抜け落ち、アタシはウマ並み外れた力を使い切ってしまったみたい。でも、バーケンは攻撃を受けて、倒れて────────。 そこで、ナイスネイチャの意識は途切れた。…まだ倒しきっていないのに。バーケンを単なる力押しで倒すには、それだけマ法の扱いに上達していないといけない。更にバーケンの多くは、『心の鍵』を固く閉めていて、鍵が閉まっている限り攻撃は通りにくい。あくまで心を通わせ心を救い、ウマ娘のマイナス感情に触れなければ、バーケンを"助ける"ことは叶わないのだ────。
7 21/06/06(日)23:49:07 No.810603014
『バヒィィイイイン!!』 …ようやく見つけた。全く、メールを送り忘れてたってなんなのさ。ん?…あれはもしや、マ法少女!マ法少女は他にもいるって話だったけど、ホントだったんだ。とにかく助けなきゃ!さあバーケン、覚悟! このボク、無敵のマ法少女が相手だ! 瞬間、青い雷光が地面を突き刺す。それが、青のマ法少女が来た合図。青を主体とした、彼女のしなやかな身体を映し出した衣装。そして顔を隠す不思議なメンコ。そう、彼女こそが! 「マ法少女、トゥインクル・ブルー!究極最強のマ法少女、ここに爆誕なり!」 「ブルル…!」 トゥインクル・ブルーはバーケンを睨みつける…否。観察していた。バーケンをなんとかするには、抱えたマイナス感情を解き放つ必要がある。 「…ははーん、わかった。このボクにぴったりの相手だね!…キミのその、"足踏み"。それはあのゲームのステップそのもの!つまりキミは!遊びたくてウズウズしてる! さあ行くよ!トゥインクル・チェンジ・コース!このマ法が、夢を駆ける力になる───!」
8 21/06/06(日)23:49:28 No.810603154
そう叫ぶと、光が二人のウマ娘…トゥインクル・ブルーとバーケンを包んだ。マ法で出来た、不思議な別空間への転移。それがマ法少女の真の力。トゥインクル・レッドのそれは、星が瞬く銀の庭だった。 そしてトゥインクル・ブルーのマ法空間は、青い空に虹が何重にも架かった夢の世界。地面はなく、無限に空を落ち続ける。 「さあ、ようこそボクのトゥインクル・コースへ!…精一杯、二人で遊ぼう!」 そう空中で踵を返したトゥインクル・ブルーは、軽やかに空でステップを切る。まるで地面があるように、飛び跳ねるように。バーケンも釣られて、ステップを踏む。 「…おお、やるね!でもボクは負けないよー!更なるステージへ、ゴー!」 そう彼女が叫ぶと、虹が二人の周りを架ける。まるでゲームセンターのように、色とりどりの光が空に舞う。軽快な音楽が鳴り始めていた。更に、ステップを重ねる。
9 21/06/06(日)23:49:43 No.810603250
『私は…私は…!』 何度も何度もゲームを繰り返し。気がつけばそう、声が聞こえて。それは紛れもなく、バーケンとなったウマ娘の心の叫びだった。 「…私は、なんで走らなきゃいけないのか、わからなくなっちゃった」 いつのまにか黒い化け物は姿を変えて。小さな影が現れていた。 「走って、負けるのが。嫌になっちゃった」 「…勝てる気がしなくなった。勝てるイメージが、見えなくなった。その気持ちは、ちょっとわかるかも…でもね」 「それでも、ボクは走れた方が嬉しかった」 それは、ウマ娘たちの対話。どんな姿になっても、彼女たちはひとりぼっちなんかじゃない。こうして、心を通じ合える。 「勝ちたいってさ。思うのは、本当に難しいよね。誰か一人しか勝てない。絶対勝つってみんなが思っても、一人だけ。だけど。 勝ちたいって思わなきゃ、絶対に勝てない。そしてそのために積み重ねた努力は、無駄じゃない。誰も、キミを裏切ったりしない。だから。 また、走ろうよ。走れるだけで、ボクたちは幸せなんだから」
10 21/06/06(日)23:49:58 No.810603367
空を切り、ぎゅっと少女は少女を抱きしめる。虹が世界を埋め尽くし、また白い光でいっぱいになる。それが明けると、化け物は姿を消していた。 「大丈夫?だーいじょうぶ?」 「…ぅう…。うわわっ、アタシ一体…!というか貴女は…?」 「ボクはトゥインクル・ブルー!最強無敵のマ法少女!バーケンならもう大丈夫!ボクがなんとかしたから!…でもさ。それまでキミが護ってくれたんだよね、町のひとたち。ありがと!」 理解が追いつかない。いや、マ法少女がもう一人いるってのはアタシに来たメールの通りか。つまり、仲間を見つけろ、は達成できた。それに。 「ありがと、トゥインクル・ブルー…さん。アタシはトゥインクル・レッド。助かった」 差し出された手を掴む。マ法少女として、はじめての仲間だ。その仲間に、救われた。 「こちらこそ!」 その笑顔は、目元が隠れていたけどキラキラしていて。まるでどこかのテイオーさんみたいだな、なんて思ったりなんだり。
11 21/06/06(日)23:50:18 No.810603493
マ法少女って結局なんなんだろう。そんなことを悩んでいたら、なんだか怪しい人…ってアグネスタキオンさんじゃん。に声をかけられちゃった!いや…変なクスリはちょっと…。変身見せるのは、もっとちょっと…!助けて誰かー! 早くも正体危うし、トゥインクル・レッド!トゥインクル・ブルーは助けてくれるのか!素知らぬ顔で帰るのか! 次回!『マ法少女応援団体!?』…ところでトゥインクル・ブルーって誰なんだろ?
12 21/06/06(日)23:50:46 No.810603716
ブルーなんだ…
13 21/06/06(日)23:55:51 No.810605571
ウワッー!続編きてるーっ!?
14 21/06/06(日)23:58:18 No.810606481
>ウワッー!続編きてるーっ!? 続ける!絶対続けるわよ!とりあえずいい感じの終わりを見つけるまでに魔法少女のお約束を全部やってから終わらせたいわよ!
15 21/06/06(日)23:58:54 No.810606683
>魔法少女のお約束 よし!じゃあ触手!
16 21/06/07(月)00:03:54 No.810608530
魔法少女といえば触手というのは大変そう思うので書きたいと思っています でも健全路線を積み重ねてからの方がいいと思うので我慢していますすまない…
17 21/06/07(月)00:05:03 No.810608950
いいのよ…
18 21/06/07(月)00:07:19 No.810609803
>>ウワッー!続編きてるーっ!? >続ける!絶対続けるわよ!とりあえずいい感じの終わりを見つけるまでに魔法少女のお約束を全部やってから終わらせたいわよ! えらい! ファイト!
19 21/06/07(月)00:16:45 No.810613240
ちなみにメンバーが何人まで増えるのかは未定です マックスハートみたいに3人くらいじゃないと畳きれないかもしれないしかし増やしたい…
20 21/06/07(月)00:17:14 No.810613408
魔法少女ものだと人数にも幅があるからどれ位まで増えるんだろ… マーブルスクリューな初代だとこれで打ち止めだし